「身の丈」経営,「身の程」人生

身の丈,身の程を知って生きる・・・・・

弘兼憲史・柴門ふみ夫妻に見るありたい夫婦像-3

2017-04-27 00:00:01 | 夫婦は他人

  柴門うみさんは,『老いては夫を従え』を書いたいきさつや,60歳代を迎えての心境を小学館発行の月刊誌「本の窓」,2017年1月号で次のように綴っている。

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┗■  柴門ふみ著 『老いては夫を従え』

                              出典:『本の窓」 小学館刊 2017年1月号 p6~p7 

    .......(略)

 本著『老いては夫を従え』は、そんな私がジタバタしながら、老いを手なずけようと試行錯誤する日々をつづったものです。
 気持ちは若いつもりでも、肉体は確実に衰えてゆく。昨日できたことが、今日はできない。若い時分に、「だから、年寄りにはなりたくない」と呆れていた言動(同じ話を繰り返す、人の名前を間違える、新しいことは面倒くさがる、など)の、今まさに当事者となっているのです。
 これはもう、笑うしかない、と私は考えました。己を喋くより、己を笑うことの方が、諦めもつきやすいというものです。

    ・・・・・・・(略)

 東日本大震災から一年後の二〇一二年秋から二〇一六年春までの三年半、続きました。五十五歳から五十八歳にかけての、私の日常風景と老いていく心境についての内容となっています。
 私は、連載開始の二年前に乳がん手術を受けています。それは私にとって人生初の大病でした。老いていく日々に加え、震災と手術の記憶も生々しく、楽しいことを考えづらい、人生のそんな時期でした。

     ・・・・・・・・・・・・・・・・(略)
  また、若い頃は遠ざけていた親戚づきあいを、むしろ積極的に楽しむようになったのもこの時期で、これには自分でも驚きました。これも年齢を重ねた末の大きな心境の変化なのでしょうか。
 このように振り返ってみると、この数年間で五十代前半までとは明らかに違う新たな世界に私が踏み出したことは、間違いありません。

 老いるということをネガティブにとらえると、気持ちはどんどん暗くなるばかりです。
 かといって老いを否定し、「死ぬことは忘れて、若い頃の情熱のまま突っ走るぞ」というのも、どうも違うような気がします。
 「まあ、しょうがないか」
 「またこんな笑っちゃうことやっちゃったよ」
 そんな心持ちで今後の人生を生きていければいいなと、そんなふうに私は考えております。

 

                     

【プロフィル】柴門ふみ


さいもん・ふみ 昭和32年、徳島市出身。お茶の水女子大で漫画研究会に所属。現在の夫で漫画家の弘兼憲史さんのアシスタントを経て、昭和54年にデビュー。『P.S.元気です、俊平』で講談社漫画賞、『家族の食卓』『あすなろ白書』で小学館漫画賞を受賞。テレビドラマ化された作品も多い。エッセイストとしても活躍し、『恋愛論』『老いては夫を従え』『結婚の嘘』など著書多数。

 

>>>弘兼憲史・柴門ふみ夫妻に見るありたい夫婦像 掲載一

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 ┗━╋… ハレの日の晩酌のつまみ・・・・信州のほし柿・・・

 

 私は,心ウキウキたまらなくうれしいことがあったら,その日の晩酌のつまみは信州のほし柿と決めている。その日のために,ほし柿は冷凍庫と冷蔵庫の奥に大切にしまってある。

 

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 ┃┃  紫門ふみさん 「東京ラブストーリー」
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  >>>東京ラブストーリーAfter25years (ビッグコミックススペシャル)11

 


 時代に合わせて幅広い世代の恋愛ストーリーを執筆し、「恋愛の神様」とも呼ばれる漫画家の柴門ふみさん(60)。男女間の微妙な心の揺れをリアルに描いた代表作「東京ラブストーリー」はトレンディードラマにもなり、バブル時代の若者を夢中にさせた。


 《東京ラブストーリーは、昭和63年から週刊ビッグコミックスピリッツ(小学館)で連載。愛媛から上京した永尾完治と同僚の赤名リカ、完治の初恋の人、関口さとみ、完治の友人で医大生の三上健一の恋愛模様が描かれる。平成3年にフジテレビ系で放送されたドラマは最高視聴率32・3%を記録、社会現象を巻き起こした。単行本などの累計発行部数は約380万部》

 《昨年、ビッグコミックスピリッツに「東京ラブストーリー」の25年後を描く続編を発表。今年1月に「東京ラブストーリーAfter25years 」として単行本が発売された。50歳になった完治とさとみの娘と、リカの息子が結婚することになり、25年ぶりに再会を果たす》


柴門ふみさん曰く--恋愛の真実を描きたい

 編集部から25年後の続編執筆依頼を受けたのがきっかけです。続編のテーマは「愛」。過去に恋愛関係にあっても、時間を経ることで別の形になっていくことを表現したいと思いました。この25年で、恋愛や交際への関心が薄くなり社会の中で恋愛の位置づけが変わってきたように感じます。若い人、特に男性が傷つくのを恐れている印象です。インターネットやSNS(会員制投稿サイト)がその一因かもしれません。

 現実からヒントをもらうことが多いですが、身近な真実をちりばめ、大きな嘘をつくのが漫画。最近では、80代の女性が初めての恋に落ちたという話を聞き、この世代に興味を持ちました。この先何作描けるか分かりませんが、読者の予想を裏切るような物語性のある作品を追求していきたいですね。
                                        出典:産経新聞 2017年3月20日(20面)


東京ラブストーリーAfter25years (ビッグコミックススペシャル)11


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