日本テレビ http://www.ntv.co.jp/ 系列で今月15日から放映の児童養護施設で暮らす子どもたちを描いたとするドラマ「明日、ママがいない」。このドラマでは,いわゆる「赤ちゃんポスト」に預けられていた子どもを、「ポスト」というあだ名で呼ぶなど、人権侵害にあたる不適切な表現が多いと抗議し,「赤ちゃんポスト」を運用する熊本市の慈恵病院が日本テレビに対しドラマの放送中止を申し入れる考えを明らかにしました。
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このドラマは,児童養護施設「コガモの家」を舞台にした物語。主人公となる9歳の女の子が、親が育てられない子どもを匿名で受け入れるいわゆる「赤ちゃんポスト」に預けられていたことから、あだ名で「ポスト」と呼ばれています。
「赤ちゃんポスト」を運用する熊本市西区の慈恵病院 http://jikei-hp.or.jp/ は16日、記者会見で,「預けられた子どもを傷つけ、子どもに対する精神的な虐待、人権侵害にあたるのではないか」と懸念を示し,不快感を表明した。
なお,ドラマの中では特定の病院名を出していません。だが,慈恵病院は,児童養護施設の描き方についても職員が子どもたちに,「お前たちはペットと同じ」、「犬でも芸をするのだから、お前らも泣け」と暴言を吐いたり,世間の同情を買いやすくするため上手に泣くことを強要したりするなどのシーンは,フィクションだとしても許される脚色や演出の範囲を逸脱していると,断じています。
慈恵病院は日本テレビに対して、ドラマの放送中止と、養護施設に暮らす子どもや職員への謝罪などを申し入れる考えを明らかにしました。 このドラマについては、全国児童養護施設協議会 http://www.zenyokyo.gr.jp/ も子どもの権利侵害につながるおそれがるとして、対応を検討しているということです。
視聴者からは、「過激な内容でしたが、ドラマを終了する必要はないと思います。人生、綺麗ごとばかりじゃない」、「抗議なども出ているようだが、負けずにドラマで描きたいこと、やろうとしていることを貫き通して下さい」との声も寄せられているという。
日本テレビは、「ドラマでは、子どもたちの心根の純粋さや強さ、たくましさを全面に表し、子どもたちの視点から『愛情とは何か』という趣旨のもと、子どもたちを愛する方々の思いも真摯に描いていきたいと思っています。最後までご覧頂きたい」,とする見解を表明しています。
>>>番組スポンサー
・花王
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◆脚本: 松田沙也氏 http://twpro.jp/saya_matsuda
⇒⇒ 日本テレビ ⇒ 「明日、ママがいない」 http://cu.ntv.co.jp/?utm_source=ntv.co.jp&utm_medium=ct_ntv&utm_campaign=rectangle_201401
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┗■ 熊本県 慈恵病院 赤ちゃんポスト-「こうのとりのゆりかご」
全国初の赤ちゃんポスト、「こうのとりのゆりかご」が熊本県熊本市慈恵病院に設置されたのは2006年でした。そこには,2011年9月末までに81人の赤ちゃんが預けられています。
◆医療法人聖粒会 慈恵病院
〒860-0073 熊本県熊本市西区島崎6-1-27
電話096-355-6131(代表) FAX 096-359-8221
24時間無料電話相談 赤ちゃんとお母さんの相談窓口
0120-783-449
▼こうのとりのゆりかご設立にあたって-慈恵病院ホームページより
現在の社会情勢を見ますと、親が子供を殺すケース、子供が親を殺す等殺伐とした事件が増えております。厚生労働省のまとめによると、2003年度の全国の 児童相談所が処理した児童虐待に関する相談件数は、前年度に比べ約6,000件多い、26,500件にも上っており、更に2000年11月から2003年 末までに159人の児童が虐待により死亡しており、このような社会の趨勢をみると、今後赤ちゃんを捨てるケースも増えていくのではないかと危惧せずにはお られません。
出典:慈恵病院ホームページより http://jikei-hp.or.jp/cradle-of-the-stork1/
Q もし赤ちゃんが「こうのとりのゆりかご」に預けられた場合はその後,どうなるのですか。
預けられた場合は、医師による赤ちゃんの健康チェックを行い、直ちに関係機関である熊本市役所、児童相談所、警察へ連絡します。その後の処遇はケースバイケースですが、基本的には児童相談所で一時保護されます。
その後、養子縁組ができないか等を検討していきます。
だが日本の特別養子縁組の規定は厳しいものです。簡単に養子が認められる訳ではなく、様々なルールやハードルをクリアしたご夫婦にだけ認められます。
*イラスト 出典:「こどもや赤ちゃんのイラストわんパグ」 http://kids.wanpug.com/
熊本市の「こうのとりのゆりかご専門部会」では、平成22年4月から中期的検証を実施しています。この検証結果をとりまとめた「こうのとりのゆりかご」検証報告書は,2012年3月29日にとりまとめられ,公表されています。
⇒⇒ こうのとりのゆりかご」検証報告について
更新日:2012年3月29日 健康福祉子ども局 子ども支援課
▼報告書の「第5章 ゆりかごへの評価」(抜粋)
1 子どもの人権・子どもの福祉の観点からの評価
(1)出自を知る権利の保障の面からの評価
子どもの権利を保障する観点から、子どもが実の親を知る権利、自らの出自を知る権利は保障されなければならず、子どもの身元がわからない事態は避けなければならない。今後は制度上もできうる限り子どもの出自に関する情報を確保できるような工夫をすべきである。
(2)生命の保障、生命・身体の安全の確保の面からの評価
自 宅での出産や預け入れまでの過程で生後まもない子どもの遠距離の預け入れが続いており、子どもの生命にかかわる事故が起こっても不思議ではない事例が数多 くみられるなど、「預け入れ後」の安全性が確保されていることをもって、生命・身体の安全性が確保されていると評価することは難しい。今後は預け入れに至る状況も踏まえて総合的な視点から事例ごとの安全性の検証が必要と思われる。
(3)「安易な預け入れにつながっていないか」との観点からの評価
預け入れることへの不安や葛藤が見られない、明らかに自己都合による"利用"とみなされる事例が出てきており、安易な預け入れにつながっている面がある。
(4)ゆりかごの匿名性の観点からの評価
ゆりかごの匿名性は、母子にとっての緊急避難として機能し、さまざまな援助に結びつける入口となりうる一方で、子どもの人権及び子どもの養育環境を整える面から最後まで匿名を貫くことは容認できない。預け入れにあたり実名化を前提とした上で預け入れ者の秘密を守るといった手法についても検討していく必要がある。
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