家にはムサシ・ザ・キャット、
13歳が同居している。
ムサシの名は「宮本武蔵」さまの「武蔵」から頂いた。
が、「武蔵」さまには程遠く、
いつの間にか「武蔵」から「ムサシ」へ。
妹のところには
「小次郎」と「小雪」という、
ムサシと半年違いの猫がいる。
この猫たちの命名のときも、
うちが「武蔵」だからということもあって、
「じゃ、小次郎にしちゃおうか」ということで
雄の茶トラは「小次郎」に、
メスの茶白は、
「『お通』にしたら、やり過ぎよね」、
ということで「小雪」になった。
その後、武蔵は結局ムサシに、
小次郎も結局コジロウになった。
なんたって二匹とも、
もう、とっても臆病。
漢字の武藏と小次郎には程遠い。
来客があれば、
家のどこかに身をひそめてしまう。
ともかくビビリンなのだ。
ところで、今回私は3週間以上も
不覚の入院をしてしまった。
その留守宅でのお話。
ムサシは私がいなくなってから、
丸三日間、玄関に座って、
一日中、じっと外の方を見ていたという。
三日経って、あきらめたのか、
もう玄関に座ることはなかった。
その代り、なんとなく落ち着かない様子が続いていて、
娘たちが「ムサシ」が可哀想と言ってきた。
そうだ、きっと夫との相性の問題に違いない!
夫も新しい事態には弱いタイプ。
私には平気といっているけれど、
結構家では緊張しているのだろう。
だからムサシもなおさら落ち着かないってことかな?
なんて考えていた。
私が戻ると、ムサシは元のムサシに。
家の中ではのんびりの、いたずら坊主に戻った。
そんな話を妹と電話で話した。
そうしたら、
「まあ!ムサシちゃんは3日間頑張ったのね。
うちで前に飼っていたトラは死んじゃったのよ」(妹)
「えっ?」(私)
「ちょうど私がね、中東に駐在している夫のところに
3週間出かけたの。その時のことなんだけど・・。
家には息子が留守番でいたのだけれど、
私が出かけてから、トラは家に帰ってこなくなったの。
息子は近くの駐車場でトラを見かけることはあるって
言っていたわ。でも家には帰ってこないのよね。
ところがね、私が帰宅した1時間後に
どこで見ていたのか、トラが帰ってきたの。
そのときはね、もう、骨と皮にやせちゃってね。
それからほどなく亡くなったのよ」(妹)
「えっ、そうだったの」(私)
「そう、だから飼い主がいなくなると
死んじゃうってこともあるのよ」(妹)
「なるほどねえ」(私)
と、そんなことを電話口で話し合った。
妹はさらに続けた。
「夫が定年になって家にいるでしょ。
私もいつも家にいるのではなくて、
時々家を空けるじゃない。
そうすると、コジロウが玄関で、
外に向かって、ずーっと
ミャーミャー泣いているんだって、
夫が言うのよ。
T子が帰ってくるのを待ってるんだなって」(妹)
「え、そうなんだ」(私)
なるほど・・・、
わが家と妹の家の猫たちは
どういうわけか、私と妹にくっついているんだ、
ということがわかった。
ムサシは3日間だけだったけれど、
それでもいなくなった主が帰ってくる方向を
ずっと見ていた。
トラに至っては、主がいない家には帰らず、
主が戻った時には既に生きる力がなくなっていた。
忠犬という言葉は聞くことはあっても
忠猫という言葉は聞いたためしがない。
でも猫だって、異変を感じる。
わが家は3日間の忠猫生活、
でもトラは命を落とした。
忠犬ハチ公の忠義とは質は違うけれど、
ネコも見た目よりは太い絆で
飼い主と繋がっているのだなって、
そんなことを思った
忠猫風景でありました。
13歳が同居している。
ムサシの名は「宮本武蔵」さまの「武蔵」から頂いた。
が、「武蔵」さまには程遠く、
いつの間にか「武蔵」から「ムサシ」へ。
妹のところには
「小次郎」と「小雪」という、
ムサシと半年違いの猫がいる。
この猫たちの命名のときも、
うちが「武蔵」だからということもあって、
「じゃ、小次郎にしちゃおうか」ということで
雄の茶トラは「小次郎」に、
メスの茶白は、
「『お通』にしたら、やり過ぎよね」、
ということで「小雪」になった。
その後、武蔵は結局ムサシに、
小次郎も結局コジロウになった。
なんたって二匹とも、
もう、とっても臆病。
漢字の武藏と小次郎には程遠い。
来客があれば、
家のどこかに身をひそめてしまう。
ともかくビビリンなのだ。
ところで、今回私は3週間以上も
不覚の入院をしてしまった。
その留守宅でのお話。
ムサシは私がいなくなってから、
丸三日間、玄関に座って、
一日中、じっと外の方を見ていたという。
三日経って、あきらめたのか、
もう玄関に座ることはなかった。
その代り、なんとなく落ち着かない様子が続いていて、
娘たちが「ムサシ」が可哀想と言ってきた。
そうだ、きっと夫との相性の問題に違いない!
夫も新しい事態には弱いタイプ。
私には平気といっているけれど、
結構家では緊張しているのだろう。
だからムサシもなおさら落ち着かないってことかな?
なんて考えていた。
私が戻ると、ムサシは元のムサシに。
家の中ではのんびりの、いたずら坊主に戻った。
そんな話を妹と電話で話した。
そうしたら、
「まあ!ムサシちゃんは3日間頑張ったのね。
うちで前に飼っていたトラは死んじゃったのよ」(妹)
「えっ?」(私)
「ちょうど私がね、中東に駐在している夫のところに
3週間出かけたの。その時のことなんだけど・・。
家には息子が留守番でいたのだけれど、
私が出かけてから、トラは家に帰ってこなくなったの。
息子は近くの駐車場でトラを見かけることはあるって
言っていたわ。でも家には帰ってこないのよね。
ところがね、私が帰宅した1時間後に
どこで見ていたのか、トラが帰ってきたの。
そのときはね、もう、骨と皮にやせちゃってね。
それからほどなく亡くなったのよ」(妹)
「えっ、そうだったの」(私)
「そう、だから飼い主がいなくなると
死んじゃうってこともあるのよ」(妹)
「なるほどねえ」(私)
と、そんなことを電話口で話し合った。
妹はさらに続けた。
「夫が定年になって家にいるでしょ。
私もいつも家にいるのではなくて、
時々家を空けるじゃない。
そうすると、コジロウが玄関で、
外に向かって、ずーっと
ミャーミャー泣いているんだって、
夫が言うのよ。
T子が帰ってくるのを待ってるんだなって」(妹)
「え、そうなんだ」(私)
なるほど・・・、
わが家と妹の家の猫たちは
どういうわけか、私と妹にくっついているんだ、
ということがわかった。
ムサシは3日間だけだったけれど、
それでもいなくなった主が帰ってくる方向を
ずっと見ていた。
トラに至っては、主がいない家には帰らず、
主が戻った時には既に生きる力がなくなっていた。
忠犬という言葉は聞くことはあっても
忠猫という言葉は聞いたためしがない。
でも猫だって、異変を感じる。
わが家は3日間の忠猫生活、
でもトラは命を落とした。
忠犬ハチ公の忠義とは質は違うけれど、
ネコも見た目よりは太い絆で
飼い主と繋がっているのだなって、
そんなことを思った
忠猫風景でありました。