好事家の世迷言。

調べたがり屋の生存報告。シティーハンターとADV全般の話題が主。※只今、家族の介護問題が発生中です。あしからず。

「紅の戦士の冒険」第20話「LEVEL4 - CHAPTER4」

2012-03-31 | ゲームブック二次創作
気づいてみると、やはり先程とは異なる場所に移動していた。
見つけた扉を開けた先は、大きな正方形の部屋だった。

中央には、白髪の老人がペンを手にして机に向かっている。
机には羊皮紙が、その周りには書物が幾重にも積み重ねられている。
壁には、天井から床まで一面に書棚が並び、何千もの書物が備えられている。

私に気づいた老人は、鋭い視線を私に向けた。


――睨まれたら睨みかえせ――。


私は先生からそう教わってきた。
その教えを実行すると、老人はすぐに馬脚を現した。
ひぃっと悲鳴を上げて、机の下に逃げたのだ。
……効果てきめん、というべきだろうが、気分はやや複雑だ。

私は咳払いを一つしてから、自分の目的を告げた。
老人は怯えながらも、甲高い声で答えた。

「こ、ココの迷路はワシが作った物だ。
 そう簡単には抜け出せんぞ。
 南の扉から出て、右の扉を通り越し、突き当たりで左へ曲がり、
十字路を突っ切って、次の十字路を左へ行けば、出られるはずだがな」

五冊組・えぴそーど2。

2012-03-30 | その他ミステリ
『模倣犯(2)』(by宮部みゆき)、読了。

前巻で展開されていた、
塚田真一や有馬義男や前田滋子などの続き……
は、ほぼ全て霧散している。

その代わり、約400ページの内およそ9割が、
前巻ラストに登場した、犯人側の同行に割かれている。

個人的に、この第2巻を読むのは苦労した。
ノンストップの最速で読みきったと思う。
前巻以上に、時も所も縦横前後しているのはまだともかく。
私が一番嫌いなタイプの視点で話が進んでいったためだ。

幼い頃から苦労していた部分はあったかもしれないが、
その人物の実態と言ったら、
職にも一切就こうとせず親にたかりまくって浪費して、
引っかけた女たちに嘘ついて騙して見下して嘲笑って、
そのくせ自分よりも強い相手には媚びへつらう。
あらゆる他人を利用していると自惚れている己自身こそが、
全事件の黒幕に利用されている事に気づいていない。
あまりの救いの無さに、いっそ虚しい気持ちにさえなってくる。
だってどうせ死ぬしこの犯人。

なお、今巻は完全に続き物状態。
今のところ気になるのは、由美子の見合い相手が誰かという事くらい。
坂木刑事あたりなのかな多分。
ともあれ、早いとこエンドマークを拝みたい。プリーズ次巻。

それでは。また次回。

カケラを結ぶ×8。(その1)

2012-03-29 | チュンソフト・スパイク系
「かまいたちの夜2」に続き、PSP版「街」をプレイ中である。

「かまいたちの夜」シリーズに並ぶ傑作だという、レビューサイトでの紹介を読んだのが、
「街」を知ったきっかけだった。

そのストーリーを説明する事は、かなり難しい。
何せ、主人公にあたる人間が、最低でも8人いる。

プレイヤーの目標は、その8人の物語を、「完」まで導く事。
しかも物語たちは、Aさんの分を進めるためにBさんの分を進めるためにCさんの……と
全員分が完全に連動している。

通りかかったAさんが、困っているBさんを助けたら、
追いつめられたCさんが失踪し、Dさんの計画が破綻する……とか。
Aさんから、Bさんへの贈り物のせいで、
Cさんが事件を起こし、関係者のDさんが足止めを食らう……とか。

つまりプレイヤーは、都合8冊分の小説を同時進行で記憶かつ読解していかねばならない。
よくもこんな複雑な物語を創ったものだと、つくづく思う。
脚注にあたる「TIPS」の分量も膨大だ。
バッドエンディングの総数も尋常じゃない。122ある。

ただ、そういった物語の連動ぶりを最優先しているためか、他の面では粗も多く癖も強い。
対象年齢が17歳以上の「C」であるため、万人受けする内容とは言いがたい。
伏線ナシの、いわゆる超展開のオチも多いし。

システム面でもせめて、既読文章のスキップ機能は欲しかった。
初版であるSS版では、フローチャートでのジャンプ機能さえ無かったというのだから恐ろしい。
同じ文章を何度も読むのは、どうしても億劫になってしまい、終盤では苦労した。

次回からは、個別ストーリーの感想をupする予定。
全体的に辛口になると思います。

それでは。また次回。

「紅の戦士の冒険」第19話「LEVEL4 - CHAPTER3」

2012-03-28 | ゲームブック二次創作
部屋を出て、どんどん北へ。
行き止まりになった所の壁を押すと、
カチッと何かが動く音がした。
途端、何やらめまいを感じ、思わず床に崩折れた。

首を振りながら体を起こすと、先程までとは異なる場所に立っていた。
気を取り直して、再び北へ進み、見つけた部屋に入った。
割れた壷や花瓶が散乱している。
明らかに、私がミノタウロスと戦ったあの部屋だ。

……推理するに、何か、まやかしの術をかけられている可能性が高い。
出口のある北方へ、行かせまいとしているのだ。

ならば、こちらにも考えがある。
私は、きびすを返し、逆の南方へ足を進めた。
道はどんどん南西に向かい、また行き止まりの所に着いた。

壁をつついて回るが、いっこうに手がかりは見つからない。
読みが外れたかと思いながら一歩下がると、足下でカチッと音がした。
次の瞬間、天井からガス状の何かが、
シューっと音を立てて細く吹き込んできた。
私は咳き込むと同時にめまいを感じ、再び床に崩折れた。

ジャンプ(17号)私的雑感。

2012-03-27 | ジャンプ
振り返った先に君がいてくれるという幸福。

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★覚えた台詞、三番勝負。

1.「何のために生まれてきたかを教えてくれる奴なんかいない。
お前の生きる目的なんて俺が知るか!!」
(『めだかボックス』)

2.「中学のことなんか知らねえ!!
おれにとってはどんなトスだってありがたぁ~いトスなんだ!!
おれはどこにだってとぶ!!
どんな球(ボール)だって打つ!!
だから、おれにトス、持って来い!!」
(『ハイキュー!!』)

3.「漫画は、楽しんで描いた人の勝ちよ」
(『SKET DANCE』)


※補記
読切『ロック・リーの青春フルパワー忍伝』掲載。

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それでは。また次回。

劇場版Fate「UBW」雑感。

2012-03-26 | Fate ( stay night 中心)
映画『Fate / stay night Unlimited Blade Works』のDVDを見る。

端的に言いまして。
この映画は完全にファン向け、それも原作クリア済みの人向けである。
第二ルートでのバトルシーンを堪能するのが最適な楽しみ方だ。

少なくともTV版を全話見てないとちんぷんかんぷんだと思う。
誰が誰やら何が何やら、置いてきぼりを食らう事は必至。
何も知らずに見ていたら、藤ねえを士郎の母親だと思ってもおかしくない。

更にヤヤコシイ事に、話が分岐するまでの序盤は(原作通り)、TV版とほぼ同じ。
だから人によっては、TV版をそのまま映画化したのかと勘違いしてもおかしくない。

かと言って、原作をそのまま映像化しているわけでもない。
なまじTV版で、(第二ルートの)士郎VS凛の学校バトルを描いてしまったためか、
こちら映画での士郎&凛は、(第一ルートのように)アッサリと共闘する事に。

カットされている伏線も多い。
アーチャーがペンダントを返す場面も、
セイバーがアーチャーを斬ろうするのを士郎が止める場面も、
士郎がアーチャーに剣技を習う場面も、
士郎&凛&セイバーが楽しく街で遊ぶ場面も全て割愛。
そのため、キャスターが衛宮邸に襲いかかるのが唐突な印象になっている。

性描写も、まさか原作通りには描けない。
聖杯として利用された慎二の肌も最低限しか晒されない。
あの状況でキチンとズボン履いてるってのは逆に笑えてしまう。

……なんてイチャモンを書き連ねてはいるが、士郎・凛・葛木・セイバー・アーチャー・ランサー・
キャスター・アサシン・ギルガメッシュと居並ぶ面々の、数々の対戦を拝めたのは素直に嬉しい。
こうして丁寧に作られてる作品が、本当に羨ましいです。

それでは。また次回。

事件126『忘れられた携帯電話』(第43巻)考察。

2012-03-25 | 『名探偵コナン』原作考察
蘭が登場せず、
メインはコナンと小五郎の二人という珍しいパターン。

代わりに動くのは、
喫茶店「ポアロ」のウェイトレス・榎本梓。
彼女もまた、アニメ版を由来とするキャラの一人。

今後の『コナン』では、
このような「新展開=新キャラ登場」という
パターンが目立つようになっていく。

事件の内容は、なかなか硬派で新鮮だ。
落とし物の携帯電話から、汚職事件が暴かれる。
誰も死なず殺されず、そして小五郎も眠らない。
コナンは常識的かつ現実的に、周りにヒントを与えて誘導していく。

なお、小ネタとしては、レストラン「コロンボ」が
ついに登場した事を挙げておきたい。

『社長令嬢誘拐事件』で名前だけ登場していたものの、
まさしく「忘れられた設定」だった店が描かれたのは、
興味深い点だと言えるだろう。

それでは。また次回。

「紅の戦士の冒険」第18話「LEVEL4 - CHAPTER2」

2012-03-24 | ゲームブック二次創作
言われた通りの道順に進んでみる。
が、思った通り、その先もまだまだ迷路は続いている。
確か地図には、北にもメッセージがあったはず。
危険があるのは承知の上だ。

扉を開けると、そこは大きな正方形の部屋だった。
土器のかけらが、そこら中に転がっている。
数少ない例外としては、金貨で一杯の壷や、
何か透明な液体で満たされた花瓶などがある。

部屋の奥に進むと、背後で扉が勢いよく閉まった。
振り向くと、半人半牛のモンスター ――ミノタウロスが向かってきていた。
頭を下げた姿勢で、角で刺そうと突進してくる。

私は緋色のマントを翻し、壷の一つをミノタウロスへと投げつけた。
敵の怯んだ隙を突き、剣で急所を貫いた。

戦いの後、改めて部屋を調べて回る。
壷の中の金貨は、陶製の作り物だったが、8枚ほど本物が混じっていた。

花瓶の中身は、匂いも味も、普通の水のようだ。
もっと詳しく調べようと傾けた時、手が滑った。
すると、砕けてしまった壷が二重底になっていた事が分かった。
入っていたのは赤い鍵だ。「111」と記されている。
手に入れた鍵は、これで3本。

迷宮の出口は近い。

五冊組・えぴそーど1。

2012-03-23 | その他ミステリ
『模倣犯(1)』(by宮部みゆき)、読了。

宮部氏のファンである友人から貸してもらった。

文庫で全5巻という大作におののいているが、
今まで読んできた難物たちと比べれば、
もとい比べるのも申し訳ない良作なのは確実だ。

ある女性が殺された事件を中心に、
被害者を発見した男子高校生・塚田真一と、
被害者の祖父・有馬義男と、
事件の記事をまとめようとする女性ライター・前畑滋子と、
事件を追う刑事たちとが、
それぞれの立場で描かれていく物語。

時間も場所も縦横に前後する複雑な構成なのに、
するすると読めていってしまう筆運びには、
流石というしかない。

第1巻の最後の時点では、
連続殺人犯だと思わせる二人組が浮上したが、
物語はまだまだ序盤。

犯人の正体は?動機は?マスコミを煽る理由は?
真一の罪悪感の原因は?
義男の娘は回復するのか?
滋子の記事は完成するのか?

内容を忘れない内に、早く次を読まねば。

それでは。また次回。

続・鎌鼬に挑め。(その13)

2012-03-22 | チュンソフト・スパイク系
「かまいたちの夜2」のプレイ最終段階。

再び、攻略サイトの力を借りて、指定された通りの操作を済ませる。
中村光一氏のコメントが超高速で流れていくのを目撃すると、
黄金の蝶の羽ばたきと共に、金のしおりが登場。

この状態で、普段通りにゲームを始めると、
「バグ風演出」の画面を見られる。

実を言うと、私がこのゲームに興味を持ったきっかけこそ、
この「バグ風演出」だった。


低確率でランダムに発動という触れ込みに身構えていたが、
いざ取り組んでみたら、船上での会話シーンで
全てのパターンを見る事が出来た。
一つのパターンを見る度に、セーブせずに終了ボタンを押すのがコツだ。

「これはそんなゲームだ」の連続表示のパターン、
「呪われても仕方がない」の連続表示のパターン、
呪いのゲームの告白のパターン、
海岸の画に切り替わるパターン。
この四つを拝んだ事で、我が「かまいたちの夜2」は終了した。
全テキストを読み終えた時間は、約15時間。

ここまで来たら、残るは「かまいたちの夜×3」。
いずれ、続けて挑戦します。

それでは。また次回。