気づいてみると、やはり先程とは異なる場所に移動していた。
見つけた扉を開けた先は、大きな正方形の部屋だった。
中央には、白髪の老人がペンを手にして机に向かっている。
机には羊皮紙が、その周りには書物が幾重にも積み重ねられている。
壁には、天井から床まで一面に書棚が並び、何千もの書物が備えられている。
私に気づいた老人は、鋭い視線を私に向けた。
――睨まれたら睨みかえせ――。
私は先生からそう教わってきた。
その教えを実行すると、老人はすぐに馬脚を現した。
ひぃっと悲鳴を上げて、机の下に逃げたのだ。
……効果てきめん、というべきだろうが、気分はやや複雑だ。
私は咳払いを一つしてから、自分の目的を告げた。
老人は怯えながらも、甲高い声で答えた。
「こ、ココの迷路はワシが作った物だ。
そう簡単には抜け出せんぞ。
南の扉から出て、右の扉を通り越し、突き当たりで左へ曲がり、
十字路を突っ切って、次の十字路を左へ行けば、出られるはずだがな」
見つけた扉を開けた先は、大きな正方形の部屋だった。
中央には、白髪の老人がペンを手にして机に向かっている。
机には羊皮紙が、その周りには書物が幾重にも積み重ねられている。
壁には、天井から床まで一面に書棚が並び、何千もの書物が備えられている。
私に気づいた老人は、鋭い視線を私に向けた。
――睨まれたら睨みかえせ――。
私は先生からそう教わってきた。
その教えを実行すると、老人はすぐに馬脚を現した。
ひぃっと悲鳴を上げて、机の下に逃げたのだ。
……効果てきめん、というべきだろうが、気分はやや複雑だ。
私は咳払いを一つしてから、自分の目的を告げた。
老人は怯えながらも、甲高い声で答えた。
「こ、ココの迷路はワシが作った物だ。
そう簡単には抜け出せんぞ。
南の扉から出て、右の扉を通り越し、突き当たりで左へ曲がり、
十字路を突っ切って、次の十字路を左へ行けば、出られるはずだがな」