おかやどかり随想録

おかやど日記の続編です。

オカヤドカリと水

2005-10-07 09:14:48 | Weblog
オカヤドカリを飼うとき、飲み水が必要ですが、その水は海水(塩水)ではなく真水です。

飲み水は真水 ですよ!

つい最近BBSでちょっと話題になり、その後たて続けにメールでもよく似た質問を受けたので改めて書いてみました。
ある方からいただいたメールでは、『某通販業者さんで人工海水の元を買ったのだけど、ネットでの紹介に、「海水浴・飲料水に」と書かれていたけれど・・』とのこと。
なるほど、こりゃ誤解を招く表現ですね。
とりあえず、飲み水に塩水しか用意してもらえなくて苦しんで死んでいく犠牲者を出さないように、「ご意見」を送ってみましたが、対処してくれるでしょうか。

ところで、オカヤドカリを飼うのに海水が絶対に必要かといえば、そうでもない・・、と思う。
というのも、私は7年間ほとんど真水だけで飼っているから。たま~に塩水浴するだけ。
外国のオカヤドカリには海水が絶対に必要な種類もいるのだけれど、日本のオカヤドカリは『海水が無い=死』というわけでは無い・・、と思う。

この「・・・思う」という自信のない書きようは、たかが6~7年しか飼っていないのでもっと長期になるとどうかわからないから。
でも、この先ずっと長生きしてもらうには必要なのかもしれないけど、真水だけ→即、死ではないことだけは確かです。
でも逆に海水だけだと即、死につながります。
アナタが乗った豪華客船が難破して板切れにつかまって漂っている時、海水飲んだらどうなります?

自分のサイト内からの引用ですが、
『外国のオカヤドカリ(エクアドリアンなど)には塩水(海水)が必ず必要な種類があり、その場合、飼育に塩水が欠かせないのは当然なのですが、その種類でなくとも塩水を好むという傾向がオカヤドカリにはあるようです。飲み水としては真水がよくて、塩水がなくても飼育に問題は無いのですが、塩水を入れておくと結構好んで自主的に塩水浴をすることがあります。個体差があってあまり好まないのもいるようですが、脱皮前などは特に塩水浴をすることが多くなるという報告もあります。
脱皮前に貝殻中の貯水量は普段より多くなるのですが、そのときに真水だけでなく塩水を混ぜて貯めるらしいです。
その理由は、脱皮の際、古い殻が脱げやすくなるということ、また脱皮直後の水分の急激な吸収による体液中のイオン濃度の低下を抑えるためであるとも言われています。』 

海水を入れると自分からやってきて浸かっているのもいるから(見向きもしないのもいるけど)、海水に体をひたすのは好きらしい。
実際、沖縄へ行くと放仔ではないのに自ら海水浴をするオカヤドカリをたくさん見かけました。私が見たのは海でなくて汽水域の水深の浅いところでしたが、それが普通の海水より薄いのがいいからなのか、たまたま住処に近いからなのか、また波にさらわれる心配があまりないからなのか、それはよくわかりません。
普通に放仔の時のように浜辺を降りていって海水に浸かるヤドカリも多数目撃されているようです。

まあ、そんなわけで海水浴はヤドカリにとっていいことだとわかっていてなぜ今まで私が常備していなかったかというと、うちのヤドたちはあんまり海水に興味を示さないのと、それをいいことに単にわたしが手を抜いているからです(^^;

ところが、最近りゅうか商事さんからおくってもらった海水を置いてみたら、ちょっと前に脱皮したでか@のあゆうがやたら浸かる!浸かる浸かる!
今まであんまり興味を示さなかったのにどうしたこっちゃ。
そういえば、この前の脱皮は今までと何か様子が違っていたしなぁ。

今まで一度も潜らず、見晴らしのいいところでずっぽりと脱ぎ続けてきたのに、今回は砂を掘ってでかい体を隠そうとするは、必死に狭いところへ入り込もうとするは、まるで“普通のオカヤドカリ”みたいだったのです。結局彼にとってはかなり狭い隠れ家に潜んで脱皮しました。

それが関係あるのかどうかあまりに海水にご執心なので、わたしもちょいと考えを改めまして、たまの塩水浴だけでなく、常備してみようと・・。

今年のみーばい亭さんで起こった一連の繁殖行動も常備された塩水と豊かな緑が関係しているかもしれない。
今まで飼育下で繁殖行動はみられなかったのは塩水を常備するという環境ではなかったからかもしれない。

まあ繁殖行動がみられたとしても、ヤドカリにまで成長させるのは大変なことですが、海水のおかげで飼育下での繁殖の可能性が一歩進んだかも・・・。

補足1:本文中「塩水」という言葉が何度も出てきますが、これは『塩水(えんすい)=海水 または 人工海水』のつもりで書いています。
プアマリナさんからコメントいただきましたが、“しおみず”と読んで、適当に食塩を水道水にぶち込んで作ったものを使ってはよろしくないです。
人のこと誤解を招くと偉そうに書いておきながら大変失礼いたしました。
くれぐれもオカヤドカリのための塩水(えんすい)は天然の海水か人工海水(人工海水の素を真水で薄めて作ります)で!
人工海水は濃度に気をつけて天然海水と同じか薄い目にしてください。
絶対に濃くならないように気をつけてください。

そして、塩水を常備するときも、飲み水用に必ず真水もおくこと。
水入れは2つ必要ということになります(これもよく質問されることです)。
飼育ケースに水入れ二つ入れる余裕が無ければ、常備するのは真水だけにして、ときどき塩水浴させるという具合にしましょう。

そういえば、件の通販業者さん、その後サイトを見ると注意書きが付け足されていました。その注意書きを買う人がみんな見てくれるといいですが・・・。

補足2:真水は水道水そのままでなく、汲み置きか湯冷まし(要するにカルキ抜きをする)にしてください。地域によって水道水の質が違っているので一概にダメとは言えないですが・・。自分ちの水道水をこの際よく調べてみましょうか。(2005.10.14)

7 コメント

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老婆心ながら (プアマリナ)
2005-10-12 13:55:15
とれもろさん、差し出がましいようですが塩水を“しおみず”と読まれてしまうと誤解を招きかねないので、これ貼っておきます。ペタ。

http://decapod.or.tv/patio/patio.cgi

ID・Passともguestで閲覧可能です。

ここに「塩の話」をアップしていますので、併用してくださいませ。
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全く!! (とれもろ)
2005-10-12 15:43:11
ホントにそうですねぇ~。ご指摘ありがとうございます。

私の頭の中では[塩水(えんすい)→海水or人工海水]と勝手になっていたけれど、“しおみず”じゃ、パスタゆでるのと変わらないですわね。

どこかの業者に「誤解を招く!」と文句いってる場合ではありませんがな!!あほたれ。



そういえば、件のソルトバスを通販しているショップから返事が来ました。

修正・補足等したいとのことでした。



私も補足入れとかないといけませんね。
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海水 (みやまもの義弟)
2005-10-20 10:42:41
ハイサイ「とれもろ」さん初めまして沖縄人の「みやまもの義弟」と申します。

海水の件なのですが、うちのあーまんは常時海水に浸かるわけでもなく、一週間に1度程度です。

目の前が海なんで、ペットボトル3本程度入れて、海水浴用水槽に入れると喜び勇んで海水まっしぐらです

あーまん達と海水は切っても切れない関係があるのかもしれませんねぇー!今度からは海水と真水をわけて水槽に入れてみようかと検討中!

そうすれば勝ってに入りますし。

でも、海が遠い方だとこれは一苦労ですよねぇー

やはり人口海水がいいのか?
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初めまして! (mako)
2005-10-21 18:53:53
オカヤドカリを飼い始めて、まだ日が浅い者です。

一度 飼い始めて、脱皮に失敗して☆になってしまい、子供と泣いたのに、今日、また・・・

一匹だけになってしまいました。

今日、こちらのブログを見つけたので、これからもっと勉強したいです

またお邪魔いたします
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遅くなりましたが・・ (とれもろ)
2005-10-24 08:53:43


みやまもの義弟さん&makoさん

コメントありがとうございます。

このブログ自分でも見忘れることが多く、あいさつが遅くなってもうしわけないです(^^;

お二人ともBBSの方へはもうお越しいただいてますよね。サイトもブログも滅多に更新されない状態ですが、どうぞよろしくお願いします。

みや弟さん(波風兄ぃにならい)は恵まれたところにお住まいですよね。うらやましいです~。

また現地レポよろしく!

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産卵!?  (haru)
2006-06-26 01:33:38
2週間前のお祭りで買ったオカヤドちゃんが卵を産んだようなのです。 慌てて近所の(新潟県)ペットショップに飼育(孵化方法)について問い合わせてみたもののわからないとの返事。ネットで石垣島のお店を見つけ聞いてみたところ、業界でも生態はわかっていないとの事。店主さんの言われたようにやってみようと思っていますが、死なせてしまったら可哀相で、気が気でなりません。何かアドバイスが頂けたら有難いのですが・・・。
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すみません~ (とれもろ)
2006-07-03 23:32:02
haruさん

自分のブログなのにあんまり見ないので気付くのが遅くなりました。卵を産む話は本家サイトに書いてありますので参考にしてください。リンクにあるみーばい亭さんには卵を育てた記録が書かれています。

でも通常何の準備も無しでは、卵を産んだ事に気付いてからではもう遅すぎです。

今回はおそらくもう全滅していると思われますので、次回に備え、ちょっと勉強してみてはいかがでしょうか。

とはいえ、人工飼育下での繁殖は今のところ非常に難しいと思います。卵がダメになって残念ですが、気を落とされませんように。
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