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活火山、渡島駒ヶ岳(1131m)

2011年08月17日 | 地質・地形・地球科学
渡島駒ヶ岳(おしまこまがたけ)は北海道の森町、鹿部町、七飯町にまたがる活火山で、最高峰の剣が峰の標高は1131m。
最近まで登山禁止でしたが、昨年から徐々に登山が可能となってきました。

【噴火の歴史】
 約3~4年前より:断続的に噴火活動
 約6000年前と5500年前:火砕流を伴う噴火活動、以降江戸時代まで約5000年間は活動休止。
 1640年:大規模な山体崩壊、大量の土砂が噴火湾へ流入し津波発生、死者約700名
 1694~1924年:火砕流を伴う噴火を断続的に継続
 1929年:大噴火し噴煙は高度8000mまで上がる
 2000年:噴火し噴煙は高度2000m以上まで数回上がる

【地質・地形】
 安山岩質で、軽石などの火山砕屑物を大量に噴出のが特徴です。

(安山岩質の火山礫)


(安山岩質の軽石)

 もともとは富士山型の成層火山で推定標高1700mぐらいでした。しかし1640年の大噴火で山頂部が崩落し、2つの峰に分断。崩落土砂は折戸川を塞き止め、大沼、小沼などの湖沼を形成しました。

左:剣が峰(1131m)、右:砂原岳(1113m)、火口はその2つの峰を挟んだ山の中央部にあります。

この日は残念ながらガスがかかりました。

【登山】
銚子口登山道(大沼湖畔より、駐車場なし)と赤井川登山道(6合目広場に駐車場あり)の2本があります。
いずれも登山時間は9時~15時。今年から毎日登山解禁となりました。

時間外はゲートが閉まり入れません(赤井川登山道で撮影)


6合目登山口で「入山許可証」に記入します。ここには役場の職員の方が待機して、登山者の安全を管理してくださっています。


登山道は火山礫や軽石がゴロゴロした幅広の車道。


これは毎朝、国土地理院の専門家が車で上がり噴火状況を観察されるため。
静穏であれば登山OKとなります。
ただし登山は馬ノ背までで、剣が峰や砂原岳および火口周辺は立入禁止です。


私が訪れた8月10日、深度500mまでボーリング中でした。地震計を設置し、火山性微動をキャッチできるようにするとのこと。噴火が迫るとマグマが上昇する際に起こる微小な地震を観測するのです。
他にも気象庁によって空振計、GPS、傾斜計、遠望カメラが設置され、24時間の観測態勢が取られています。

下山後に入った駒ヶ岳温泉に展示してあった写真、すさまじい噴火です。


2 コメント

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Unknown (Pearsword)
2011-08-17 20:42:06
そうですか、活火山の登山は、したことがありませんね。危険がもう一つ増える登山ですね。
でも、山が生きているって気がして、上りたくなりますね。
Pearswordさんへ (Repu)
2011-08-22 22:36:45
地学屋のワタクシとしては、活火山は大好きです!有毒の硫化水素(火山ガス成分)も私には香水のよう。できれば桜島もキラウエア火山(ハワイ)も山頂まで登りたい気分です。(命がいくつあっても足りない?)

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