ブナの中庭で

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剱岳・小窓尾根~早月尾根(後編)

2013年05月06日 | 山登り
5月4日(土):登山2日目、天気晴れのち雪

テント場を6時出発。すでに先行パーティが2つ。
すぐに胸を突くような雪壁、ステップが大きく1歩上がるのが微妙なバランスで怖かった~。

急斜面を上がると、前方にニードル(尖った岩塔)が見えてきました。「あんなところに行くのか‥」と武者震いです。


このニードル、急な雪壁を登った後に基部を巻くように右下へ懸垂でした。
これから登っていく小窓尾根。ここでも武者震い、その2。


ニードルの後も、ドーム、ピラミッドピーク、マッチ箱、小窓ノ頭と難所続き。

激しいアップダウンの繰り返しに顎が出ました。

小窓王の急な雪壁を懸垂し、岩壁脇を登ると三ノ窓。
午前11時、出発からここまで5時間です。


朝は晴れていたのに、次第にガス、そして風雪と天候が急変してきました。
計画では三ノ窓でテントでしたが、まだ11時ということで、
「もっと行こう」とノルベルト師匠。


しかしこの後が辛かった。
ホワイトアウトの池ノ谷ガリーを登り池ノ谷乗越(長次郎雪渓右俣源頭)へ。さらに剱岳方面へ進みますが、視界はゼロ。
長次郎のコル(左俣源頭)でテント泊となりました。

強風の中でテントを設営。この夜は一晩中風雪となり、テント内の水は全て凍りつく寒さに。ひたすら耐えた一晩でした。

5月5日(日):登山3日目、天気快晴
午前4時起床、蒼い空に月、なんと快晴です

午前6時出発、最高の展望。


剱岳山頂へは急な登り。ただし一部氷結し、アイスクライミングもどきの部分もありました。(アイス練習しておいてよかったな~)


山頂到着は6時30分。やりました~!

登ってきた小窓尾根。大迫力です。


山頂からは早月尾根を下りました。
山頂直下の氷化したルンゼ30mは懸垂下降。その後はほとんどが易しい雪稜です。


「小窓尾根に比べて楽ちんだなぁ」、などとお気楽ムードで下っていたら、急な雪壁の下り50mが現れビックリ。
ここは確保されながらダブルアックスで緊張して下りました。


早月小屋。5月3~5日と入山した人々で大賑わいだったそうです。
しかし4日の悪天の為、山頂に立てた人はわずかだったらしい。

長い早月尾根をひたすら下るのみ。小屋でアイゼンもはずしツボ足で滑りながら下りました。
松尾平を過ぎると登山道わきにはカタクリが満開。

そして12時20分、馬場島へ到着~!


素晴らしい3日間が終了。
私の技量を超える小窓尾根でしたが、ノルベルト師匠のサポートで登ることができました。ありがとうございました!
大満足です。

9 コメント

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Unknown (Pearsword)
2013-05-06 20:01:25
凄いとしか言いようが無いです!!
 小窓尾根の急で細い尾根と、2日目のテント地の暴風雪が伝わってきそうです。
 快晴の空の下、6:30頂上は、さぞかし爽快だったことと思います。
 無事、登頂おめでとう御座いました!!
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Pearswordさんへ (Repu)
2013-05-06 20:33:28
いえいえ、ノルベルト師匠のおかげで山頂に立たせてもらったのです。私の力だけではとても行けない領域でした。
快晴の剱岳山頂、本当に感激。涙がこぼれました。
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よかったね。 (Bつま)
2013-05-07 08:35:23
山頂のノルベルト師匠、かっこいいです!
平地にいるときとの落差がおおきい。
私がみた師匠は、いつもおちゃめで優しいお兄さんです。
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Bつまさんへ (Repu)
2013-05-07 19:29:22
私にとってノルベルト師匠は、大変優秀な登山家。また本場アルプスでプロのガイドをしていただけあり、卓越したガイド技術を持っておいでです。
つまり私は山では常に、絶対的な「尊敬」と「信頼」です。
しかし、確かに平地に戻ると、日本酒と温泉を愛する冗談好きのお兄さんに変身しますねぇ。
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Unknown (風露草)
2013-05-09 19:26:08
一緒に西高山に登っているときこのブログを読んだKHCのKさんNさんがRepuさんがT氏やK氏と剣岳で偶然出合った話しをしていました。

懐かしいですね。
もう35年も前かな~、GWにまったく同じコースを歩きました。まだWアックスなんて技術、名前すら知らなかったころです。でも楽しくあんまり辛い思いはしなかったように思います。条件がよかったのでしょうね。小窓王南壁直下はノーザイルで通過し三の窓に降り立ちました。

それはともかくRepuさんが凍えながら耐えていた5/4の夜は黒部峡谷を挟んだ対岸の白馬岳でご存じのように白馬山荘のお布団でぬくぬく、途中から暑いな~といって寝ていました(^^)
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風露草さんへ (Repu)
2013-05-09 22:00:00
お久しぶりです。風露草さんのブログも拝見しました。
5月4日は晴予測なのに、上空に寒気が流入して高山では厳しい天候でしたね。ほんと、ビックリでした。
小窓尾根、私の能力を超える境地でした。「辛い思いはしなかった」とは、さすが風露草さんです。私は一歩一歩が必死だったもの‥。
コメントありがとうございました。
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Bつまさんへ (ノルベルト)
2013-05-14 12:02:14
褒めてくれたありがとうございます。山の平地の印象は本当にそんなに違いますか?山の上でも結構おちゃめばかりですが、外の厳しさにもとつて少し真面目にする必要だと思います。
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Unknown (週末山紀行)
2013-05-15 22:22:18
残雪の剱お疲れ様でした。
あらたな一歩を踏み出した感じですね。
拝読していて羨ましく思いました。
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週末山紀行さんへ (Repu)
2013-05-19 14:31:21
白山東面、そして昨日は毛勝と、大活躍ですね。
もう雪が随分とけてしまいましたが、しばらくはルンゼ狙いで滑るのでしょうか。気をつけて楽しんでくださいね。
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