3D CG, CAD/CAM/3Dプリンタ な日常でつづる クルスの冒険ブログ

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3Dプリンタ 本日も出力中…

2008年11月18日 | □アキハバラへようこそ
 
<<緊急のお知らせ!>>

12月18日(木)午後@秋葉原UDX
 ・ちょっとした面白いセミナー
 ・3D-GANの忘年会
が、行われます。是非、ご参加ください。
参加資格は… 特にありません!セミナーは会費も無料の予定。
3D-GANの会員さん、W.G.G.の皆さんは飲み代が非常に安いです(笑)
詳細はまたお知らせします~

<<お知らせ おわり>>


クルスの冒険です。

ちょっと報道されては、話題になり。

「スゲー!」
「この技術が進めば○○ができる」
「これなら売ってるモノをコピーできる」
「スゲー!スゲー!」

という反応が寄せられます。 
うん…気持は分かる。それこそ、「スゲー」分かります。

そう、3Dプリンタにまつわるお話。
 
でもね・・・ そろそろ報道する方もちょっと理解して欲しいものだと思います。
 
「この3Dプリンタだけでは、何も出来ない」
 
という、当たり前の事実。

このブログでは、何回も何回も何回も書いて来ていますが、
 
「3D CADやCG」 と 「3Dプリンタ」の関係は
 
「Adobe Illustrator」 と 「紙のプリンタ」の関係と
 
全く同じです。
 

以下に3Dプリンタにまつわる報道を抜粋してみましょう。

「PCから転送された3Dモデルのデータを元に…」 IT Media
 
「PCからCADデータなどをプリンタ本体に転送すると…」 CNET Japan
 
「デザインによって決められたパターンのとおりに…」 WIRED VISION

「まず、プリントアウトしたいCADデータをパソコンで作成する…」 ASCII.jp

という具合に、これらの報道で気が付くのは、3Dプリントの対象となる「3Dデータ」について、驚くほどなーんにも書かれていないことです。

ほとんど書かれていないのが普通ですね。

間違いなく、この記者さん達は「3Dモデリング」という行為を目の当たりにしたことはないでしょうね。何をどうするのか?という実感はないでしょう。
 
笑っちゃうくらい何も書いてないので、3Dプリンタに関心を持った人たちは、
3Dプリンタで出力するためには絶対に3Dデータが必要だ、という意識すらあまり持っていなかったりするんですよ(ホントだよ、そういう人いっぱいいます)。
 
人によっては、絵(イラスト)を持って、「作ってください」と言ってきなさる。
 
3Dプリンタに関心を持っていただいた人の典型的な行動を以下にまとめました。
 
まず、3Dプリンタを目にする…
 ↓
「スゲー!これならアレも作れる、コレも作れる…」
 ↓
じゃ、作ってみましょうか?3Dのデータをください。
 ↓
「え?僕、CGもCADも3Dでモデリング出来ないんですけど…」
 ↓
…残念ですけど、3Dモデルが無いとこの3Dプリンタ動かないんです
 ↓
終了
 
まぁ、こういう場合は、3Dモデリングが出来る人をご紹介しています。
紹介しますけれども、CADにせよCGにせよ3Dモデリングというのは完全に手間仕事ですから(何一つ自動化できない仕事ですね)、何日もかかる仕事を頼めば、そりゃあ1万や2万じゃ済むはずがありません。
…で、
 ↓
「\\\ 高いー!」 → 終了…

もちろん、「高くない」という人も沢山居ますから、モデリングを依頼して、それが納品されて、さてじゃあ出力…となる訳です。


もう一つの典型例は、それからしばらく経ってスキャナの存在を知る人です。
 
「3Dスキャナってありますよね!」(はい、ありますよ)
「スキャンすれば、3Dデータになりますよね!」(う、うぅーん…ま、まぁ…)
「コレ!これを3Dデータにしてください!」(それは出来ますよ…)
 
はい、これがお見積りです…
 
「\\\ 高っけー!!!何でスキャンするのにこんなに高いんですか?」

はい、一般に思われているほど3Dスキャンは自動ではなく、実際に3Dプリントが出来るデータにするには結構手間がかかるものなのです。その手間賃が大きいんです。加えて、紙や写真のスキャナに比べて、機材の値段も何十倍も、場合によっては100倍以上します。そのお値段も影響しますね。
 
要するに…
 
3Dプリンタのメリット、その素晴らしさを享受するには
 
手間と能力 = CADやCGの3Dモデリング力
 
これが、絶対に必要なんです。(外注でも良いですけどね)
 
この部分について、各種報道には一切出てくることが無いので、上記のようなお客様が本日も弊社にお越しになる… という訳です。
 
どんなに目を見張るような結果でも、
 
どんなに高度な技術でも、
 
3Dプリンタは、徹頭徹尾「プリンタ」に過ぎません。
 
プリンタは、「それをどう作るか?」という側の道具です。
 
「どう作るか?」という道具には、
 
「何を作るか?」を与えないと、全く動かないのです。
 
そして、(3Dプリンタのメーカーさんには申し訳ないですが)
 
3Dプリンタの技術は、放っておいてもどんどん上がりますよ。
 
というか、以前に比べても、ずっとずっと良くなっています。
 
きっと値段も、下がるでしょう。
 
というか、これも以前に比べたらずいぶん安くなりました。
 
正に今、買い頃、いい値段になって来ましたよ。

でも、ただ放っておいても増えないのが
 
そうです
 
「CADやCGで3Dモデリングをする人」
 
なんですね。ここが増えないことには、市場は全体として豊かになりません。

誤解しないでくださいね。
 
ワタシは、3Dプリンタのメーカーや業界の悪口を言いたいのでは、ないです。
 
むしろ逆だ。
 
3Dプリンタのメーカーは、頑張ってますよ。ガンガン進歩していますよ。

値段もリーズナブルになって来ました。
 
でも、彼らが頑張っても、肝心の
 
「3Dモデリングをするソフト」
 
側が盛り上げないことには、市場は全体として豊かにはなりません。
 
「ナニやってんのさ?CGソフト、CADソフト屋さんはさぁ?」
 
そういう気持ちです。
 
もちろん、 
 
「3Dモデリングの人口は、もう十分に沢山居るのだ」
 
という意識であれば、特に話すことはありません。
 
その意識は、そのまま
 
「これ以上は、3Dモデリングの人口はあまり増えない」
 
という事になるのだけど、それでもいいんだね?
 
と、思うだけです。
 
ま、ブー垂れてても仕方ないので、本日もmasterpieceのお話で、会議をいたしておりました。
 
さて、世界を変えるぜっ、と(笑)
 
わかんないけどね、やることはやっとこう。アイデアもあるしね。
 
このギョーカイ、まだまだ楽しめるような気もするから。
 

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