re-tokyoの業務日誌

(株)東京住宅センターの店長が、日々の業務や出来事を心の赴くままに綴ります。

トイレットペーパーの話

2016-05-28 16:06:59 | 日記
勤務先では「日経ホームビルダー」という雑誌を購読しています。

今回は先日の熊本地震に関する緊急特集が組まれていました。



記事によれば、いわゆる「新耐震」以前の建物では、阪神大震災時にみられたように土台から柱が抜けてしまい、

その結果として倒壊したという建物が多かったようです。

一方、新耐震後の建物も被害を受けていましたが、それらは本震で倒壊したものが多かった様子です。

一部の建物では、土台を挟んで基礎と柱を緊結する「ホールダウン金物(Wikipediaにリンク)」が破断していたとの報告でした。

恐らくは前震の強い揺れには耐えたものの、筋交い等の耐震性を担う部分に強い負荷が掛って損傷し、

本震では横揺れに対して建物を支えきれなかったように思います。



また前回のブログでも書いた、「新しそうなアパートが倒壊した」件も記事の中で報告されていました。

結論から言えば、建物自体は1980年代若しくはそれ以前に建築されていて、それを外装のみ大幅にリフォームしていたようです。

ただ現地が揺れの強い断層直上付近であったことも大きな要因だとはいえるでしょう。

2011年の東日本大震災では揺れの周期が長かったために、超高層ビルが揺さぶられる「長周期地震動」がクローズアップされました。

その一方で一般的な住宅では、造成地の崩壊や液状化および津波によるものを除けば、あまり大きな被害が見られませんでした。

しかし今回の熊本地震では、いわゆる「キラーパルス」と呼ばれる短い周期によって建物の大きな被害がもたらされたようですね。




話は変わりますが、この春は東日本大震災から5年の節目でした。

私自身も地震への備えについて喚起され、3日分の非常用簡易トイレ、水(長期保存水)、食料(乾パンなど)を準備しました。

既に繰り返し言われていることですが、地震災害時に何よりも困るのがトイレの問題だそうです。

災害時は断水となり、トイレでも水を流せなくなります。しかし多少の空腹は我慢できても、トイレを長時間にわたり我慢することは困難です。

避難所のトイレがいかに悲惨な状態になっていたかはよく知られていることです。



先日、とある阪神大震災被災者の方のブログを拝見しました。

そこには「可能なら地震後には何よりもトイレのためにすぐ水を貯めること」と書かれていました。

この方も断水のためにトイレで苦労されたそうです。



その他に忘れてはいけないのがトイレットペーパーです。

ちょっと前に新聞の記事に書かれていましたが、現在は静岡県で国内の6割のトイレットペーパーが生産されており、輸入はほぼ皆無だそうです。

今後予想される東南海地震が発生すると、これが直撃を受けることになります。

国内6割の生産と物流がストップするわけで、被災地はもちろんのこと、日本全国に影響が及ぶことになるでしょう。

過去の石油ショック時のように大騒ぎになることは間違いありません。



多少の場所を取りはしますが、食料品と違って腐るものではありません。

緊急時のためにも一定量をストックしておいてはいかがてしょうか。