GIRLS BAND「RAP」

女性4人からなるハードPUNKバンドです。
1984結成ー1988年解散。
現在最も再発の望まれるバンド。

RAP公認ファンサイト

2007-07-31 16:17:25 | 情報
あちらこちらでRAPへの熱が高まっている中、
とうとう公認ファンサイトがオープンしたそうだ。
http://rap.s206.xrea.com/
「公式サイト」ではなく「公認ファンサイト」なのは
多分、RAPが、もう存在しないバンドだからだろう。
少し寂しい気分になる。

メンバーが積極的に関与して作成されたHPにしては
内容はいたって客観的である。
しかし、バイオグラフィーなどは普通の文章ではなく
ライブ日程形式になっており、当時のシーンを思い起こさせられ
これを見ているだけでも楽しい。

「About this site」では沢山の人達からの
ファンのRAPに対する熱い思いが寄せられている。
解散直後のバンドならいざ知らず、
解散して20年も経っても、あのような気持ちを保ち続けるファンを持つRAPは
改めて偉大なバンドだったのだという事を痛感させられる。

ルージュが直接質問に答えている「FAQ」
これも外からは見えなかったRAPの裏側が垣間見られて非常に興味深い。

そして何よりのファンサービスとしては
バイオグラフィーで短い秒数ではあるが試聴出来る事だろう。
これは公認サイトならではのものだ。

このサイトに寄せられているファンの熱い思いが
レーベルに届く事を祈っている。

RAP ディスコグラフィー

2007-07-31 16:17:13 | ディスコグラフィー

WRAP

曲目:「Rock Magazin」「アクシデント」
   「飾り窓」

1985年に発売された3曲入り1stEP.
ビートの効いた1曲目とラモーンズのようなノリの良い2曲目。
特にRock Magazinは、どうジャンル分けして良いかわからない位
オリジナリティが溢れカッコイイ!
そして繊細なバラードのB面3曲目。
EP三部作の「現在」にあたる




TRAP


曲目:「直情径行」「迷宮」
   「空間のあなた」

1986年発売。EP三部作の「過去」にあたる3曲入り2ndEP。
レコード評などで、よくZELDAと比べられた。
PUNK色は弱く暗めの曲が3曲。
しかし「初期ZELDA」云々は全作品通してプロデュースしている
リザードのモモヨの色のせいだと僕は思う。
完全なオーバープロデュースであり
ライブバンドとしての彼女達の魅力を半減させてしまっている。
ライブで聴く、このEPの曲はドライブ感に溢れ
歌詞は紛れも無くお仕着せではない上質のPUNKROCKだ。



RAPOUT


曲目:「NOT FOR SALE」「LEGEND」
   「RAPOUT!」
1986年発売。EP三部作の「未来」にあたる3曲入り3rdEP。
ジャケットは森田じみいが手がける。
モモヨ色が薄くなりライブ感が戻ってきた感じがする。
ノリノリのロックンロールと幻想的なバラード。
ライブでも人気の曲ばかりを収録。

以上3枚のEPは全て8トラックという、
その当時でも異例のお粗末な機材をワザと使って録音されたという。



HYSTERIA

曲目:「輪廻(リーインカーネーション)」
   「ランドスケイプ」
   「ヒステリア」
   「マタニティーブルー」
   「麻酔/魔睡」
   「輪廻(リーインカーネーション)」

待望の1stLP。
結果的に最後のアルバムとなってしまった。
曲調はバラエティに富んでおり、
命と母性という明確なコンセプトを元に作られた
映画のサントラを思わせるようなストーリー性に溢れた名作。
録音は、当時主流だった16トラックに変更。
音の厚みが全く違う。


TRAPの評でも書いたけれど
リザードのモモヨの存在無しでRAPは語れない。
しかし、違うプロデューサーが手がけたRAPも聴いてみたい。
またZELDAと比べてしまうが、バンドの魅力を生かすも殺すも
プロデューサーの腕でもある。
RAPの悲劇(といえるのか分からないが)は、そういう面もあるだろう。


全ての作品は雑誌DOLLの主宰する
シティロッカーレーベル(ドグマ)よりリリース。
そのレーベルからリリースされた多くのバンドがそうであるように
現在の再発ブームの中、
コアなファンから熱烈な要望が出ているのにも関わらず、
依然、再発されていない。

CD化され再発される事を心から願います。


DOLLより   1

2007-07-31 16:16:55 | RAPの思い出
RAPの公認サイトがオープンして、今か今かと再発を心待ちにしていたが
良いNEWSはなかなか入って来ない。
多くのシティロッカーのバンドがそうであるように
やはり一筋縄では行かないのだろう。

目新しいネタもないので、
「FRAPER~「RAP」という名のGIRLS PUNKバンド」では
取り上げていなかった号のDOLLのインタビューを掲載しようと思う。

これはEP3部作完成後、ミサ脱退直後の頃の
ROUGEのインタビューである。

2ページ見開きで細かい文字ビッシリの
かなり長いインタビュー記事なので
何回かに分けて掲載して行こうと思う。


~3部作について~

 三部作は2nd, 1st, 3rdという順番にすると
ひとつの物語になっていて、どういう物語かについては
聴いた人が、曲順を変えたりしてある程度プロットをつかんでくれればいい。
 1stに入っていた「飾り窓」が ひとつのキーワード。
自分の意思と裏腹に何かの為に働いたり
お金をもらう為に人を平気で裏切ったり、
私達が普段生活していて割りと良識あるように見えてても
結局娼婦とかと変わらないんじゃないか、
自分自身について考えたときに自分もそうなんじゃないかと。
もし、同じようなことを思っていた人に、
自分で認めるということは嫌な事だけど、
そういうことに気付いて欲しいな、みたいな感じ。
 音については・・・
1stは とにかくレコーディングが初めてという事で、
スタジオっていうよりもライブでの私達の雰囲気、
ノリが出せるようにと思った。
ピストルズとかNYドールズみたいな古い感じ。
ガレージっぽいっていうか。
2ndは気持ちが優先していて・・・気持ちが落ち込んでいるんですよ。
で、その気持ちを反映させたって感じで。
3rdは曲は明るめなんだけど、詩が重いんですよ。
でもその重さを いかにもって感じじゃなくて、
さりげなくやりたかった。


~RAPとPUNK~

 例えば今までツッパリやっていた人がパンクの格好したり
パンクの曲をコピーしたらパンクスだって言っちゃうのね。
じゃあパンクって誰でもなれちゃうのか。
そんなの別になれたらエライってものじゃないけど、
もともとパンクが起ったのって、そんな安易じゃないんじゃない。
パンクって、その人達の言ってるメッセージとか
考え方とか、そういう問題だと思う。
反戦・反核とか歌ったりしてもその人達にとって切実じゃなければ
その人はパンクじゃないと思う。
歌っているって形だけでもダメだと思うから
自分でも、本当にいつもどうしようって
不安に思っていること以外は歌いたくない。
見せかけや様式化されたものは絶対パンクじゃないと思う。
逆にフォークとかでも、昔、反戦フォークとかあった訳でしょ。
今ヤンキーがパンクの服買ってパンクだって言ってるよりは
そういう人の方がパンクだと思う。
 私は小さい頃、本とかあまり読まなかった。
それで色々な問題点、自分の生活のこととか
考えるようになったのはパンクを聴いてからなのね。
初めてダイレクトにメッセージが自分の中に入ってきたの。
それが文章だけだったら読まなかったかもしれない。
RAPの曲は結構聴き易いように作ってると思うんだ。
そういう風に聴き易い曲で、まず始めに音から入ってもらってもかまわない。
食べず嫌いみたいなのは無くなった方がいいでしょう。
だから私は最終的に年取ってまでロックをやってるかどうかはわからない。
もしかしたら文章の方へ行ってしまうかもしれないし。
ただ私が一番始めに気付かされたのは
音楽にのせてある詩だったから。
それで自分もその方法を選んだ。
方法は他にもあってロックじゃなくても良かったんだけど
私はパンクが好きだったから。


~ファッション~

 ファッションパンクっていうのは
パンクの服着ていればパンクだって言う奴で・・・・
素直に言ってしまえば、私は着飾るのは好きだし、だけど
派手な格好しているからって音楽に対して真面目じゃないとは言い切れない。
特に、日常とステージは違うしね。
例えばバレエとか宝塚とか、
ロックよりももっとステージ衣装が派手だけど
それはいい加減じゃないし、衣装も演技のうちだったりする。
ステージ衣装っていうのは、その人がその上でなりきる為に
自分の一番いいと思った服着てやるのがいいと思う。
動くバンドは動きやすいのとかね。
RAPは目に映る姿がきれいで楽しませたいと思ってる。
地味な服着てるからって、音に対して真面目かっていうと
必ずしもそうじゃないし。
地味なバンドはファッションパンクに見られたくないから
地味なんじゃなくて、
それが本人達にとって、かっこいいからだと思うよ。
RAPのことを ちゃらしてるって言う人は
私達が何着ても何やっても気に入らないと思うし
それはそれで仕方ない。
レコードにしてもじっくり聴いてくれてないだろうし。
・・・私達は衣装も凝るけど、音や詩に、それ以上に気を使っている。


(つづく)


DOLLより 2

2007-07-31 16:16:37 | RAPの思い出
前回の続き。
今回はレコーディングについて触れている部分の転載です。
改めてこれを読み直すと時代が時代であれば
ROUGEの言う「残るレコード」という部分が
当然にCDであった筈で、非常に残念に思う。
それが数年ずれていたら、CDで発売されていたであろうし
現在ファンが待ち望んでいるCD化再発も、もっとスムーズだったろう。

(注:当時のレコード盤製作は、現在のCD制作に比べ、
  とても製作コストのかかるものでした。)


~インディーズ・レーベル~

自分達で出すって事は経済的に有得ないんだ。
だから認められなければ今だに出してないかもしれないし。
バンドやっていくのにもお金がかかるし
ギグやって沢山ギャラが入る訳じゃないし。
親元で生活しているんじゃないから
必要経費がかかるでしょ。
そういう状態でレコード出したら
本当にバンドにかかる基本的な経費すらも
出せなくなってしまう。
そんな風になるんだったらレコード出さない方がいい。
ギャラが沢山出なくても自分達に負担がかからなくて
バンドが継続出来る状態ならいいんだ。
自分達で生活切り詰めてヒーハー
レコード作ったとしても
売れなかったらどうしようみたいな
意識が出てきちゃって
逆にいいものは出来ないかも知れない。
ただソノシートっていうのは嫌だった。
音質は今はさほど変わらなくなっているけど
何回か聴いたら終わりのレコードは作りたくないし。
何回も聴きたいのに
盤がダメになっちゃうっていうのは悲しいよね。
だからやっぱりビニール盤で出したかった。
バンドとしての欲もあるし、
遠くの方へツアーに行きたいとか。
だから経済的に無理はしない。


~モモヨ~

モモヨはアレンジとかには全く口を出してはいない。
たとえばRAPがRAPだけでレコーディングした場合、
自分達の魅力をどう引き出していいかわからない。
例えばヴォーカルを一番自然な状態、
私の歌っている本当の声を、
いかにちゃんと録ってくれるか、とか。
自然な声って却って難しかったりするんだけど、
そういった技術的な問題で、
それがRAPに出せるかといったら出せないし。
要するにモモヨの力が大きいっていうのは、
どれだけ私達の魅力を出してくれたかっていうことで、
バンドの資質には関係ない。
私達はモモヨのバンドじゃないしね。勿論。

DOLLより 3

2007-07-31 16:16:22 | RAPの思い出
またまた前回の続き。今回で最後です。
ここでは「自分達の在り方」について語られています。


~女の子バンド~

私が例えばRAPのメッセージとかについて言ったりするじゃない。
そうすると
”女のくせにエラそうなこと言うんじゃねえよ”とか
”女のパンクは生意気だ”っていう男の子が多いらしいのね。
今だに。
あと、女の子バンド同士が下手に意識しちゃって
相手の悪口を影で言ったりとか。
平安時代の女流文化が理想っていうのは
あの時代って、お互い干渉しないで、
まぁ昔も悪口とかあったんだろうけど
自分達の道を行くって感じで、いいもの沢山出ていたし。
で、今の私達にとっても、あとで結果的に見たら
女の子バンドが沢山あって、違った文化が出来てたって
いい風だったらいいな、って。
下手にバンドやってる女っていう意識持たないでやって行きたい。
小さい時は”あたしバンドやってるんだよ”とか
”あたしバンドやってるから人とは違う”みたいな意識あったけど
そういうんじゃなくて
”バンドやってるのが自分だ”みたいな。
それで、たまたま自分が女でっていう自然な感じで
出せたらいいんじゃないかなと思ってる。


~RAP通信~

RAPを始めた頃に、興味本位で男性誌に取り上げられたりしたの。
私達が言った事とまるで逆の事を書かれたのね。
それと嘘とかデマとかが多くて。
前から雑誌とか信じてた訳じゃなくて
雑誌の恐さっていうのは充分わかっていたつもりなんだけど。
インタビューにしても、まともな事
質問してくれるところが少ないし。
アイドル歌手にするような質問が多くて
そういうのよりRAPを聴いてくれてる人とかに
言いたい事をこっちから言っちゃうみたいな・・・
本当にRAPのメディアっていうことでRAP通信を出しているんだ。
曲について解説し過ぎっていうのは私も思うことがあって・・・
だから1stの時は本当に1曲1曲解説したりしてたけど
2nd,3rd位から作った時の心理状態とか、
そういうことを書くことにしたのね。
曲っていうのは、聴いた人がその人なりに
受け止めてくれればいいんだけど・・・
まわりに歌詞を全く誤解されて悪用されたりって
危険なことが結構あって・・・
それは作る自分の力の無さだと思うんだけど
自分の詩の未熟さを補う意味でっていうのもある。



~今後の展開~

ドラムが脱退して、今はまだ決定していないんだけど
オーディション中で、予想よりは集まっているんで
8月中には決定すると思うし、結構楽観的に見てるの。
次のレコーディングの予定とかも立ててるし。
ドールに出したりするまでは、2、3人位しか来なくて。
口ではすごいことを言っているんだけど、
叩いてみると言った程ではないなって
感じでがっかりしてたんだけど・・・
だから見通しがついたってことで皆ホッとして
新曲とか作ったりしてるよ。
ドラムが抜けて、ミーティングとか深刻になって
かなり真面目に話したりしたから
ニシキとカオリと私って結び付きは前の5倍位
強くなったと思うしね。
今後は、11月の終わり~12月の始め位に
ミニLPのレコーディングに入る予定。
コンセプトについては・・・
3部作だとコンセプトが薄い感じがするんだけど、
今度はもうちょっと
ひとつの通底するテーマみたいなものがあって
全部”命”っていう問題なんだけど、
そういうことについて歌ってみたい。
まだどうなるかわかんないんだけれど。
また生意気言ってるって悪口言われたりするかもしれないけど
本当に基本の道徳観念とか、本当に当たり前のこととか
もう一回そういうことを突き詰めてみようかなと思ってる。