ニッポンを解剖する―養老孟司対談集養老 孟司講談社このアイテムの詳細を見る |
養老孟司と14名の識者との対談集。
14名の顔ぶれは、上記リンク先(Amazon.co.jp)ご参照。
自分は、先日読んだ「会社はだれのものか」の岩井克人との対談が目当てで読んでみました。
「養老孟司対談集」なので14編すべてに養老孟司が登場します(←あたりまえ)。
で、14編すべてを通して養老孟司が言ってることは同じ。
しかも、「バカの壁」で言ってることともいっしょ(日本人は戦後60年でおかしくなった。都市化がすべての元凶だ。もっと身体を使わなきゃならん。云々)なので、読み進めていくうちに正直ちょっと鬱陶しくなってきます。
それでも、興趣がそがれないのはやはり対談相手に魅力があるから。
そしてその魅力が立ち現れているということは、養老さんがそれをうまく引き出しているという面もあるんでしょう。
冒頭のリービ英雄との対談なんて、自分にはほとんどちんぷんかんぷんだったけど、それでもリービ英雄というちょっと得体の知れない人物には関心を喚起されました。
次はこの人の本を読んでみよう、という気に。
「私はずっと好きなことして生きてきた」と言ってるだけの細川護煕とかはどうでもいいけど、ギリシャ語の聖書を故郷の方言に翻訳してしまった山浦玄嗣というおじさんや、火山オタクが昂じて震災小説を書くようになった石黒耀や、養老邸を設計した建築家・藤森照信による日本人の住宅論なんかは、ちょっとぶっ飛んでてなかなか面白かったです。