そもそも論者の放言

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「アイデアのちから」 チップ・ハース、ダン・ハース

2009-02-22 00:18:30 | Books
アイデアのちから
チップ・ハース,ダン・ハース
日経BP社

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邦題から受ける印象だと、独創的ですぐれたアイデアを生み出すための発想力や構想力について書かれた本のように思えますが、そうではありません。
原題は"Made to Stick"、自分のアイデアを多くの人たちの頭に”くっつけさせる”、すなわち脳裏に刻み深く印象付けるためにはどうすべきか、効果的なコミュニケーションのスキル・テクニックを豊富な実例をもって教えてくれる極めて実用的な内容です。
逆に言うと、独創的な発想力などまったく持ち合わせていない平凡な人でも、この本で提唱されるチェックリストを実践すれば、自身のアイデアを印象的で多くの人を惹きつけるものに高めることができる、というのがこの本の主張です。

チェックリストは”SUCCES”という六文字で表されます。
 Simple「単純明快であること」
 Unexpected「意外性があること」
 Concrete「具体的であること」
 Credentialed「信頼性があること」
 Emotional「感情に訴えること」
 Story「物語性があること」

この本に書かれていることのエッセンスは、終章のラストにダイジェスト形式でまとめられているので、そこの部分だけでも切り取って手元に置いておけば役立ちそうなんですが、それでも9ページもある。
「核となる部分を簡潔に」というこの本の教えに従い、個人的に印象に残った部分をさらに厳選して、以下備忘のため残しておこうと思います。

<単純明快であること>
・逆ピラミッド構造:新聞記事のリード。
・既にあるものを利用する:既存のイメージを活用。「ザボンとは要するに超大型のグレープフルーツ」。

<意外性があること>
・聞き手の推測機械を打ち壊す。
・謎を生みだして、関心をつなぎとめる。「土星の輪は何でできているのか?」

<具体的であること>
・「サドルバック・サム」:宗教団体が想定する「教会に来てほしい」詳細な人物像。

<信頼性があること>
・「ダースベイダーの歯ブラシ」:細部を語ることで生まれる内在的信頼性。
・シナトラ・テスト:「ここでうまくいけば、どこへ行ってもうまくいくさ」

<感情に訴えること>
・マザー・テレサの法則:「個人を見た時に私は行動する」
・マズローのピラミッド底辺部を避ける。:他人は自分より下にいるという誤った思い込み。
・「テキサスを怒らせるな」「テキサス人はポイ捨てをしない」:アイデンティティに訴える。
・「知の呪縛」:「他人も自分と同じくらい気にかけている」という思い込み。ピアノ二重奏財団の例。

<物語性>
・「シミュレーションとしての物語」と「励ましとしての物語」
・三つの筋書:「挑戦」「絆」「創造性」

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