受験生のための『世界史B』

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受験生のための『世界史B』―ローマ[②ローマは一日にして成らず(下)]

2010-10-06 21:49:52 | 受験生のための『世界史B』(未分類)
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 ソフトクリーム食べたい。

 
 [平民の台頭]

 みなさん、重装歩兵って覚えてますよね。
 
 ギリシアで、市民が自分で武装して兵士になった、あれです。
 
 ローマでも、重装歩兵が軍隊の中心でした。
 もちろん、彼らは戦争が終わればただの平民です。
 
 しかし、やはり戦争で活躍した人は発言力が増すわけです。
 貴族が戦争に参加していなかったわけではないですが、軍隊の圧倒的多数を占めるのはやはり平民の重装歩兵。
 
 「おれたちは国のために戦争で命を投げ出してるんだから政治もやらせてくれよ」と、そうゆうわけですね。
 
 やがて、前5世紀ごろ、

 ・護民官(元老院や執政官の決定に拒否権を発動できる)
 ・平民会(平民だけで構成される議会)

 が設置されました。
 
 さらには、それまでの慣習法を成文化した十二表法なるものが制定されます。
 貴族が自分たちの都合のいいように利用していた慣習をしっかりした文に起こすことで、平民でも扱えるようにしたわけですね。
 
 続いて、紀元前367年のリキニウス・セクスティウス法
 なんと、ふたりのコンスルのうちひとりは平民から(選挙で)選ばれるようになりました
 
 これはデカい。
 しかもおもしろいのは、2人のコンスルのうちの1人はちゃんと(選挙で)貴族から選ばれるということです。
 平民の地位が向上したからといって、貴族からすべてを奪うわけではない。
 いいかんじですね。
 
 極めつけは、それから100年後のホルテンシウス法です。
 平民会の決議が元老院の許可なしにそのまま法律になることになりました。
 元老院だけがもっていた立法権が、平民会にも与えられた、ということですよね。
 
 これで貴族と平民の権力はほぼ平等になりました。

 ここからローマは、貴族と平民でお互いうまくバランスを取りながら発展を遂げていくことになります。

 しかし、やっぱり実質的な支配者は元老院。←ココがあとから大事です
 最高官職のコンスルを牛耳るわけですし。
 さらに元老院は、非常時(国家の危機! など)には独裁官(ディクタトル)という任期半年のインスタント独裁者のようなものを立てることもできたのです。
 こんな元老院に刃向かったのが、とある男なのですが。。。
 その話はまだまだ先。

 
 余談ですが、
 戦場において歩兵を担当していたのは平民。
 騎兵を担当していたのは貴族でした。

 馬って、乗るのが難しいのです。
 幼いころからちゃんと訓練していないとうまく乗れませんから、必然的に、裕福な家庭で乗馬訓練ができる貴族に対象はしぼられてくるわけです。
 兵力の割合は歩兵が段違いに多いとしても、戦闘での勝利に貴族と平民が同様に貢献しているというのは、なんだか理想的な気がしません?
 
 あ、今回法律がたくさん出てきましたが、それぞれの役割をしっかり理解しておけばそこまで暗記は苦ではないのでは。
 
 ローマ人は法律が大好きなので、彼らに付き合ってあげてください。笑

 

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1 コメント

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!! (ぴよ)
2014-07-06 18:40:32
もう衝撃です
めっちゃ分かりやすいです!
教科書と併用してテストに備えました。
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