映画メモbox

ビデオで観た映画のメモ。直感的感想メモです。

2046

2005-08-15 09:54:25 | ここではないどこかへ
2046 2004年 香港
監督・脚本 ウォン・カーウァイ
美術・編集 ウィリアム・チョン
撮影 クリストファー・ドイル
出演 トニー・レオン/木村拓哉/コン・リー/
フェイ・ウォン/チャン・ツィイー/カリーナ・ラウ/
チャン・チェン/マギー・チャン


2046を見た。
とてつもなく刺激的だった。
飢えを癒してくれるような。
口を開けて待っている私に
おいしいジュースを
飲ませてくれるみたいな映画だった!

一瞬一瞬の感情の断片。
その感情のリアリティ度が圧倒的だと思う。
だから見終わった後も
たくさんのシーンが
ずっと頭に焼きついて離れない。

ウォン・カーウァイ監督作品の
どういうところがいちばん好きかといえば、
他人だった人たちが
ほんの一瞬だけ親密になる感じ。
「2046」で言えば、
トニー・レオンとフェイ・ウォンが
2人で楽しく小説を書いているところ。
幻想みたいに楽しくて
繭の中に入っているみたいに守られていて
冷めている2人が一時だけ暖まるようなシーン。
そういうへんな親密さがすごくすきだ。

    


ウォン・カーウァイはいつでも
オレオレムービー(男のロマンみたいな映画)
を撮っているんだと思う。
そういう映画を撮る場合、他の監督なら
あまり女優を出したがらない。
でもウォン・カーウァイ監督は
女優もふんだんに使って、
しかも彼女たちをすごくきれいに
撮ってあげるところが変わってる。

そういえば、これをみたとき
自分がアジア人で心からよかったと思った。
アジア人のように繊細で
美しい骨格と肌を持った人種はないんじゃないか?
と、自分がアジア人でいることに誇りを持てたのだった。
そんなふうに思わせてくれた監督に感謝。


    


ウォン・カーウァイ監督は
エゴをピュアなところまで
浄化させて作品を撮ってる。
そうすると、作品は
インターナショナルなものになるんだなと思った。
自分のために作品を撮っているというか。
純粋に自分のために作ったものこそが
本物なんだと思う。




    

衣装も美術もいつもに増してすごかった!
『花様年華』のときと同じ高いカラーのチャイナ・ドレス。
プライドの高さを象徴しているみたいですごくかっこいい。
ヨーロッパのヴィンテージ・ドレスを
崩して作っていると何かの記事で読んだことがある。
それに合わせたアクセサリーや時計などの小道具も
これ以上ないっていうくらい最高だった。

美術も大変だったと思う。たとえば前半のシーンで、
トニー・レオンがスーという女と階段で遭うところの壁の色とか、
あれもわざわざ作ったんじゃないかな?
あんな微妙な壁の色はないと思う。
この調子で画面に映るすべてのものが
最高のセンスで完璧に整えられているなんて、、、
こういうところに4年の月日が感じられた。
すばらしかった。

それからもちろん俳優も。
ウォン・カーウァイ監督の映画はシナリオがないらしいけど
出演する俳優はみんな自分が彼の詩の一部になることを
完全に理解して演じているように見える。


2046@映画生活


    







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2 コメント

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Unknown (クマ)
2005-10-19 23:17:53
こんにちは。

色といいアングルといいとても繊細さを感じさせる作品でしたよね。花様年華のときとは違った退廃的なトニー・レオンの演技も、彼を取り巻くチャン。ツィイーをはじめとする女性達の艶かしい演技も全てが魅惑的で印象的な作品でした。



こちらの記事からTBさせていただきました。これからもよろしくお願いいたします。
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TBありがとうございます (rabbitpole)
2005-10-21 01:46:00
クマさん、こんにちは!

コメントありがとうございます

クマさんのご意見、全くもって同感です!

この映画、ほんとよかったですよね

DVDを買おうかと思ってるくらいです。

(花様年華のときは、ちょっと大人すぎてついていけなかったのですが…。)

時間を盗むとかトニーがチャン・ツィイーと話していた会話がいまでも頭によくよみがえります。



こちらこそこれからもよろしくお願いしますね
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