SPIDERS IN LOVIN' COOL

ケロロ軍曹(主にクルドロ)や、名探偵コナン(主に平和)の小説。
毎週土曜日は「今週のクルドロ萌え」を予定。

33.二人乗り(ケロロ軍曹【クルル×ドロロ+小雪】)

2008-03-13 19:32:33 | クルドロ50のお題
珍しい客人だ。
俺はこいつが苦手だ。
ドロロの保護者(っつってもまだ中学生だ)東谷小雪。


「んで、何の用だい?」
「クルルさん、ドロロのこと、隠したりしてませんか?」
「ぶはっ……」


突拍子ない言葉に思わずコーヒーを吹いてしまった。


「何で俺がそんなこと…。
隠しておきたいのは山々だが、
ドロロは今朝もあんたのとこに帰っていったぜ?
文句ねえだろ?」
「それが…帰ってきてないんです…」
「はいっ?」
「遅くても朝にはちゃんと帰ってくるのに、
今日は帰ってきてないんです」
「どっか行ってんじゃねえの?」
「そんなことありません。
ドロロは出掛ける度に私にどこに行くって言ってくれますから」


ということは俺のとこに来ることも、だだ漏れってことか…?
あのバカ…。


「ちゃんと探したのか?」
「思い当たるところは全部探しました。だけど見つからなくて…
だからここに来たんです」
「残念だが、マジでここには居ねぇ」
「クルルさん、ドロロを探してくれませんか?」
「ドロロだっていい大人なんだから、
そのうちひょっこり帰ってくると思うぜ?」
「クルルさんは、ドロロが心配じゃないんですか?」


そりゃまあ…心配だけど…


「ああ!!判った、探してやっから。
あんたはドロロがいつ帰ってきてもいいように、
水車小屋に戻ってな」
「ありがとう、クルルさん!!」
「礼には及ばねえよ」


とりあえずコマワリのGPSで、
ドロロが今どこにいるか調べてみる。
ん?近くもないが遠くもない、微妙な場所に反応あり。
そんなとこで何やってんだよ?


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「お~い、ドロロ~」


おかしい、GPS反応があったのは確かにこの辺だったのだが…。
元アサシンな上に忍びと来たら、
そう簡単に見つかるわけがなかった。


「ドロロ~この辺にいんだろ?」
「………ル…く…ん…」
「おい!どこに行んだよ?」
「……ここ……にいる…よ」


気のせいだろうか?声がやけに弱々しい。
とりあえず声がした方を探す。


「今見つけてやっから!そこにいろよ!!」
「う…ん」
「何かあったのか?」
「ちょっと…ね」
「もうすぐだから、待ってろよ」
「う……ん」
「ドロロ!!」


草むらを分け居ると、傷だらけのドロロが倒れていた。


「どうしたんだよ?その傷」
「撃たれた…」
「誰に?」
「多分、猟師…」
「アンチバリア使ってたんだろ?」
「こんなとこ、誰もいないと思って……」
「バカか!!あんたらしくもない!!!!」
「うん…ごめん」
「立てないのか?」
「ちょっと、キツい」
「じゃあ、俺の背中に乗れ」
「うん…ごめん……重くない?」
「こんくらい、楽勝だ」


俺はソーサーを置いてきた場所までドロロをおぶった。


「座ってろ」


俺は、ソーサー付属のイスを初めて使った。


「よかった…クルルくんのソーサーが二人乗りで。
迎えに来てくれたのがクルルくんで、よかった…」


その逆だ。あんたと一緒に乗りたいから、
俺のソーサーだけ二人乗りに設計したんだ。
今度は、楽しい思い出を作りに二人乗りしような。


Fin


【あとがき】
前々からクルルのソーサーだけ何で二人乗りなのか考えてたんです。
迷わずドロロと乗るためだ!と結論づけました(笑)。