SPIDERS IN LOVIN' COOL

ケロロ軍曹(主にクルドロ)や、名探偵コナン(主に平和)の小説。
毎週土曜日は「今週のクルドロ萌え」を予定。

09.名前(ケロロ軍曹【クルル×ドロロ←ケロロ】)

2008-02-07 17:59:15 | クルドロ50のお題
君の名前を呼ぶだけで、我が輩の気持ちは空回りする。

「ドロロ」
「なぁに?ケロロくん」

我が輩を呼ぶときの君の仕草に、いちいち高ぶる。
だけど高ぶった感情を、あいつの一言が消し去る。

「ドロロ、来てたのか」
「クルルくん」
「来てたならラボにも顔くらい出せよな」
「ごめん、今来たばかりなんだ」
「俺様先に行ってるから、お前も後で来いよ」
「うん」

君と一番不釣り合いなあいつに、君を奪られてしまった。
いや、元々我が輩のものではなかったのだが。
小さい頃の君は、いつも泣きながら我が輩の名前を呼んで、
それはそれは頼りにしてくれていた。
どんなに怖いところにでも、我が輩の後ろを泣きながらついてきて。
ずっと一緒だと思っていたのに。
君がゼロロからドロロに名前を変えた少し後、
君はあいつのものになってしまった。

「じゃあ、僕ラボに行ってくるから」
「…!ちょっと待ってゼ…じゃなくてドロロ」
「なぁに?」
「…いや、なんでもないであります」
「?ケロロくんおかしいなぁ」
「ごめん、呼び止めてなんかして」

君は、あのころと同じ顔で我が輩の名前を呼んでくれる。
変わってしまったのは…
もう、あの頃の名で君を呼べないこと。
もう、君は我が輩以外を頼ってるということ。

君を呼んだクチビルを、手で被い隠すことでしか
理性を保つことしかできない。


Fin


【あとがき】
軍曹の片思い。
いくら好きでも人のものに手を出さない、
人のものを奪っても自分は幸せになれないということが判ってる、
意外と軍曹は常識人。
二等兵はまだ子供だからそれが判ってないと思うんだけど、
タマ公を絡める予定なし(爆)