
[2013年10月再編集]
(1)『はじめてのテントで凍えた一夜』はこちらから→ (2)『凍える夜を越えて大展望の頂へ』はこちら→
テントをやめて小屋泊まりにしたおかげで、昨晩とは打って変わった快適な一夜を過ごして、スッキリお目覚めの翌朝。
白馬山頂からピストンで下山するつもりなので、荷物を背負って出発です。
山荘の人にあいさつをして、日の出を眺めながら登れるルートを教えてもらいました。
山荘出入り口を直進して崖付近まで出ると、東側に広がる展望を眺めながら登って行けます。
登ってる内に明るくなっていく空。昨日と同じレリーフの前でのんびり日の出を待つ事にしました。
冷たい風に吹かれ、凍えながらのご来光…

この瞬間の、心に ぽ っ て差し込む暖かいものはなんなのでしょう。
夕陽が沈む瞬間の切ないものとは、また違った感覚…
昨日陽が沈む姿を眺めた同じ場所で、今は陽が登るのを見つめている。
こんな事が普段の生活であるでしょうか?
山の上でしかあり得ない体験なのではないでしょうか。
地球の自転に思いを馳せながら眺めていました。
<クリックすると大きくなります>
左から 奥秩父山塊/八ヶ岳/富士山
南アルプス
この更に右には中央アルプスらしき姿もよく見えました。
左 草津志賀の山々から四阿山 /右 浅間山(多分)
すてきー…
あっという間に登っていく太陽。 山頂に向かいました。 そして朝ごはん。
やっぱ山頂からの景色は最高だな~ どれもこれもみんな素晴らし過ぎます。
ここで何時間だって過ごしていたい…時間さえ許せば、そうしていたいけど…
下山はここから栂池自然園までの長い距離を一気に歩き通さなくちゃ。
しばらくは尾根をゆるゆる下っていくだけだから何とかなると思うけど、やっぱり心配。
下山する時の足首周りや足裏の痛み…これがいつも苦痛でたまりません。
途中でゆっくり休み休み、時間をかけて下山しようと計画していたので
今日は遅くても7時過ぎには山頂を去る予定でした。
日本海
名残惜しい…去り難い…
ここでボケボケ過ごしてもう一泊しちゃダメっすか?
(ダメっす社会人)
昨日歩いてきた稜線が目の前にゆったりと広がる。
こりゃまた最高だな。 またあそこを歩けるなんて。
うれしい・楽しい・しあわせ感覚いっぱいで顔の筋肉がほころびまくりですよ。
下りは本当に早い。歩きやすいガレ場なのであっという間に三国境に到着しました。
昨日も眺めた展望ですが、今日は日本海に雲がかかっていないので こりゃまた素晴らしい
あーっ 絶対このコースいつか歩いてやる!
今日もほとんど人と会いません。山頂で過ごしている間も、誰もまわりにいませんでした。
真っ赤な草紅葉、ハイマツの緑、日本海の青
北アルプスを泊りがけで縦走するのは初めてだったので、
もっと辛くて苦しいものになるだろうと覚悟していた白馬岳でした。
でも今回よく分かった。
時間さえかければ…
何時までにどこに着くという制限さえなくせば、普通の人より一泊多くするぐらいの覚悟で望めば、
無理だと思っていた大抵の山にも登れるんじゃないかとわかって、嬉しくなっていました。
アルプス縦走って本当に気持ちいいですね。
来年はたくさんやりたいなぁ

ショートパンツを履いてよく陽に焼けた足の筋肉がとても立派で、その上半身の風貌とまるべ別人のよう。
この方は随分山をやっているんだな…すてきだな~
あいさつしてすれ違った後、その人がこの山を歩く景色を眺めたい心境になり、振り返ると、相手も単独で歩くプカプカが気になったらしくこちらを振り返りました。
「一人?俺はこれから鑓~」
白馬鑓ヶ岳まで行くのだと言い残し、すぐに去ってしまった。
どこから登って来たんだろう。
随分下って小蓮華山手前まで来ると、背後にはまた白馬三山の眺めが現れました。
山頂まで行く時間の余裕のない方は、この辺まででも充分楽しめると思います。
白馬大池が見えて来ました~
ウラシマツツジの真っ赤なじゅうたん
高度が下がってくると植物が増えるので山肌の色が鮮やかになります。
見た目にはぎゅーっとすごい登り返しも、
時間の余裕を作っておいたおかげで、
ゆっくりゆっくり牛歩で進めばいつの間にか越えていました。

栂池自然園らしき湿原地帯が見下ろせます。あの辺から何度、今いる山を見上げたかな…
まさかこうしてここを歩く日が来るとは、あの頃思いもしなかった。
白馬大池。ここからしばらく背の高いハイマツの中をくぐります。
時刻は11時頃。
さっきまですれ違う人は一人だけだったのに、この辺に来て急に増えました。
みんな今から山頂かぁ
よっぽど足が速いんだろうな…
この山なら多少薄暗くなっても西日が海に沈む瞬間まで歩けそうだし。
やっぱり大池周辺の草紅葉が一番きれいっ
夏季はこの辺一面見事なお花畑になり、
チングルマの花が咲き乱れるんですよね、
そのチングルマも秋にはこんな
見事なタペストリーを魅せてくれるんだー
チンさん、あんたいい仕事してますなぁ
山荘に立ち寄って預かって頂いたテント用具一式を引き取りました。
預ける当初相談にのってもらった小屋の女の子と少しおしゃべり。愉快なひと時。
テント用具をザックに詰め込んだ後は山荘脇の水際でお昼休憩にしました。
ところで池はお昼になるとこんなに青く染まるんですね。(一日目とは別世界…)
アルファ米とお豆でカレーリゾット。バターをきかせています。
う~ 池のほとりは風が冷たくて、爽やかどころかじっとしてると寒すぎる
荷物の詰めなおしとかでおよそ1時間半ほど休憩してしまい、ちょっと時間オーバー。
山荘周辺からしばらくは
ナナカマドの中を歩きます。
この辺のナナカマドはもしかして人が植えたのかな、
狙ったように集まってるから。
大池の水のきらめき、ほとりに転がる岩に水が当たり、コポン…コポンと立てる音…
やすらぎ効果があるようです。
歩き始めたと思ったら、その輝きと音の前に足が進まず、ただ目を細めてボケーっとしてしまいました。
ゴロゴーロに転がった大岩の上をテント用具で身重な体でえっちらおっちら…
乗鞍岳の山頂ケルンに到着する頃には、もう足裏の疲労が始まっていました。
快適だった時間も、そろそろ体が終わりを告げています…
まだここから急坂が待っているっていうのに、やっぱり距離があるとダメかぁ
大池までの往復ハイキングの人々がたくさん集ってにぎやかな乗鞍ケルンで、
衝撃に備えて足裏のメンテナンスをいろいろしてる内にまた時間をロス。
もうこれ以上のんびりしながら下山できそうもない。ロープウェイの時間までに下りなくちゃ
登ってる時はそんなに苦痛でもなかった大きな岩のゴロつきを、大股で飛び移ります。
ズシリ、ズシリ。一歩一歩足が痛い。
天狗原が見える辺りからのゴロゴロ岩の急坂は、なんかもう地獄って感じでした。
「 は ぁ っ う ぐ ぅ ぐ ぉ っ ふ が っ 」
一歩足を下ろす度に、もう足首から下が痛くて痛くて…先々から何度も書いている
「標高差が大きい山は下山時辛い」というのはこの事なんです。
筋肉はまだそんなに疲労してないし、膝も痛くない。 でも足首と足裏がとても痛い。
そこをカバーできるような筋力はまだ備わっていないし、12~13kgはあるザックの重さにも慣れてないから、
足に重量負担をかけない歩き方が全然できない。
ヨロヨロでどんどん速度が落ちて来て、ゴンドラ最終便の時間も気になるから精神的にもキツさ倍増です。
もうこの辺から写真全然撮ってないですもの。
意識も3割位どっかにいってた気がする。ただ転ばない事、道を間違えない事、それだけ…
最終便の20分位前(16時過ぎ)にヘロヘロで駅に到着しました。
(7時過ぎに山頂を出発したのにこの到着…)
こんなにダメなんじゃ、この先のアルプス縦走なんてどれも危ぶまれる。
とにかく、テント担いでの山登りはもっと標高差や距離が軽くないと無理だなぁ
すごいすごいって言われるプカプカですが、何度も言うけどこんな風に全然すごくないんです。
限界とか身の程に合った山行をしてない。
それでもすごいと言うのだとしたら、体力・技術にそぐわない危険な事を単独でやっている、
その危ういところが、ある意味すごいと思われてるのかな?
でもこれは勇気とかの問題じゃないのかもしれません。
ロープウェイの中から見る日没。
昨日は見下ろしていた白馬の影の中に、今自分が包まれていく…
【白馬岳 二泊三日の単独行 これにておしまい】
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★2010年7月にも白馬を登りました→白馬三山 お花めぐり
私も白馬行きたいな…(連休ほしーw)
お休みの前日にですね。職場で「明日、山に行ってきまーす♪」
と言うと上司が「独りのカラダじゃないんだからね!ちゃんと帰ってきてね!困るから!」
と、いつも言われますw
山に行くといつも「帰んなきゃダメかなぁ…」と思っちゃうんですけど、
社会人としては、あまり無責任な行動はできませんね…旅立ちたくてたまらないのですが!w
やっぱり「すごい」ですよ!
そりゃー帰りたくなくなりますよね。
来年の夏はここ歩きたいな。
すんばらしい~~~~~~~
これだから「山」のめり込んで止められない。
もう一泊。分かるな~
私も6時間を超えると足裏痛くなります。気持分かるな~
なのでその山行(時間)にあわせてソールや靴を変えています。それでもやっぱり
今回は苦労した分、沢山のご褒美。よかったね。
お疲れさまでした。
山に行くって予告すると大体心配されますよね。
山で遭難とかニュースになったりするし、何かあった時はそのまま命の危険につながるっていう印象が一般の人の中には強いんでしょうね~
実際そうだと思います。我々の場合慣れがありますから「そんな言う程危険でもないよ」って感じなんですけどね。(^^)ゞ
社会人としての責任が強くなったり立場が上がったりすると、好きなようにやりたい事ができなくて辛いですね。
私はそんな人生まっぴらなので出世なんてしたくありません(笑)なんてな
北アはやっぱり最高、最高ですねぇ なんであんなに遠い場所にあるんだろうー(+_+)
もっとご近所だったらちょこちょこ行くのに…
夏も歩いてみたいですね。でも私きっとすごくないんで…暑さにやられてバテて歩けなくなる気がします。とほほ
山に登るみなさんが夢中になる理由、やめられなくなる理由、言葉で表現できないその理由があの景色の中にありますよね。
それだけじゃないけど・・・
やまやさんも足イタで泣くことがあるんですか
いつも低山であってもかなりの長距離を歩いてるご様子、あれをその状況でって事はかなりの精神力をお持ちで…うーむ さすがやまやさん。
靴を変える、っていうのも一考ですよね。
買って山を歩いてみるまで本当に足に合ういい靴か分からない…それでなかなか新しい靴に手が出せません。
ソールをオーダーメイドの高いのにしようかとか、足の骨を矯正しようかとか考え中ですが、面倒臭がりでなかなか行こうとしないという(^^;)
> 今回は苦労した分、沢山のご褒美。
ほんとにその通りでした。(*^^*)
とても素敵な山行でしたね。
苦しくても、行かなければ見ることが出来ない景色がありますね。
でもヘリコで連れってってくれるとすごく嬉しいですが・・・
今度は時期を選んで行けば(でもゆっくりと)必ずテント泊で巡ることが出来ますって!
プカプカさんガンバ!!
そこに行かなければ見えないものを見る為感じる為に苦しい思いをする、ほんとに登山って変なのって思いますね~
励ましのお言葉ありがとうございます茶柱さん!
もっと快適なテント泊体験できる日が楽しみです。
(ヘリコじゃなくてチョコボに乗って行きたいプカプカ)
キレイ過ぎる景色がてんこ盛りっっ!!!!
朝焼けの中、ぼんやりと浮かぶ
大好きな八ヶ岳に見入ってしまいました
あと約1ヶ月後には、ここで生活するんだぁ
と思いながら・・・
北アルプスには、ほとんど行った事ないのですが
登ってみたくなりました~
プカプカさんは、いつもお一人で行かれるのですか?
「何かあったら・・・」と考えると
なかなか1人では山に行けない私からしてみると
それがスゴイです!!
私も頑張ろ~~~
目指せ!!1人で登山デビュー!!
ta*mikiさんが訪問してくださったおかげで、この度数ヶ月ぶりに更新してみようかなという意欲がわいてきました。
誰かが読んで反応してくれる…
これが何よりブログを続けることの意味だったんだと改めて実感することができました。
ほんとにありがとうございます…
八ヶ岳での生活はどれ位の期間続けるんでしょう。
それを終えた後、遠くの山々から八ヶ岳を見る時の気持はきっと今写真で見て感じる以上の感慨でしょうね。
懐かしさとか郷愁で泣けちゃうほどの想いになるんだろうなぁ
ってまだこれからなのに先の話過ぎですな(^^;)
プカプカは初めて登った時からいつも単独登山ですよ。
単独で何かあったら…という不安は、初めての登山の前まではすっごくありましたけど、一回やっただけでもうどこかに消えてしまいました。
元々一人で行動するのが好きなので、山の中では共に行動する人がいない方が自由を感じます。(気を使う性分なので)
ta*mikiさんも一人で青年小屋に働きに行くんですよね?
それだって充分すぎょいと思いますよーっ