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手前が旧モデル、奥が現行モデル
冬が間近にせまってきているから。。というわけではないですが、点検も兼ねてMarmotの4シーズン用テント”Lair 8P”の新旧を並べてたててみました。
以前からやりたかったのですが、なにせ暇よりも気力がないとできない企画で、ずっとPendingしたままでした。
この手の新旧並べるのは、モスのアンコール以来になります。
最近は、どんどんと新しいテントが発売され、新旧とバージョンを重ねながら長く続いているものはなかなか無いですね。
そんな状況下であって、今回紹介する、Marmot Lair 8Pは息の長い部類かと思います。
"Lair 8P - it´s my base camp, my second home."
これはアンナプルナ南壁の新ルートを開拓した登山家 Dodo Kopoldによる評です。
むろん、スポンサーあっての評かとは思いますが、それでもこの評に代表されるように、Lair 8Pはヒマラヤなど極地遠征隊のベースキャンプとしてマウンテンハードウェア・スペースステーションと並んで人気のテントで、
以下のアドレスにはこれから紹介する旧型ではなく現行品ですがLair 8Pがベースキャンプで用いられている一例が見ることができます。
http://marmotpro.com/aggregator/sources/1
価格は新旧変わらず1999ドル。これに送料が400ドルくらいでしょうか。お店が在庫として持っていないようで、セール対象になるのは稀なようです。
とはいえ今なら円高なので、1ドル100円のときと比較したら送料くらいは浮きそうですね。
さて、前置きはこのくらいにして、今回はそのLair 8Pの旧モデルのレビューになります。現行品のほうのレビューはこちらをご覧ください。
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紫色をしたスタッフサック。重さは計ったことないですが、かなりの重さがあります。女性ではちょっとキツいかも。
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こちらの旧モデルの方ですが、運悪く、初張りの時が観測史上最強の風が吹き荒れた日だったもので、たった1回のキャンプでフレームに曲がり癖がつきまくり。
フレームのジョイント部が完全に入りきらなかったりする箇所もあり、またテンションコードもかなり伸びてしまってます。。
初張りのときの詳細についてはこちらのレポートに報告してますので、興味があるかたはそちらもあわせてご覧ください。
テントから出たとたん、すさまじい風圧で転倒してしまったのは、人生でこの1度しか経験したことがありません。それほど強烈な風でした。MSRパビリオンはフレームが途中から折れ曲がって倒壊しました。でもこのLairはそんな苛烈な環境であっても、内部は平静に保っていてくれました。2m上にあるはずのフレームが風で思いっきり”しなって”顔に触れるまで寝ていられるほど平静でした。
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写真ではその大きさがわかりずらいですが、カタログでは3.96m×3.96mのフロアスペースに高さが243cmあります。かなり巨大です。
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正面からのショット。
普通のオートキャンプ用テントとは構造が違い、8本のフレームから形成されるドームは、どの方向から風に吹かれても互いのフレームでテンションを逃がし合いながら支えあい、中の人を守ってくれます。
そして、このlairが優れているのは、この大きさの幕を補助無く一人で難なく建てることができるということ。
類似したプロダクトではノースフェースの2M-DOMEがありますが、こちらは通常では2名での設営、1人で建てるにしても脚立など補助無くては建てることはできません。
Lairの場合、まず入り口脇にやってくる黒いフレームを2本スリーブに通し、幕を仮ペグダウンしてたち上げ、その後にゴールドのフレーム、ピンクのフレームの順に入れ、ドームができあがったら、ペグの位置を本決めするという具合で、
慣れれば1人で20分とかからない作業です。
ちなみに上の写真はまだフライが未装着の状態です。Lairは前後対称形なため、同じ入り口が後ろにもついています。
こう見るとフレームに曲がり癖がついていても、建ててみれば意外とわからないものですね。そもそも、建てたときに曲がっている形にあらかじめ曲がっているということからでしょうか。
本体は現行品と同じ大きさですので、破損しても修理もしくは交換が可能です。ただし、前述した通り、実費とアメリカからの送料がかかりますが。。
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入り口は、メッシュとの2重構造になってます。フロアシートは脱着可能で、この写真では未装着の状態。
これだけ広くなるとフロアシート無しでコットで過ごすのもいいかもしれません。
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側面からの様子。フックが多くついていて本体生地に適度なテンションがかかっています。Marmotのロゴは赤色。現行品はグレー色をしているところに違いがあります。
また、強風時などにガイコードで引っ張ってテンションを高めるループが沢山ついています。旧モデルは写真のとおり、赤色。現行品はグレー色をしています。
強風下では、徹底的にこのループにガイコードをくくって使用しました。
1つのループはあまりの風圧に耐えられず破れてしまった、そんな戦傷もこの手のエクスペディション用ではありかなと(^^)
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斜めからのショット。本体の色はどの角度から見ても、鮮やかなパンプキン色をしていて、でも決してハロウィーン仕様を謳ってるわけではなく、
これに限らず極地用シェルターの多くが黄色やオレンジ色をまとっているのには、視認性を重要視していることに他ありません。
ブリザードで視界の悪い中、遠くからでも帰る場所が確認できるというのは、生死に関わる重要な機能の1つといえるでしょう。
また、室内はたとえ灯がなくとも暖かな印象をもたらし、極寒下から帰ってきたらホットさせられるものがあります。ただ、冬以外のシーズンでは、暑苦しい、、(>_<)
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内部から天井を眺めた様子。透明の大窓の他、天井部には三角形をした天窓が2カ所あり、開けるとメッシュになっています。
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側面にも4カ所、開閉可能なメッシュ窓があります。
先に説明した天窓と、入り口2カ所をあわせると、合計8カ所がメッシュになり、かなり換気性能はよいほうかと思います。
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Lairのアイコン的特徴である透明の大窓はなかなかの優れもので、冬でも硬化せず、寝そべれば星が眺められ、立ったら外の様子を伺える絶妙も高さにあります。
個人的には、この大窓からの眺めが気に入っています。
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フライが付きました。って、おわかりいただけるでしょうか?写真を注意深くみていただくとおわかりいただけます。 旧モデルと現行品の大きな違いが、このフライの形状になります。
旧モデルは天頂部を覆うパーシャルフライ。一方で現行品は前室付きのフライになります。
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側面からみると、このもったいぶったフライの様子がよくわかります。現行のフライを装着できないわけでもないですが、一部くくり付ける必要があります。
ここで紹介している旧モデルに現行フライを装着したときの様子は、こちらでご覧いただけます。
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パーシャルフライといっても、4シーズン対応で、本体のボトムには赤い厚手の生地をあしらった大きめのスノーフラップが配されています。
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フロアシートを装着した様子。広大なスペースは8人就寝可能とあります、
2-3人利用ならば、半分をフロア見装着のまま地面に、半分を寝床用にとフロア装着というような使い方も可能です。
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以上、旧モデルの紹介でした。
ちなみに、こちらは日本未発売のモデルですが、以前、破損のために代理店のデサントさんで修理交換を依頼したところ、実費で面倒を見ていただけました。
通常のサポート外だと思うのですが、とても丁寧な対応をしていただき大変感銘を受けたのを覚えています。
ただし、修理用部品などは在庫として持っていないので、本国(アメリカ)との送料など諸々を負担する必要があります。
当方は、フライ本体とフライ用フレーム2本を取り寄せてもらったところ、送料込みで確か400ドルくらいの請求でした。
面倒を見てもらえるとはいえ、通常のサポート外ですから、こちらからも誠意のあるお願いをする必要はあるかと思います。
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さて次回は現行品(写真手前)の紹介です、って、なんかさっき見た写真では?デジャブのようです。
フライ付いてないと見た目ほとんど区別つかない。。(^^;
当分、オレンジだらけのページになりそうです。
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