ぽんしゅう座

優柔不断が理想の無主義主義。遊び相手は映画だけ

■ キングスマン:ゴールデン・サークル (2017)

2018年01月15日 | ■銀幕酔談・感想篇「今宵もほろ酔い」
冒頭の007もどきの追走劇のノリがいまひとつ悪く不安な始動。中盤の『女王陛下の007』へのオマージュとおぼしきイタリアの雪山と終盤の結婚式にほくそ笑む。

が、肝心の英米の文化ギャップ・コメディとしての出来は豪華なヤンキー揃えながら設定だおれで毒不足。

で、米国陣営ですが、あの精肉方法は以前(確か70年代、作品名は思い出せない)の映画でも観たことがあるのですが、D.トランプとかいうならず者も大好物だというハンバーガーまで作るアメリカングラフティおばさんジュリアン・ムーアの料理好きには呆れを通り越して感動すらしました。

が、せっかくの南部訛りの無頼漢チャニング・テイタムとジェフ・ブリッジズははみ出し振りが中途半端。キングスマン御一行の米国代表パートナーで「刑事マクロード」みたいな投げ縄男ペドロ・パスカル(カウボーイなのにラテン系なのがミソか?)に魅力なく、全然はじけないのが致命傷。

で、爵位持ちながら“あんなしるし”や“下品な俗語”まで駆使して、その穴を不器用かつエネルギッシュに埋める英米のブラックな架け橋たる太ってもロックスター「エルトン・ジョン卿」の老体捨て身の献身には、ほとほと頭が下り大笑い致しまた。Thank you, sir.

が、『キック・アス』のころは批判していたマシュー・ヴォーンの過激な悪趣味の連射にニヤケた顔して、この程度の出来の映画に★を4つ付け、次回作(きっとハル・ベリーですよ!)に期待を弾ませてる自分に気づき、年始早々に恥じ入る2018年の初春でありました。

(1月7日/TOHOシネマズ)

★★★★
コメント
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