詩の自画像

昨日を書き、今日を書く。明日も書くことだろう。

19.鬼

2017-09-19 15:19:07 | 

             

 

人の心の中には

鬼が住みつく場所があるという

いつから住み着くのかは

誰も知らない

 

一つのきっかけで

鬼が住みつき

その鬼が人の心を支配する

それでも鬼が住みついているとは

気が付かない

 

鬼は巧妙だから

鬼が住み着いたと気付かれるまで

前にでることはない

気付かないまま

鬼の心に

一つ二つと

足し算していくと本当の鬼になるのだろう

 

鬼は人の表情を

上手に真似る

だから何気なく話をしている相手が

人なのか

鬼なのか

容易にはわからない

 

けれど鬼は悪魔ではないから

鬼の中には

悪い鬼も良い鬼もいるのだ

人の心が

どのように動くのかによって

赤い鬼と

青い鬼とにわかれていく

 

一つのきっかけで

赤い鬼が青い鬼になったり

青い鬼が

赤い鬼になったりする

だから心の手当ては

遅れてはならないのだ

 

ときとして鬼は

戒める為に

人の心を食べるときがある

それでも残るものがあれば

赤い鬼が

住み着くのだろう

 

もしかすると私の中に

住み着く鬼は

赤い鬼なのかもしれない

しかし 人の心は

自制することで

青い鬼に変わることもできる

 

人が歩いている

何気なく顔の表情を見る

赤い鬼が笑っているのがわかる

そんな時 その人に

赤い鬼が住みついていますよ

とは 言えない

 

だから この世の中で

不幸な事が沢山起きている

ときどき 心の中で

自問自答することが

必要なのだ

人として

 


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