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2009 新年富士を眺める山歩き(御坂山塊縦走)

2009年02月05日 | 山&ハイキング
 2009年1月6日(火)一時

新春恒例・富士山を眺める山歩き。今回はいつもの鬼ヶ岳ではなく、その鬼ヶ岳を含む御坂山塊の最高峰・黒岳(1792m)へ登頂する縦走コースを歩きました。久々に山仲間のヒデさんとの二人登山。縦走コースは距離は長いけれどキツさという点では比較的ラク。穏やかな晴天に恵まれてこの時季にしては暖かで良い山日和のなか、富士山の展望コースを満喫しました。

中央道を走り、大月が近づく頃から姿を現す大きな富士山は、河口湖線へ入ると真正面に見える。朝日を浴びて輝きを増してくるその姿は神々しさを感じる。車を停めてずっと眺めていたいが、更なる絶景に早く会うために登山道へと向かう。

今回の縦走するコースの下山口となる大石の先のオートキャンプ場に車を停め、頼んでおいたタクシーに乗って縦走路の出発点、天下茶屋へ。御坂道をズンズンと上がっていくと道には結構圧雪がついた部分があった。天下茶屋まで6280円。

天下茶屋からの富士の眺めはもう既に一級品。河口湖を抱いて聳える富士山に朝の太陽が当って眩しい。


天下茶屋にいた別の登山者ご一行さんに「写真撮って」と頼まれた。この方達は三ツ峠へ登るとのこと。おれたちは逆方向へ伸びる石段を登りはじめた。

石段を30分ほど登りつめると縦走路となる尾根に行き着く。そこからは登りもひと段落、小さなアップダウンの道を30分ほど行くと御坂山山頂だ。山頂からは展望はきかないが、この付近の道で時たま樹林が開けた場所からは素晴らしい富士山を拝むことができる。


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そこから下ったコルが御坂峠。朽ち果てた小屋と小さな社があった。次は黒岳への登り。

尾根道の枝の間からはずっと富士山と河口湖がのぞき、右の方には金峰山、瑞ガキ山、そして白く輝く八ヶ岳連峰が見え隠れする。

登山道とその周辺は前日に降ったという雪でうっすらと雪化粧していたが積雪は1センチ未満程度。特に歩くのに支障はない。ところどころで積雪がちょっと多いところがり、踏むとギュッと新雪の感触がある。

雪化粧の快適な尾根道を歩くヒデさん

御坂峠から50分ほどで御坂山塊の最高峰、黒岳山頂(1792m)に到着。山頂はさっきの御坂山同様に樹林の枝がはびこっていて視界はよくない。その山頂に「富士山と河口湖の雄大な展望が得られる」という展望台への標識が立っていた。その展望台までは200mということだが、「富士山と河口湖の展望」ということは南側の視界は良さそうだが南アルプスを望める西側は期待できそうにない。もう昼飯時なのでせっかく大休止するなら、ガイド本によれば更に贅沢な展望が得られそうな破風山の方まで行ってしまったほうがいいかも… ということで黒岳の展望台はパスして縦走路を進んだ。

道は黒岳からの下り道。このまま下ってしまってはしばらく好展望は得られそうにない。そのうち破風山への登りへと道を辿る。「破風山近辺がこのコースの最も展望がいいところ」とガイドに書いてある場所はどこら辺だろう… 結構くたびれたし、「先に行ってて」というヒデさんを引き離して独りでどんどん来てしまったので、ヒデさんのことも心配…


冬でも青々とした縦走路の両脇に茂るクマザサが雪化粧していた


そのうち破風山の山頂に着いた。「なんだ、たいした眺めじゃあないじゃないか。。。」富士山はよく見えはするが、山頂は木が多くて視界が大きく開けている感じはない。「大展望の破風山近辺」というのはそうするとここより先?とにかくもう少し行ってみよう… 

数分下ると展望がぐっとよくなってきた。縦走路から左へそれる小道があってそこに入ってみたら、大展望が待っていてくれた!正面にはドーンと富士山。そして河口湖が真下に佇む。


左は山中湖の向こうの山々も見渡せ、右(西)方面は南アルプスが北部の甲斐駒から赤石岳など南部の山々まで全部見渡せる。しかも風もないポカポカのひなたの絶好の休憩スポット。

南アルプス連峰と御坂山脈西部の山々

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この場所で大休止。写真を撮影、お湯を沸かして昼飯、スケッチ、コーヒータイム… 山で過ごすこんなゆるりとした時間が一番好きだ。


一羽のカラスが枝にとまってヒデさんが食べているおやつをじーっと見つめる


どんな動物にも優しいヒデさんがおやつを与えると近寄ってきたこのカラス、
ずーっとヒデさんのそばにいた…

スケッチをしている間に富士山の横にスタンバっていた雲の塊が富士の山頂を覆い尽くしてしまったが… こういうことはよくある。そのうち雲は取れるだろう… と思っていたらそろそろ出発する頃にまた山頂が姿を現した。

山頂が隠れて中断していたスケッチを急いで完成させた


2時間半以上のんびりすごした後はひたすら大石峠を目指す。休憩で元気を取り戻したか、今度はひでさんがズンズンと進む。休憩スポットから大石峠の区間はなるほどこのコースで一番眺めがよく、立ち止まってしばし眺めたい場所がいくつもあった。でもヒデさんが結構足早に通過するので僕も眺めるのはそこそこについて行く…

1時間10分ほどで冬枯れのカヤトの原っぱが広がる大石峠についた。目の前の富士山は西日を受けているが、西の空の雲が太陽光線をしばしば遮る。

「富士山もこれで見納めですねー」とヒデさんが一言。なんだかもうすぐに下山するかのような口調。「これからですよー、夕日を浴びる富士山を存分に堪能するのは!」「えっ、でもそれじゃあ下山途中で暗くなっちゃいますよ」
もちろんそれは見越してヘッドライトを必携品として持ってきているわけだ。これから一番のシーンに出会えるかも知れないというのに、その前に下山してしまうなんて、僕には到底考えられない。熱い議論の末、二人の言い分の中間点を取ってあと30分ここで過ごすことで合意に至る。甘酒を入れて暖を取って少しずつ暮れてゆく富士山を愛でる。


富士山をバックに甘酒を飲むpockn(撮影:ヒデさん)

カメラのフィルムがもうあまりないので「もう少し待ってから…」とシャッターを押さないでいたらまた山頂に雲がかかってしまった。くー、悔しい。でもヒデさんはしっかり撮っていた。


大石峠からの富士山(撮影:ヒデさん)

甘酒を飲み終えたカップの内側にうっすらと氷が付いている。暖かいと言ってもやっぱり気温は確実に下降しているわけだ。

約束の30分を数分オーバーして下山開始。大石峠からの下山路もよく整備されていて歩きやすい。下山を始めて35分ほどで林道にでた。ヘッドライトなしでもまだなんとか歩ける明るさが残っていた。「これならもう少し峠に居られたな…」なんて思わない思わない。

山を下りたらお次の楽しみは温泉だ。いつもの富士眺望の湯「ゆらり」はここからだと遠いので、今回は河口湖畔の「河口湖温泉寺」という日帰り温泉へ。日本庭園を通って入る和風のどっしりした「温泉寺」の建物。ただ、浴室は近代的な施設で外の和風の雰囲気から期待していたものではないが、一日山を歩いた疲れを良い湯につかってゆっくり癒した。

初めて歩いた御坂山塊縦走コースは歩行距離は結構あるので「歩いたな!」という気分にはなるけれど、天下茶屋までタクシーで行けば高度はかなり稼げるし、道も良く激しいアップダウンも少ないとてもいいコースでした。

富士山はもちろん、南アルプスや八ヶ岳、周辺の山々の展望にも優れていますが、コースの大半は樹林のなかなので枝の間から景色を眺め、所々で展望が広がるといった感じです。破風山から大石峠にかけては展望が広がる場所が多いのですが、コース全体の展望の良さではいつも歩いている雪頭ヶ岳~鬼ヶ岳が上でしょう。大石峠を更に西へ進めば、その鬼ヶ岳の稜線伝いで行ける十二ヶ岳につながっている、ということで今度はそれを歩いてみてもいいかな…

《歩行タイムデータ》
天下茶屋→(0:59)御坂山→(0:42)御坂峠→(0:53)黒岳 →(0:27)破風山直下テラス→(1:09)大石峠→(0:34)林道→(0:05)車

【参考】
2008 新年富士を眺める山歩き(鬼ヶ岳~節刀ヶ岳)
2007 富士山を愛でる新年山行(鬼ヶ岳~十二ヶ岳)

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2 コメント

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うつ病 (うつ病)
2009-02-05 18:33:00
はじめまして。
なるほど...と、勉強になりました。
ステキなブログですね☆
返信する
Re: はじめまして (pockn)
2009-02-06 12:27:43
コメントありがとうございます。またいつでもおいでください!
返信する

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