昨日は、児童養護施設の里子ちゃんとじいじの合同バースデイ祝いをしました~。
手作りケーキにするか迷ったけれど、毎回一緒にお菓子作っていて、逆に手作りじゃないほうが新鮮かな?とお店に上記写真のようなバースデイプレートを用意してもらいました~。
写真には写ってないけど、バチバチ花火付きのね。
当たり!セブンティーンの里子ちゃん大歓喜!!!
本の虫だった(過去形)里子ちゃんに、児童文学贈ろうか迷ったのだけれど、
「もう今は読むひまないし、友だちとしゃべってるほうが楽しい!」
とイキイキとして話しているので、押しつけはグッと我慢(笑)。
リアルな友だちとのコミュニケーションが楽しくてたまらないというのだから、それ以上いいことってないよね、って。
人には時として、孤独なときも必要。
それがあるからこそ、人のあたたかみが実感できるから。
今日ご紹介する一冊は、児童文学というよりも幼年童話ですが、そんな孤独なとき一緒にいてくれた、自分にしか見えないお友だちのお話。リアルな友だちができる予感とともに、見えないお友だちのほうは去っていきます。
『ちびドラゴンのおくりもの』(1989年)
イリーナ・コルシュノフ作 酒寄進一訳 国土社
HANNO MALT SICH EINEN DRACHEN (1978)
絵は、伊東寛って・・・ああ、いとうひろしさんか!
ちなみに原書の表紙絵はこんな感じ↓
原書では1978年に書かれたお話ですが、いとうひろしさんの挿絵もあってか古さは感じさせません。
主人公のハンノーはデブでトロくて、いじめられっ子。
そんなハンノーの元に現れたちびドラゴンも、やっぱりドラゴン界では同じく、劣等生。
ところが、人間界に来てみれば、いままで知らなかったことだらけで、ちびドラゴンの好奇心は炸裂します。
そんなドラゴンに促されて、色々チャレンジしているうちに、ハンノーは自信をつけていくのです。
弱者に対する作者の目線がとてもとてもあたたかいのです。
というのも、作者自身幼少期つらい目にあってきたから。
ここで、注目したいのは、ちびドラゴンのほうだって、彼の世界では劣等生だ、ってこと。
でも、新しい世界をのぞいてみれば、好奇心旺盛でチャレンジャーになっている。そして、それを持ち帰って自分の世界へ戻るんですね。
今いる世界だけが、世界だと思うと息が詰まりそうになるかもしれないけれど、世界はそこだけじゃない!
自信のない子に贈りたい一冊です。