我が家の食卓は精進料理であるとブーイングされた。

休みの日は、概ね私一人で過ごす。家内とは休む曜日が違うからだ。

 

先日の休み。

どこか出かけようとも思ったが、結局一日中パソコンの前でニコ生を見ていた。

羽生vs行方の将棋名人戦が放送されていたからである。

 

便利な世の中になったもんだ。

名人戦の一部始終を生放送で見られるんだから。

対局者の咳払いだって聞こえるし、脳髄を絞る表情だって見る事が出来るもん。

 

などと、もこにその意義を説いたりする。

 

『なんかわからん。』（もこ）

 

 

 

 

 

いや、

だからそういう話ではない。

 

 

食べ物の嗜好は歳とともにこうも変わるものか、という話である。

 

休みの日は私が夕飯を作るという事は何度か書いた。

当然、自分がその日食べたいものしか作らない。

この日、作ったのはこれだ。

気分は断然煮物なのである。つーか、いつも作るのは煮物だ。

 

 

思えば、若い頃は煮物など大嫌いだった。

 

「いらん！こんなジジくさいもん、食えるか！」

と皿ごと押しやっていた。

 

それがいつの間にやら、好物になっているジジイの私がいる。

 

 

さて、

誰も帰ってこないし、一人晩酌を始めるか。

 

モグ

うん、いける。 

 

 

 

帰省していた娘が、我が家の食事を評して

 

「精進料理やん。」

と、言った。

 

同居の下の娘は

 

「肉ーーー！！」

と、いつも叫んでいる有様である。

 

 

あいにくだな。

今日もこんなもんだ。

 

  

と、一人で将棋を見ながら開き直った。

 

 

 

 

そのうち、

『流動食が好物だ』と言う日が来ない事を願うばかりである。

 

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