現代アート道楽の日々。

首都圏の展覧会の感想など。しばしば遠征。【不定期更新】

ハイ・エナ展とイサム・ノグチ

2004-10-03 | アート感想@関東
今日は雨の中、2つの展覧会に行ってきた。

一つ目は、『ハイ・エナジーフィールド 東京展』。この展覧会は、KPOコミッティー4人(ヤノベケンジ、五十嵐太郎、後藤繁雄、椹木野衣)が、過去のKPOアートアワード受賞者のうちから各1人の美術作家を推挙し、その4人の新作を公開するという企画。

会場となったタマダプロジェクトアートスペースは、江東区月島の倉庫を展示空間に転用したもの。写真のように入り口はまさしく倉庫。地下鉄月島駅から近く、意外とアクセスがいい。

美術作家のヤノベケンジが推挙したのは岡部俊彦。空間いっぱいに詰め込まれた機械の化け物のような彫刻は圧巻。後ろの壁には、執拗に書き込まれたドローイングが何枚も掲示してあり、圧倒的なエネルギーに目まいがしてくる。ビデオで作家本人によるパフォーマンスを観たが、完全にイっちゃってた。(汗)10月17日にもパフォーマンスをやるとのこと。

建築史・建築批評家の五十嵐太郎が推挙したのは高橋匡太。高橋は国連大学などのライトアップで有名。今回は、倉庫内の吹き抜けを暗室にし、青い光による幻想的な演出を行っていた。上層階までぶち抜かれた高い天井と、床に敷きつめられた鏡で落差のある場になっている。大阪展の作品は時間限定だったようだが、東京展では屋内作品なのでいつでも観られるはず。

編集者の後藤繁雄が推挙したのは名和晃平。約1m四方の白い正方形の中で、格子状に配列された泡がブクブクとなっている作品。泡の成長で白い色が変化していく様子がキレイ。先日観た個展でもそうだったが、名和は泡にこだわっているようだ。ただ、あまりにも整然と配置された泡はなんだか不気味。

美術評論家の椹木野衣が推挙したのは西尾康之。全長7mくらいの空母彫刻は圧巻。しかも指で作った雌型による作品なので、空母の表面すべてがモコモコしている。そのため部屋中に執念のようなものが充満しており、まさにハイ・エナジーフィールド!あと、空母の中には模型のレールが敷かれており、ときどき列車の模型(もちろん指型による)が走ってくるのには和んだ。

濃ゆい作品ばかりなので、元気のあるときに行ったほうがいいかも。10月17日まで。

二つ目は、『イサム・ノグチ、ランドスケープへの旅』。会場は銀座のメゾンエルメス 8階フォーラム。初エルメスだったけど、建物がとにかくカッコ良く、展示空間も良い雰囲気。係員の対応も丁寧でちょっとだけVIP気分♪

展覧会は、イサム・ノグチの旅を写真でつづったもので、作品自体は多くはなかった。イサム・ノグチの著書を読んでいたりすると楽しめるかも。10月17日まで。