脳死は人の死にあらず

国会解散が早まれば臓器移植法案が廃案になる恐れが出てきた。個人的な考えとしてはこのまま廃案になる事を願うものである。それは脳死は人の本当の死ではないからである。当の医学会でさえ脳死が人の死といえるかについては意見が二分化している。脳死判定についての他国の事情も同様で、医療先進国の欧米でさえ見解が対立している。科学的な根拠は後でご紹介するとして、まずはスピリチャアリズム的な立場から霊的真実を述べてみたい。


人の死とは肉体と魂を結ぶ「シルバーコード」が完全に切れ、魂が肉体から分離した時を言う。スピリチャルなことを多少かじった方ならシルバーコードのことは良くご存知だろう。しかし意外と知られていない事なのだがシルバーコードは１本ではない。肉体の各部分と魂は大小複数のシルバーコードで結ばれている。脳死とは脳自体の機能が損傷したか、脳と魂を結ぶシルバーコードが切断された状態なのだ。脳は機能していなくても霊的な意識はちゃんと機能しているのである。つまり生きているのだ。

人が死期を迎えると徐々にシルバーコードが切れていく。生前、霊的覚醒度が高い人はすんなりと短時間で全てのシルバーコードが切断される。霊的覚醒度が低かったり、この世に執着心が強い人ほどシルバーコードが切れにくい。死を目前にして苦痛を訴える人もいるが、それは肉体が死に対して反応しているだけで、魂そのものは意識が徐々に薄れ、深い眠りに着きつつあって苦痛はまったく感じていないのである。この状態は単に死を迎えるプロセスではなく、最後のカルマ解消の大切なプロセスでもある。この過程を経る事によって魂が死の眠りから覚醒した時に、自分の肉体的な死を受け入れ、複数の霊魂（家族、親族など）の迎えと共に幽界へ旅立つことが容易になるのである。

一方、戦争や事故、犯罪などによる突然死はこのシルバーコードが瞬間的に切断されることによって、死者の魂はひどいショックを受けることになる。その結果自分の死を受け入れられず自縛霊や浮遊霊になる者もいる。このショックの後遺症の回復には大変な労力が必要とされる。

脳死の状態を死と判定して生命維持装置をはずすことや臓器の摘出手術を行う事はまさに「殺人行為」なのである。さらに自然死ではないため霊的なショックを与え死者の幽界、しいては霊界へのスムーズな旅立ちを妨害する非常に重大な行為となるのだ。

では心臓や脳など全ての臓器が活動を停止し、身体が冷たくなり硬直が始まった段階が死といえるのか。実はそうでもない。肉体がそのような状態になってもシルバーコードが繋がっていれば蘇生はありえるのだ。（そのような報告例は多数ある）
完全に死を確認するには死後３日間くらいは火葬にしてはならないようだ。結論から言えば死後（医学的定義の死）間もない人からの臓器摘出は全て行ってはいけないということなのだ。

日本で最初に行われた臓器移植は1968年の「和田心臓移植事件」が有名である。この手術は正確な脳死判定も行われていなかった上に、移植された患者の心臓が従来の手術で治療できたのではないかという疑いが持たれ、刑事裁判となった。しかしレシピエントの元の心臓が数ヶ月行方不明になるなど証拠隠滅工作が行われ、最終的には嫌疑不十分で不起訴となった。この事件の主役、札幌医科大学の和田寿郎医師は自己顕示欲が強い性格の持ち主で、医学的な探究心や患者を救いたいと言う良心よりも功名心に走った不純な動機の方が強かったと私は感じている。

今回の法改正案では賛成推進派の議員達は幼い命を救うというヒューマニズムを錦の御旗にしている。しかしその中心人物には病院経営者出身や、厚生族がファミリービジネスとなった議員達の名前が見受けられる。私は彼らが本当に人として良心からの法改正賛成なのかどうか、その真意には疑いを持つ。選挙前の点数稼ぎや利益誘導が真の狙いではないかと勘ぐりたくなるのだ。

何故ならば病院経営の立場から言えば臓器移植は高額な報酬を得る事が出来る。また脳死患者のような長期間の入院患者は好ましくない患者なのだ。現在の保険制度では一定期間を過ぎると入院に対する保険報酬が大幅に減額されるからである。

さらに臓器移植が完全に認められれば、これをビジネスチャンスとして良からぬ事を考える輩が出てくる事だ。ヨーロッパのある国ではドナーと移植希望者をとり結ぶ、コーディネーターが多額の報酬を得ている事が問題になっている。またアジアの貧困地帯では臓器移植の為に子供たちが売買される（殺される）闇ルートがあることも既存の事実である。

人道的立場から言えば、臓器移植をしなければ命が危うい患者さんやご家族の苦しみには心から同情もするし、いかなる協力もしてあげたい気持は人一倍あるのだが、霊的真実を知った者としては脳死判定と臓器移植には賛成できないのである。

医療関係者には生体臓器移植に代わる別の治療法の研究開発こそが真の使命と考えていただきたいと願うものである。科学的な反対根拠については下記の記事の冒頭をご覧頂きたい。

●臓器移植法改正を考える
http://www.lifestudies.org/jp/ishokuho.htm
●臓器提供者の身体にメスを差し込むと血圧が急上昇しのた打ち回る
http://pikaia.v-net.ne.jp/notauti.html