宇宙航空研究開発機構(JAXA)は9月14日(火)、小惑星探査機「はやぶさ」のカプセル内のサンプル採集作業について説明するブリーフィングの第7回を開催した。出席者は向井利典・JAXA技術参与で、上野宗孝・JAXA/ISASミッション機器系グループ副グループ長も相模原から中継で参加した。
これまで原則毎週だったこのブリーフィングだが、今回からは隔週で開催。それでも新しいネタはそれほど多くはないのだが、今回も取材メモをそのまま貼り付ける。
ーーーーーーーーーここから
向井
前回も話したが
引き続きサンプルキャッチャーA室から
マニピュレータを使って試料をピックアップする作業を継続している
なので数は若干増えている
一方ごく小さい微粒子
光学顕微鏡やマニピュレータで扱いが難しいものについては
専門家の意見やナノテクのメーカー技術者とも相談しながら
彼らの知恵を借りて検討してきたが
ヘラに付着した状態で電子顕微鏡で直接見る方法について
前回まで「検討している」と話してきたが
だいたいやり方を決めて作業の準備をしているところ
そういう状況
今月中には準備ができて、やるところまでいくかなと
ーーーーーーーーーー
質疑応答
Q 読売新聞
電子顕微鏡で見る準備
具体的にどんな準備ができたのか
A 向井
電子顕微鏡
従来使っていた形状と違うヘラ
小さいのを作り終わった
それを洗浄している
ヘラの材質はテフロンだが
テフロンに電子ビームを当てると
チャージアップ(帯電)して
粒子がどっか飛んでいくとか
そういうことがないように
ビームの強さ等のパラメータが
ほぼ決まったと
実際にはエンジニアリングモデルを使って試験をしているが
同じことが本番でできるかどうか最初は慎重にやらないといけない
いま洗浄してヘラで回収することを始める前の段階に来ている
準備が完了したわけではない
Q B室はいつ開けられそうか
A 現在マニピュレータで光学顕微鏡で見える粒子の
回収を行っている
それが終わってから
ヘラですべてこすれるわけでもないので
そういった作業をこれからやっていくので
全てうまくいけば10月中旬くらいにB室の方に
A室をだいぶやってきたので
一通り目処が立てばB室に
Q 毎日新聞
電子顕微鏡の視野はどのくらい
A ヘラの大きさは5mm×10mm
厚みが1~2mm
Q どのくらいの作業日数がかかるのか
A ヘラを電子顕微鏡で見て
余計なものがついてないことも確認
その前に洗浄も
慎重にやるので1週間くらいかかるかもしれない
3~5日というところか
慣れれば早くなるかも
Q 電子顕微鏡でどのくらいのものまで見えるのか
A 分解能は知らないがナノメータークラスのはず
A 上野
10ナノくらいだと思う
Q 大塚
確認だが5×10mmのヘラというのは
電子顕微鏡で見るために作っているものか
A そう
Q 以前のはどのくらいの大きさ?
A もっと大きかった
何cmもあった
Q 材質は金属も検討していたと思うが、
結局テフロンになったのか
A なかなか金属は難しい
まだ可能性を捨てたわけではないが
作ったものはテフロン
アルミとは言ってもジュラルミンになる
不純物の管理まで整理しないといけないし
テフロンはもともと使おうと思っていたので
ただテフロンの場合の問題は帯電
普通はエネルギーを15kVまで加速するが
これを数kVまで落とす
そして時間も短く
それで影響がゼロということはないが
影響が少なくするようにしようと
Q 読売新聞
見た感じでイトカワのものっぽいものは
まだ見つかっていないか
A それはなかなか難しい
イトカワのものかどうか判断は
初期分析が終わってからでないと結論は出せない
明らかに人工的なものは除くが
最終的には同位体分析もしないといけない
それはキュレーション施設ではむり
断定するのは初期分析の結果が出てから
いまは感じだけで言えない
Q 電子顕微鏡にまわすものをスクリーニング
その結果で見ていこうというものがでてきているか
A 地球のものと思われるものを試しに電子顕微鏡で見たことはある
それはやはり地球のものだなと
金属粉のようなもの
一応確認してみた
それ以外のものはまだ電子顕微鏡にかけてはいない
初期分析は15%
Q 時事通信
小さい粒子を電子顕微鏡で見ると反応して
ダメージを負うことは
A 可能性はもちろんゼロではない
ただ光学顕微鏡で見えないものは
電子顕微鏡で見つけるしかない
問題はそのあとの取り扱いをどうするか
問題があったとしても電子顕微鏡で見ながら
作業するしかない
ナノテク関連の専門家・メーカーと
それについては検討中
Q 大きさの限界は、ボーダーはあるか
A いまの技術ではある
0.1ミクロン以下のものがあっても
現状ではなかなか大変
そういう状態でもヘラについたまま
しばらく保管する
何年か後にはナノテクが進んで
分析できるようになる可能性があるので
Q フリーランス青木
新しいヘラを使って効率は上がるのか
A 上げるためにやっている
回収の効率は上がるはず
一度ヘラについたものをマニピュレータで回収
それはすごく大変
直接電子顕微鏡で見れればすごく効率が上がるはず
最終的には粒子を1つ1つを扱うので
そういう意味ではいつまでも大変だが
Q 全部回収できなくてもB室にいって大丈夫?
A A室が終わったという判断は
何をもって終わったとするか
ヘラでこすって回収する作業が終わったという判断
そのあと残ってないかというと
残っている可能性は十分あるがきりがない
最後はヘラで一通りなでる
光学顕微鏡では判断できないものも
一応回収を試みる
これまで原則毎週だったこのブリーフィングだが、今回からは隔週で開催。それでも新しいネタはそれほど多くはないのだが、今回も取材メモをそのまま貼り付ける。
ーーーーーーーーーここから
向井
前回も話したが
引き続きサンプルキャッチャーA室から
マニピュレータを使って試料をピックアップする作業を継続している
なので数は若干増えている
一方ごく小さい微粒子
光学顕微鏡やマニピュレータで扱いが難しいものについては
専門家の意見やナノテクのメーカー技術者とも相談しながら
彼らの知恵を借りて検討してきたが
ヘラに付着した状態で電子顕微鏡で直接見る方法について
前回まで「検討している」と話してきたが
だいたいやり方を決めて作業の準備をしているところ
そういう状況
今月中には準備ができて、やるところまでいくかなと
ーーーーーーーーーー
質疑応答
Q 読売新聞
電子顕微鏡で見る準備
具体的にどんな準備ができたのか
A 向井
電子顕微鏡
従来使っていた形状と違うヘラ
小さいのを作り終わった
それを洗浄している
ヘラの材質はテフロンだが
テフロンに電子ビームを当てると
チャージアップ(帯電)して
粒子がどっか飛んでいくとか
そういうことがないように
ビームの強さ等のパラメータが
ほぼ決まったと
実際にはエンジニアリングモデルを使って試験をしているが
同じことが本番でできるかどうか最初は慎重にやらないといけない
いま洗浄してヘラで回収することを始める前の段階に来ている
準備が完了したわけではない
Q B室はいつ開けられそうか
A 現在マニピュレータで光学顕微鏡で見える粒子の
回収を行っている
それが終わってから
ヘラですべてこすれるわけでもないので
そういった作業をこれからやっていくので
全てうまくいけば10月中旬くらいにB室の方に
A室をだいぶやってきたので
一通り目処が立てばB室に
Q 毎日新聞
電子顕微鏡の視野はどのくらい
A ヘラの大きさは5mm×10mm
厚みが1~2mm
Q どのくらいの作業日数がかかるのか
A ヘラを電子顕微鏡で見て
余計なものがついてないことも確認
その前に洗浄も
慎重にやるので1週間くらいかかるかもしれない
3~5日というところか
慣れれば早くなるかも
Q 電子顕微鏡でどのくらいのものまで見えるのか
A 分解能は知らないがナノメータークラスのはず
A 上野
10ナノくらいだと思う
Q 大塚
確認だが5×10mmのヘラというのは
電子顕微鏡で見るために作っているものか
A そう
Q 以前のはどのくらいの大きさ?
A もっと大きかった
何cmもあった
Q 材質は金属も検討していたと思うが、
結局テフロンになったのか
A なかなか金属は難しい
まだ可能性を捨てたわけではないが
作ったものはテフロン
アルミとは言ってもジュラルミンになる
不純物の管理まで整理しないといけないし
テフロンはもともと使おうと思っていたので
ただテフロンの場合の問題は帯電
普通はエネルギーを15kVまで加速するが
これを数kVまで落とす
そして時間も短く
それで影響がゼロということはないが
影響が少なくするようにしようと
Q 読売新聞
見た感じでイトカワのものっぽいものは
まだ見つかっていないか
A それはなかなか難しい
イトカワのものかどうか判断は
初期分析が終わってからでないと結論は出せない
明らかに人工的なものは除くが
最終的には同位体分析もしないといけない
それはキュレーション施設ではむり
断定するのは初期分析の結果が出てから
いまは感じだけで言えない
Q 電子顕微鏡にまわすものをスクリーニング
その結果で見ていこうというものがでてきているか
A 地球のものと思われるものを試しに電子顕微鏡で見たことはある
それはやはり地球のものだなと
金属粉のようなもの
一応確認してみた
それ以外のものはまだ電子顕微鏡にかけてはいない
初期分析は15%
Q 時事通信
小さい粒子を電子顕微鏡で見ると反応して
ダメージを負うことは
A 可能性はもちろんゼロではない
ただ光学顕微鏡で見えないものは
電子顕微鏡で見つけるしかない
問題はそのあとの取り扱いをどうするか
問題があったとしても電子顕微鏡で見ながら
作業するしかない
ナノテク関連の専門家・メーカーと
それについては検討中
Q 大きさの限界は、ボーダーはあるか
A いまの技術ではある
0.1ミクロン以下のものがあっても
現状ではなかなか大変
そういう状態でもヘラについたまま
しばらく保管する
何年か後にはナノテクが進んで
分析できるようになる可能性があるので
Q フリーランス青木
新しいヘラを使って効率は上がるのか
A 上げるためにやっている
回収の効率は上がるはず
一度ヘラについたものをマニピュレータで回収
それはすごく大変
直接電子顕微鏡で見れればすごく効率が上がるはず
最終的には粒子を1つ1つを扱うので
そういう意味ではいつまでも大変だが
Q 全部回収できなくてもB室にいって大丈夫?
A A室が終わったという判断は
何をもって終わったとするか
ヘラでこすって回収する作業が終わったという判断
そのあと残ってないかというと
残っている可能性は十分あるがきりがない
最後はヘラで一通りなでる
光学顕微鏡では判断できないものも
一応回収を試みる