9/30(土)、奥州市衣川区の安倍舘跡遺跡に行った際、遺跡の上り口の山際に「オヤマボクチ(御山火口)」が生えていました。
オヤマボクチ(御山火口)クク科 ヤマボクチ属 Synurus pungens
山地の日当たりの良い草原や明るい林の中に自生する多年草で、高さは1~1.5mになる。赤紫色の太い茎には、葉が互生する。茎の下部の葉は長さ15~35cmのほぼ卵形で基部はハート形にへこむ。上側の葉は楕円形で小さい。
茎の上部で枝分かれし、9~10月、枝先に直径4~5cmのアザミの花に似た頭花を1つずつ下向きにつける。頭花の先は、短い糸が多数並んでいるように見えるが、これは筒状花の集合。頭花の内、丸く太った部分が総苞で、白色の綿毛が多数ある。刺状の多数の総苞片が綿毛の中から突き出ている。分布:北海道、本州(岐阜県以北)、四国
なお、春に葉を摘み取り、ヨモギと一緒に草餅に入れる地域がある。ヨモギだけの草餅より歯ごたえがよいとのこと。また、太い根を「ヤマゴボウ」として味噌漬けにして食べる地域もある。
和名の「ボクチ(火口)」は、まだマッチなどのない昔、火打石などを使って火花を出し、その火をこのオヤマボクチの葉の裏面に密生している綿毛を集めて移したことによるという。炎をとるための準備材料を「火口(ほぐち)ともいった。別名「炎取草(えんとりそう)」。
また、「オヤマ」は「御山」のことで、茅葺き屋根の材料を確保するため、昔は「御山」とか「葉場山」と呼ばれるススキの丘を大切にしていたが、その「御山」に沢山生えていたことによるという。
なお、よく似た草で、下側の葉の基部が三角状に尖るのが特徴の「ハバヤマボクチ(葉場山火口)」がある。
今年の3月で85歳の「後期高齢者」。花や木の実、特に山野草が好きで何時もデジカメを持ち歩いています。
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