フランスに揺られながら DANS LE HAMAC DE FRANCE

フランス的なものから呼び覚まされることを観察するブログ

J'OBSERVE DONC JE SUIS

国境なき記者団のための写真展

2005-06-19 09:09:12 | 展覧会

金曜の夜、受け入れてくれたMD夫妻がレストランに招待してくれた。MD の仕事の関係で奥さんの待っているレストランに1時間の遅刻。心配したが何事もなく8時半からアキテーヌ地方のワインを飲みながら、メニューの説明を聞き、アントレ、メイン、デザートのフルコースを選ぶ(今の私にはアントレで充分だといっても聞き入れてもらえなかった)。

彼は以前に日本人と働いたことがあって余り良い印象を持っていなかったようが、日本文化の繊細さ delicatesse、日本料理の素晴らしさ、街の多様性 (例えば、大変な雑踏のところでも小道を少し入ると静かで緑に溢れているところがある) などに触れ、今では当初の印象が変わってきているという。この春にご夫妻が日本を訪ねた時にホテルにあったという屏風が余りに素晴らしいので、なぜここにあるのかと不思議に思いながらも写真に収めてきたという。すぐさま彼のパソコンを取り出し、スライドショーで見せてくれた。最初に出てくるのが画面いっぱいの無数の鳥、それから戦闘場面が物語風に描かれている。確かに素晴らしい。ついでに渋谷の人だかりの音声入りビデオも出てきた。人ごみがパリとは全く違って興味を引いたようだ。

それから話題はフランス語やフランス文学、フランスの歴史、日本文学、バカンス(これは微妙な話題であった。バカンスがあるのか si、いつなのか quand、どこなのか où、どれだけなのか combien de temps がいつも問題なのだ、と不満そうであった。)などの話になり、コースの終わる10時半くらいには外がまさに crépuscule になっていた。窓の外に目をやるとルクセンブルグ公園の周りの柵に写真がライトアップされている。MD に何なのか尋ねると、そこを散策する人のために写真展をやっているという。Mme MD によると以前に見たので印象的だったのは写真集 La Terre vue du ciel が出る前にやった展覧会とのこと。レストランを出て展覧会を見に行く。「Reporters sans frontières (RSF) 創設20年を記念した20人の写真家による展覧会」 (20 photographes pour les 20 ans de Reporters sans frontières)。世界の辺境の姿や状況が悪い中での生の人間の姿が撮られている。ゆっくり歩きながら気になった写真の前で足を止める人がそれぞれの写真の前に数人いる。世界は知らないところだらけだという感慨に浸る。思いもかけない夜となった。

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