フランスに揺られながら DANS LE HAMAC DE FRANCE

フランス的なものから呼び覚まされることを観察するブログ

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マブソン青眼 「一茶とワイン」 "UN VERRE DE VIN AVEC ISSA"

2006-11-03 13:35:33 | 俳句、詩

先日、迷い込んだ新聞のサイトでこの方に出会った。フランスと俳句とのつながりに興味を覚え、紹介されていた本を読んでみることにした。

マブソン青眼 Seegan Mabesoone 著 「一茶とワイン: ふらんす流俳諧の楽しみ

青眼さんの紹介を少しだけ。本名はローラン・マブソン Laurent Mabesoone、1968年9月22日フランスに生まれる。母はイタリア人、父はベルギー人。10歳の時、ボードレールの 「悪の華」 にある 「旅への誘い」 "L'invitation au voyage" を読んで詩人になると決意する。高校生の時、遠い国に生きたいと思い、母親の言葉に従って誰も行かないところとして日本を選ぶ。宇都宮高校の図書館で芭蕉の英訳に触れ、俳人になることに。その後、パリ大学で日本文学を修めた後、旅に出る。本のタイトルにもなっているように一茶がお好みで、長野に住むことにしたという。この本にある俳文集 「青眼句日記」 からいくつか。

「朧月 郷なければ どこも旅」

「リラ冷えの パリー郊外 一人酒」

「パリーにて 星の匂ひか 花すみれ」

「結ばれて 離るる雲ぞ パリの秋」

「花の影 今年も我は 異国人」

「風船よ フランスは西 一万キロ」

「夏深し キッスの後の 古葡萄酒」

「青眼紀行」 の冒頭で、「私には故郷がない」 と言っている。彼の語る自らの人生はなぜか切なく、詩的でメランコリックな気分を呼び起こしてくれる。その気分が本文中に埋め込まれている俳句によって増幅され、ある種カタルシスに近いものを経験する。彼の中のノマドに共感を見出しているかのようである。彼については後ほどもう少し書いてみたい。

大学のホームページに彼の紹介があり、作品は "LE SAIJIKI" に詳しい。

一茶については、このブログでも取り上げています。
PHILIPPE FOREST - SARINAGARA - 小林一茶 (10 mars 2005)

(version française)


2006-11-04 マブソン青眼 - 風韻 SEEGAN MABESOONE "FU-IN"
2006-11-09 ポール・クローデルの人生 PAUL CLAUDEL SELON SEEGAN MABESOONE

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