バルガス・リョサを読んでいたせいだろうか。昨日のテレビでやっていたペルーの世界遺産、マチュピチュ Machu Picchu に見入ってしまった。どこかでは目に入っているのだろうが、意識的に見たのはこれが初めて。
アンデス山中の標高2000メートルを越えるところにある9ヘクタールに及ぶ石の空中都市。
1533年にスペイン人のフランシス・ピサロにより第13代皇帝アタワルタが処刑されるまでの500年ほど続いたインカ帝国の建造物。
太陽を神として崇めていた当時の人々の自然への、神への捧げもの。
人々の祈りの産物。
ところどころに石の段々畑 (アンデネス) が見える。トウモロコシを栽培していたところらしい。トウモロコシを乾燥し、磨り潰し、熱湯を加えて小麦粉とともに二晩発酵させて、チチャと呼ばれる酒を作るのだという。今でも作られていて飲む前に大地に数滴たらして自然への感謝を示す。
100体以上の骨を調べた文化人類学者の話では、男女比は1:1で、10‐50歳位の人から構成され、女性には出産の形跡もあるという。また骨に傷や重労働の跡はなく、武器なども見つかっていないので、争いのない穏やかで豊かな生活を営んでいたようだ。また頭蓋骨を変形させる風習の人が混じっており、ペルー南部からこの都市の建設のために来ていた人ではないかと推測している。
マチュピチュは野生のランの宝庫でもあるとのこと (400種もあるようだ)。それにしても空と雲の美しさが目に染みる。テレビでこれだけの美しさである。自然と溶け合っているこの町をこの目で見てみたくなってくる。
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(9 juillet 2007)
今晩もマチュピチュのドキュメンタリーがNHKで流れていた。今回聞いた新しい名前は、パチャクティ Pachacuti あるいはパチャクテク Pachacutec。
Tour virtual を楽しめます: MachuPicchu360.com
http://blog.goo.ne.jp/paul-ailleurs/e/329d1e6bafe0e9873754e69d342d9b2b
森有正を読まれているとのこと、私の中の記憶が蘇ってきました。彼のエッセーは学生時代によく読んでいて、いずれ外国に出て生活したいな、というぼんやりとした夢(?)を抱いていたことを思い出しました。今読み返すとおそらく違った感慨を抱くのでしょうが。私の場合、フランスに興味を持つようになってから、ものの見方が少しずつ変わってきているように思います。少し立ち止まって見るというか、意味を考えようとするというか。ひょっとすると、どこかにフランスへの願望があったのかもしれません。今やっとそこに辿り着いたようで、とにかく面白く感じています。これからもよろしくお願いいたします。