フランスに揺られながら DANS LE HAMAC DE FRANCE

フランス的なものから呼び覚まされることを観察するブログ

J'OBSERVE DONC JE SUIS

マチュピチュ MACHU PICCHU

2005-10-28 23:15:35 | 

バルガス・リョサを読んでいたせいだろうか。昨日のテレビでやっていたペルーの世界遺産、マチュピチュ Machu Picchu に見入ってしまった。どこかでは目に入っているのだろうが、意識的に見たのはこれが初めて。

アンデス山中の標高2000メートルを越えるところにある9ヘクタールに及ぶ石の空中都市。
1533年にスペイン人のフランシス・ピサロにより第13代皇帝アタワルタが処刑されるまでの500年ほど続いたインカ帝国の建造物。
太陽を神として崇めていた当時の人々の自然への、神への捧げもの。
人々の祈りの産物。

ところどころに石の段々畑 (アンデネス) が見える。トウモロコシを栽培していたところらしい。トウモロコシを乾燥し、磨り潰し、熱湯を加えて小麦粉とともに二晩発酵させて、チチャと呼ばれる酒を作るのだという。今でも作られていて飲む前に大地に数滴たらして自然への感謝を示す。

100体以上の骨を調べた文化人類学者の話では、男女比は1:1で、10‐50歳位の人から構成され、女性には出産の形跡もあるという。また骨に傷や重労働の跡はなく、武器なども見つかっていないので、争いのない穏やかで豊かな生活を営んでいたようだ。また頭蓋骨を変形させる風習の人が混じっており、ペルー南部からこの都市の建設のために来ていた人ではないかと推測している。

マチュピチュは野生のランの宝庫でもあるとのこと (400種もあるようだ)。それにしても空と雲の美しさが目に染みる。テレビでこれだけの美しさである。自然と溶け合っているこの町をこの目で見てみたくなってくる。

--------------------------------
(9 juillet 2007)
今晩もマチュピチュのドキュメンタリーがNHKで流れていた。今回聞いた新しい名前は、パチャクティ Pachacuti あるいはパチャクテク Pachacutec

Tour virtual を楽しめます: MachuPicchu360.com


コメント (6)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« バルガス・リョサ再び LA PE... | トップ | 現実の外との付き合い UNE S... »
最新の画像もっと見る

6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (さなえ)
2005-10-30 07:25:05
はじめまして。写真が気になるのですが、マチュピチュで発見されたのですか?小さくてよく分かりませんが、ギリシャのもののようにみえるのですが。光がきれいですね。
返信する
訪問ありがとうございます (paul-ailleurs)
2005-10-30 08:56:04
適当なものがなかったので、今年の夏パリに滞在した時に訪れた中世美術館にあったものを使いました。外からの光りを感じながら中世音楽のコンサートを聞いていましたが、なかなかよかったです。

http://blog.goo.ne.jp/paul-ailleurs/e/329d1e6bafe0e9873754e69d342d9b2b



返信する
Unknown (さなえ)
2005-11-01 18:32:52
最初から拝見しましたが、もう歯ぎしりしたくなるほど素晴らしい生活をなさっていますね。今、森有正のエッセー集成を読んでいるのですが、ノートルダムをはじめパリの様子がでてきて、昨年パリを訪れたときにきちんと目を開けていなかったことを後悔しているときだったので余計行きたいという気持ちが募ります。
返信する
詳しく読んでいただき、ありがとうございます (paul-ailleurs)
2005-11-01 23:07:36
さなえ様

森有正を読まれているとのこと、私の中の記憶が蘇ってきました。彼のエッセーは学生時代によく読んでいて、いずれ外国に出て生活したいな、というぼんやりとした夢(?)を抱いていたことを思い出しました。今読み返すとおそらく違った感慨を抱くのでしょうが。私の場合、フランスに興味を持つようになってから、ものの見方が少しずつ変わってきているように思います。少し立ち止まって見るというか、意味を考えようとするというか。ひょっとすると、どこかにフランスへの願望があったのかもしれません。今やっとそこに辿り着いたようで、とにかく面白く感じています。これからもよろしくお願いいたします。

返信する
Unknown (さなえ)
2005-11-04 15:14:33
こちらこそどうぞよろしくお願いします。アラーキーについては、だいぶ昔ですが奥様のデスマスクを克明に撮影した際の本(だったと思うのですが)を読んで、カメラマンの業というものを感じたことを思い出しました。数ヶ月前に土門拳記念館でもその執念に鬼気迫るものを感じました。美に囚われるというのはそういうことかもしれません。
返信する
コメントありがとうございます (paul-ailleurs)
2005-11-04 23:40:15
写真にも惹かれるところがたくさんあります。土門拳記念館の紹介ありがとうございます。機会を作って行ってみたいと思います。鳥取にある植田正治の記念館にもいずれ行ってみたいと思っていましたので、時間の調整が大変になりそうです。

返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

」カテゴリの最新記事