久しぶりにTV5を見るために、アンテナを出す。実は、半年前くらいにTV5を見るためにアンテナをベランダに取り付けたのだが、しばらくして管理人から電話が入り、美観を損ねるので外していただけないかとのこと。まさに un crime esthétique を犯しているというわけである。仕方なく外したが、どうしても見たくなる時がある。そういう時は夜だけ出して見るようになった。今のところ苦情は来ていない。
丁度作家が集まって最新作や文学についてお話をする番組が流れている。出席者は、最近の Le Point (25 août 2005) で取り上げられていたパトリック・ベッソン Patrick Besson、ジャン・ドルムソン Jean d'Ormesson など4-5人。ミシェル・ウエルベック Michel Houellebecq (「素粒子」 Les Particules élémentaires や「プラットフォーム」 Plateforme など、センセーショナルな作家) の最新作 La possibilité d'une île が話題になっている。またそれぞれの最新作についても話しているようだ。少しは読んでいると話についていけるのだが、、。
それにしてもこの手の番組が日本ではどうしてないのだろうか。アカデミー・フランセーズの会員 (ドルムソン) と言えども、自然に振舞い、他の人も彼に対して畏まったところがない。また発言が、どう表現するか難しいのだが、変に勿体をつけることもなく、突き抜けるという感じなのだ。年を重ねても変わらないところが見ていて気持ちがよい。
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Le Point (1 septembre 2005) には、素晴らしい貪欲さで (avec une superbe voracité) 本を読んで読んで 「フランス文学のエゴイスティックな辞書 (Dictionnaire égoïste de la littérature française)」 という950ページを越える本を出したシャルル・ダンツィック Charles Dantzig という人の紹介が出ていた。
その中に、「フランス、文学の国 (France, pays littéraire)」 という項があった。
「わが国では作家が生まれなかったところは50平方キロメートルもない。多すぎるのだ。だから読者のための場所がなくなる。そこからわが国の特徴が出てくる。われわれは読者のいない文学を作ったのだ。」
Il n'y a pas cinquante kilomètres carrés de notre pays qui n'aient vu naître un écrivain. C'est trop. Il ne reste plus de place pour les lecteurs. De là notre singularité : nous avons crée une littérature sans public.
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何かできることがありそうである。
(version française)