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先日、中原中也記念館で彼の詩に歌をつけている人がいることを知った
その一人が小室等
「宿酔」 と 「曇天」 を歌っている
それが心に滲みる
宿 酔
朝、鈍い日が照つてて
風がある。
千の天使が
バスケットボールする。
私は目をつむる、
かなしい酔ひだ。
もう不用になつたストーヴが
白つぽく銹びてゐる。
朝、鈍い日が照つてて
風がある。
千の天使が
バスケットボールする。
曇 天
ある朝 僕は 空の 中に、
い 旗が はためくを 見た。
はたはた それは はためいて ゐたが、
音は きこえぬ 高きが ゆゑに。
手繰り 下ろさうと 僕は したが、
綱も なければ それも 叶はず、
旗は はたはた はためく ばかり、
空の奧處 (おくが) に 舞ひ入る 如く。
かゝる 朝 (あした) を 少年の 日も、
屢々 見たりと 僕は 憶ふ。
かの時は そを 野原の 上に、
今はた 都會の 甍の 上に。
かの時 この時 時は 隔つれ、
此處と 彼處と 所は 異れ、
はたはた はたはた み空に ひとり、
いまも 渝 (かは) らぬ かの 旗よ。
小室の歌をこの際まとめて聞いてみることにした
やはり秋なのか