音曲亭ぱつら

ジャズプレイヤー金子雄生の音曲話と与太郎的日常生活におけるその傾向と対策に関する一考察

詩人 吉原幸子 ウィーク

2012年12月07日 | ライブ/イベント報告
毎月最終金曜日の夜、新宿2丁目のカフェ・ラバンデリアにて 言葉と音の一期一会の出会いを体感する船に喩えた「Poetry Boat」。
2012年のラストボヤージュは、日本三大女流詩人 吉原幸子さんの詩が登場。

そもそも、ぱつらが吉原さんの詩に出会ったのは
2011年1月27日 。新宿三丁目にある G's Barという小さなお店で行われたライブで条田瑞穂さんによる朗読「夜間飛行」と共演したのがきっかけ。
その後、「吉原幸子詩集」で読む、作者の「切なくなるほどのひたすらな一途さ」に胸をうたれ、ぱつらの「詩とジャズ」に対する思案を具体化する第一歩になったのです。

今回の朗読には、吉原幸子さんのご子息である吉原純さんと 志摩 咲さんが参加。
お二人は、前もって読み合わせをし、2週間前には新井薬師のBar Blue kidsにてリハーサルを行い、当日のプログラムを組んでいく、という時間のかかる作業をとても熱心に取り組んでくださいました。
日没(夢 あるひは)黄昏(夜間飛行)などの有名な詩を織り交ぜ、
1st set のラストには谷川俊太郎、吉原幸子共作の「たべる」を。2nd set には純さんが読む「夜間飛行」。
迎え撃つジャズ班w は アルトサックスプレイヤー 林栄一さんとぱつらです。
当日は、最近見つかったというVTRが上映されて、わたしも初めて「動く」吉原幸子さんを見られました。
とてもいいライブだった!
各々が、高い意識の中で創っていけた。
奇しくも11/28は吉原幸子さんの没後10年の命日。あの会場にいらして、聞いてくれていたように思えます。
私にとって、忘れられないライブになりました。

翌日。
12/1「吉原幸子全詩」2冊が没後10年を記念して復刊。
加えて後期の詩集4冊をまとめた「吉原幸子全詩 III」発売を記念して「吉原幸子全詩出版記念パーティー」出席。



会場は、出版業界御用達?のアルカディア市ヶ谷。
ま~ たくさんの人で、大広間の会場はいっぱい。
開会と閉会には詩人の新川和江さんと新藤涼子さん、またたくさんの方が挨拶をされ
吉原幸子さん本人の朗読(CD)「蠟燭」に合わせ、ギターの中村ヨシミツさんと ダンサー山田奈々子さんが即興の舞台を披露された。
最後に、純さんが挨拶のなかで、幸子さんが息子 純さんをうたった詩「Jに」を朗読
ああ、愛されていたんだなあ、と思う。
どっちが、ということではなく。まわりのひとたちにも。これからも。
すべてが詩のなかにいきつづける。
わたしにとっても、とても大切なものとして。




もう一度、記載しておきます。

吉原幸子(よしはらさちこ)
詩人。1932-2002 東京生まれ。
1956年大学卒業後、初期の劇団四季に入団。「愛の條件」で主役を演じるも半年後に退団。
1964年、第一詩集「幼年連祷」を発表。翌年の室生犀星賞を受賞。
1974年「オンディーヌ」「昼顔」で高見順賞受賞、この頃より白石かずこや諏訪優らと共に、詩の朗読とJAZZのセッションなどに参加する。
1995年「発光」で萩原朔太郎賞を受賞。
2002年11月、肺炎のため死去。
2012年、没後十年を記念して「吉原幸子全詩」全三巻を思潮社より刊行。
Facebookページ
http://www.facebook.com/SachikoYoshihara1932



コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« POETRY BOAT 第九夜 詳細 | トップ | 今年の締めくくりライブです。 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿