音曲亭ぱつら

ジャズプレイヤー金子雄生の音曲話と与太郎的日常生活におけるその傾向と対策に関する一考察

お知らせ

2013年4月よりライブ・スケジュールは 金子雄生~Patsura’s Web~にてお知らせいたします。 http://yuseikaneko.jimdo.com/schedule/

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六島リポート その6

2016年04月26日 | ライブ/イベント報告
ワークショップ当日の朝。

よく寝た。よく寝られた。

うれしいうれしい。

鼻のつまりなどはまだあるけど、カラダがずいぶん軽い。うれしいうれしい。

気分良く目覚めてすぐ準備にはいる。

調子良くなった、と油断はならぬ。今日一日あのストーブ一台しかない部屋に居るのだから。

ヒートテックの下着の上に持って来た服を重ね着し、Gパンの下にも薄いスェットを履いた。

モコモコぱつらの出来上がり。


8:00

颯爽と、モコモコ出発。

会場の島小屋に着くと、もう三友さんは 島の小学生達との共同製作した「行灯」をセッティングしていた。

透明のセロファン(だったっけ?)に彼らが書いた魚やカニ、島に咲く水仙などが天井や壁に大きく映し出されていく。

最初、広間で映していたが、奥の部屋(住中浩史/SUMINAKA Hiroshiさんの流木などを用いた 空間アートというのだろうか、部屋自体がアート作品)でセットして

ここが今日の締めくくりの舞台になる事になった。すべての作品が一部屋に揃うわけだ。かっこいい。



会場で軽い朝食を一緒に食べて、そうこうしているうちに 続々と関係者が到着。にぎやかになってくる。

六島小学校の校長先生や NPO法人ハートリンクのタノさん、岡山県からも副参事がみえて、ぱつら平伏す。

そして、小学生児童6人。

最初はちょっと緊張の面持ちだったけど、すこしづつほぐれていったかな。


「初めまして」のあいさつ

島の小学生たち、何と6人とも同じ名字。全員兄弟?あ、2家族なの?


冗談を交えつつ話をしながら

WS スタート!!  

アフリカの楽器「カリンバ」の説明からはじまって

それがオルゴールの原型であること

島でよく見るブイを使うこと

みんなのオリジナル楽器だということ


などなど。





彼らの手がどんどん動く。

うごくうごく。









みんな口数は少ないけど、ちゃんと意思表示をしてくれるのでとてもスムーズ。


昼前には鍵盤を取り付ける板の部分はほぼ完成しちゃったんじゃないかな。

もちろん、時間短縮のために キットを用意して来たんだけど

カリンバという楽器の特性上、それに、天然素材の竹を使用しているため

市販されているもののようにシステマチックにはいかない。

ひと苦労はあるのだ。


〜〜

お昼。


ひとまず休憩。みんなで一緒に食べるのは、やっぱりカレーライスでしょ。「六島カレー」



〜〜




午後。




鍵盤板を太めの麻紐でブイに括り付け。



完成した楽器で演奏準備だ!!





そのころ

島の人たちもチラホラ覗きに来たり、だいぶ賑やかになってきて

そうそう、ブイをカッコ良く切って  オブジェ作ったり プランター作って島のあちこちに花を植えてる ブイアーティスト(っていうのかな)のお方も来てくれて

手が離せないワタシのかわりにブイを切る作業を、三友さんと一緒にやってくれて

知らないあいだに、浜辺に落ちてる 波にもまれて丸くなった石や瓦で 作った石琴が出来上がってたりするwww (写真の中のぱつらの前にあるヤツ)




さあ、楽器を鳴らすことからはじめる。

指で竹の鍵盤をつま弾いてみる。

みんなそれぞれ違う音がする。まだ個性ではないけど。

鍵盤を短くすると高い音になる。

長くすると低くなる。

この長さだとあんまりいい音がしない、とか ここが一番いい音だとか




「アフリカにピグミー(族)という人たちがいてね。」

その人たちもカリンバをたくさんの人たちで演奏する時があって。80人くらい。

その時、全員でチューニングをするそうだよ。ずーっと長い時間をかけて。

聞くとね、8時間くらいやってるんだって。それでね、ずうっとやってるとね、次第に音が合ってきて

80人のカリンバが凄い音になるんだって。


竹の鍵盤をみんなでいじりながら そういう話をした。

ピグミー族の「次第に合ってくる」それは

決して全員が「ド」や「ドミソ」に合うわけではなく

倍音や森の中の反響、鳥や動物達の鳴き声、人の声、生活の音、すべてが合わさっていくのだろう。


ワタシだってそれを体験していないけど、たかだか、CDで聞いただけだけど。実際聴いてみたら、と想像するだけで リッチなキモチになる。

そういう事を感じてくれるだろうか。。と思いながらみんなの顔を見渡すと

「へえ〜」という顔をしたりする子もいたし、年上の子は目を輝かせて聞いていた子もいた。うん。うん。


ポリリズムの話を少し。

それぞれ違うリズムが 合わさって また違ったリズムが生まれる。

ほんの少しやってみる。

こっち三人はこういうリズム。

こっち側の子はこういうの。

お互いに引きずられるねw

いいよ。今日はうまく出来る事が目的じゃないから。こういうのもあるんだよ。と。



さあ、君たちの楽器の鍵盤の ひとつだけ音をあわせよう。鍵盤の場所はどこでもいいよ。

といってワタシが一音を提示する。

みんなピンピンやってる。

倍音が大きくなる子もいるし、それぞれだ。

楽器に個性が出てきたぞ!


ひとつだけルールをつくろう。

1,2,3,4の1だけ、この合わせた音を弾く。それだけ。

あとは、どの音を弾いてもいい。

残りの鍵盤も、ムリにドレミにしなくていい。





時間はあっという間に過ぎる。

気がつくと島の人が集まっていて、自分の倅や孫が出ているかのような顔をして見物してる。

この子達は、島中の人たちの子なのだろう。


16:00から発表会

さっき作って出来上がった楽器で発表会もあるもんかW

そうはいってもやらねばならぬ。

ただ、みんなのつくった楽器が とてもよく出来ていたので

思い切って切り出してみた。


「まず、ひとりずつソロ」

一同、「え。」


そりゃあそうだよな。ビックリするわな。

だけどさー、なんだろなー、やっちゃうんだよなーこの子たち。

「まず、やってみてよ。君からね、はい。」

手をぱん、とたたいてスタートさせてしまうと

たどたどしい手つきだけども、さっき初めて手にした楽器だとは思えない。

ちゃんと物語があるよう。に きこえる。

「はい、君」

「はい、君」

みんなそうだ。それに、前の子のやっていた事をまねようとしない。たいしたもんだ。びっくりした。


それとね、東京から持って来た、例の、スーパーボールを先端につけたマレット(バチ)ね。

「こういうので鍵盤叩いたっていいんだよ。」と言って渡すと、叩いて確かめて、そして「指で弾く」と言って返してきた。

これがWSだよね。ちゃんと自分で試してから、自ら選択する。



会場に入る。

すでに住中さんの作品のなか、ライトを抑え、三友さんとの共同製作の行灯から 彼らの作品である真っ赤な鯛や、なぜか緑の蟹、灯台の絵などが浮かんでいる。



















まるで、海のなかか異空間を彷徨っているよう。

演奏する位置を決める。

夫々の作品が浮かんでいる行灯の前に。











少し緊張してるかな?

カネコさんからのアドバイスは「ビビるな」w

ワタシも演奏に加わるため、厚着していた服を一枚脱ぎw モコモコがモコぐらいに。



お客様へのあいさつのあとさっそく演奏開始!


オープニングは各自のソロ。

ワタシがトップバッター。みんなが指で弾くからワタシはスーパーボールのマレットで。

各自のソロがバッチリ決まって

さっきの、一拍めだけ音を合わせるヤツをメイン曲にして 演奏する。

凄いじゃないか。

ホントに簡単な事をやってるだけなのに

響きは、この異空間の中に溶け込んでいた。

ワタシはすこしサポートして、ラッパで音楽に色をつけるでだけ。

でもメロディなんていらなかったかもしれない。






「こんなもんで音なんか鳴るのかと思ってた。でもいい音だったよ。」

「みんな違う音なんでビックリしたよ。」

来てくれた皆さんが、いろいろなことばで彼らを褒め称えた。


解放されたか、みんなの口数も増えた。

そりゃそうだよなあ。

そして「楽しかった」と。

うれしかったなあ。




「最近の子供向けの工作おもちゃとか、作業工程が少ないデザインが多いんですよ。簡単でカッコ良くできる。どうやったら上手く出来るかなあ…って考える部分が少なくて、上手くできるのが当たり前、そういうもの、みたいな。そのせいか、上手くできないってことに我慢もできないとかね(笑)。これはこういう風にするもの。もうちっと難しい方がいいんじゃないかなあ?何でも。」

幼稚園児に関わる仕事をしている友人が ワタシにこういいました。もっともな意見だとおもう。

その一因の、結果を求められる故に、ということ。しかも時間内にやらなければならない故に、ということの、ひとつの解決策なのだろう。
考えて悩む時間を少なく、スムーズに作業が進むデザインがなされてる。それは今の体験学習には欠かせない要素だと思う。

では、その考えて悩む事はアフターワークショップに出来ないだろうか?と考える。
WSに関わった人の目は一旦離れてしまうが、どこかでケア出来るようになってればいいなあ。

今回のWSもとても時間が短くて、いろいろ省くことがあったけれど

いろいろと有意義な時間だったと思う。

楽器を作ること以外、いろいろ感じることもあっただろうし

いつだったか、こんなことやったなあ、という記憶。それだけでもいいんじゃないかな、とも思ってる。

友人が言ったように、もっと悩む時間、考える時間をつくってあげたかったけどね。胸に刻んでおく。





その後、大人達の時間であるwww



ワタシ達一行は、片付けやら、アジトでの用事やら、

あ、そうそう、あんまり美味しかったので ひじきをね、買いにいったんだ。

それから、港でワカメをすくって、それを夕食時にしゃぶしゃぶに!という贅沢。

小屋に帰ってさっそく、と帰ったら、島の大人達がすでに出来上がっていたw

という話はまた今度。










宿に帰る道すがら、見上げた夜空には月。


その月明かりで海を照らしていた。


















3/13

帰りのフェリーが出る前に島小屋に戻り 風邪でズルズルのまま 道具をまとめて帰り支度をする。

とうとう風邪は一向に治らなかった。

インターン生を交えた最後の朝食。

昨日の大人の宴でw ストーブの灯油が切れてしまったという。真冬じゃないので凍死することはないと思うが、がんばって生き延びてくれ。


さてさて、と思っているところに 子供達が勢揃い。

何事か?と思っていると、作った楽器の盤面に絵を描いて 今度見せてくれといって 昨日のうちに 組み立てた楽器をばらしておいたのだが、

早速これから描くのだと言う。



そりゃあいい。


「絵を描いたあと、今度は自分たちで組み立てられる?」と聞くと

一番上のお姉ちゃんがはにかんで「わかんない」と答えた。


うん。みんなで悩んで組み立ててくれ。

気が向いたら、なんか弾いてみるといいよ。

よかった、考えて悩むことが残っていた。




フェリーの出る時間だ。

みんな総出で見送ってくれるという。


じゃあね。元気でね。


また会おう。


防波堤でみえなくなるまで手を振って


ありがとうありがとう。













  おわり






































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六島リポート その5

2016年04月23日 | ライブ/イベント報告
3/11

六島初上陸!

である。

船着き場に降りると、入れ替わるように船に乗る若者が一名。みんなに見送られて、そう、アレだ。

紙テープを持っての定番お別れのシーン。をを。ぱつらもどさくさに紛れて手を振る。

「元気でなぁ〜。手紙書けよぉ〜」

防波堤の向こうに船がいってしまって、見送りの人たちもそれぞれ帰っていく。

「んで、今のひと 島の人?若い人いるじゃん」

聞くところによると、六島まちづくり協議会があり、地域に密着したインターンシップ制度を採用し、毎年 大学生数人がインターンとしてやってくるらしい。

そのひとりが今日、帰っていったのだとか。

残り2名のインターン生とも合流、明日の我々のWSも手伝ってくれるという。そりゃ大歓迎だ。



静かな波の音と、向こうの方で鳴いている鳥の声、おなかを空かせてる割には太ってる野良猫達はこちらを向いて鳴いてる。



他に何の音が必要だ?といわんばかりに、静かだ。それだけでカラダが休まる。カラダの疲れは耳からもくるんだ。


まず、我らが向かったのは かつての六島の教員住宅を「六島光器製作所」という仮想のカメラ会社に見立てた 三友さんのアジトだ。



玄関先には、ブイやタコ壷で作ったカメラが海に向かっている。この建物のなかで
三友さんの作品達が展示してある。

二階の一室に入ると、一瞬 暗室か?と思うほど暗くされているが
部屋一面に六島の風景が上下サカサマに映し出されている。

なるほど、この部屋自体がカメラなのだ。

「覗く」という行為は、その覗いた先にある何かにそれはそれは大きな期待と興味と、その、なにがしかをもって、生唾のんで行うもんで、なかなか魅惑のせかいです。

カメラでも双眼鏡でも、人のうちの塀の木の節穴でも、そうそう、障子に指で穴あけて、なんていうのもそうですな。

小さい穴から何かを見る、覗くと、なんかまた違った風景になるんですね。

ああ、カメラは最近、ファインダー覗きませんがどうですか?アナログの頃と比べて写真、変わりました?



ワタシが東京から送った材料もここに到着していた。

それを持って、インターン生の案内で、明日の会場になる「島小屋」へひと足先に移動する。




ここ。島小屋。


準備だ。

東京からの荷物を開けて、作業に入る。

が、ささ寒い。この日はホントに寒かった。インターン生がだるまストーブをつけてくれる。

明日は、何せ時間がない。子供達が出来ないような作業は あらかじめやっておいたほうがスムーズだ。

板の穴あけ、ブイを切る作業などで オガクズやポリエチレンのカスだらけになりながドザギョウバダイベンダ。。いかん、風邪薬が切れでぎだ。

ジュンコさんが淹れてくれたコーヒーが沁みますなあ。味わかんないけど。


一通りの作業が終わって


簡単な夕飯をいただく。ここで出されたひじきはビックリですよ!みなさん!

こりこりの食感で 潮の香りと何ともいえない瑞々しさ。こりゃうまい!とパクパクいきました。


明日の段取りを頭に浮かべ、うん、とうなずく。

向こうでは三友さんも別な作業を終え、じゃあ今夜泊めていただくとこに向かいますか、と。


向かう先は急勾配の坂の上にある。ひぃ〜と悲鳴をあげそうになるが


上を見渡すと東京では見られない満天の星たち。     だったかな。

いや、見てないな。だって曇りだったもの。 悲鳴あげながら急な坂道歩いたんだ。


そんなだったけど、宿泊先では、あったかい部屋と布団、あったかいお風呂。

ホントにありがたかった。

カラダを休めて、明日に備えよう。

明日は本番なり。



枕に頭をおく前に寝たように思う。





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六島リポート その4

2016年04月18日 | ライブ/イベント報告
風邪というのは、「あ、しまった。」という ホンの一瞬の出来事のように思う。

もちろん、潜伏期間やらというのがあるんだろうが その一瞬の隙をついて表舞台に躍り出てきやがる。

六島行きを控えた一週間前

ワタシは舞踏家さんとの仕事のため、夕方から会場入り。

2月、3月は レコーディングの準備をするつもりで 時間には余裕を持っていたはずがなんだかんだで詰め詰め状態。

それに ライブで使う譜面の用意や、このWSで使う材料などをそろえたり、と準備もある。

とまあ、疲労もあったんだろうが、初共演の舞踏家さんのユリカさんは、まーお若いわ お綺麗だわ、舞台度胸も満点だわ、まーステキ。

そのせいか(?)、本番前のリハーサルを終えて 変なテンションのぱつらは この寒いのにTシャツ一枚でウロウロするという奇行にでた。

会場がオープンされる直前、背筋にフッと寒気が走る。「あ、しまった。」

今回の「あ、しまった。」はここだった。 そーかー、ここかー。


うんうん。まあね、喉いたいけど、ほら、蜂蜜とショウガのアレでね、なんてことないし、、気にならない程度にからだの節々痛いけどね、ちょっと寝てね、うんうん。 とりあえず岡山行くし、一応 行きつけのお医者さんとこ行ってきますかね。ね。

といっても抗生物質を飲むと ここ数年、アレルギー反応が出てしまうので処方されない。

症状は喉痛から鼻水鼻づまりまで加わり、もう口笛吹いて気がつかないフリしてもだめだ。

「風邪様、申し訳ございません。もう生意気なことは致しません」敗北宣言だ。

ひたすら謝って、六島行き当日までに症状が治まることを祈るのみ。

ズルズルで鼻づまりの武田鉄也状態で WSの材料を揃えて一足先に六島に送った。

あとはこの身体がどうにか着けばよい。たとえタンカで運ばれてでも、だ。

ミュジシャンは必ずそこに行かなくてはならない。

〜〜〜〜〜〜〜〜・・・・・〜〜〜〜〜〜〜〜〜・・・・・・〜〜〜〜〜〜〜〜〜




3月11日

前日、前々日と お弟子さんのレッスンやらスタンダード・ライブやらをどうにか切り抜け。。

なんせ、鼻から息が吸えないもんだから、ラッパ吹くにも疲労困憊。自業自得もいいとこだ。ラッパ吹きの諸君、風邪は禁物じゃ。

さあ、ヘロヘロのまま出発だ。一向に治らなかったので 市販薬でも強く効くヤツを選んでもらい購入。もう処方薬でも売薬でもなんでもきやがれ。

11:10 東京発のぞみ27号はヘロヘロのヘタレミュジシャンを乗せて岡山へ向かう。

車中、売店で買った小説や漫画やシュウカンブンシュンには目もくれず、ひたすら目をつむる。


「此ノ者、岡山六島ニ於テ子供等トノ楽器共同製作ノ大義仰セツカリシ者ナレド、事前 風邪ノ病に冒スル等 楽師ニアルマジキ者ニテ候 実ニ恥ズカシキ仕儀成リ 依ッテ楽師道不覚悟ニヨリ斬首後、京都三条河原ニテ晒首ニ処スベク候」


妄想がよぎる。いかんいかん。少しでも寝て回復せねば。ワタシひとりの仕事ではないのだ。


とにかく、疲労がピークだったのだろう。売薬も効いたか ホンの少しでも寝られる。

16:27 あっという間に岡山に到着。

その5分後に出発する山陽本線はぱつらがトイレに行ってる間に出発してしまい、次の電車で向かうことになるが

笠岡駅で待ち合わせの三友さんに一時間間違えて到着時間を伝えてしまい、大いに焦らせる。笠岡港から出るフェリーの最終便に間に合わない時間を知らせてしまったのだw


ともあれ、笠岡駅到着。なんだか春日部の駅に似てるな、という白痴的な感想ですみません。

無事に三友さんとジュンコさんと合流。

美味しいコーヒーを飲みながら(味はわからないけど) 少々雑談しながら これからの段取りを、したっけな。


さて、行きますか。とスーパーマーケットで 島での食料を調達。


六島には宿泊施設はなく、アートブリッジで滞在するアーティストは自炊をして過ごすため。


買出しを終え、向かったところが

「各島行連絡船のりば 三洋汽船」 ここで乗船券を購入。

三友さんが窓の外を指す。「ごらんあれが竜飛岬 北のはずれと〜♫」(石川さゆり)とは言わない。

乗り場の一番遠くに小さな船がとまっている。あれに乗るという。

遠くだから余計に小さく見えて思わず「漁船かよ」と口走ってしまった。失礼。

船まで歩いて近づくと、当然船体が大きくなっていく。が、やっぱり小さい。

なるほど、それぞれの島に停船せねばならん定期船はこれくらいの小型船の方が小回りがきいていいのかもしれないな。

船に乗り込むと、以前から交流のある三友さんはすぐさま 乗り合わせた島の知人と話をしている。

明日のWSに参加予定の小学一年生の女の子もいる。



笠岡諸島は本州から近い順に 高島、白石島、北木島、真鍋島、飛島、六島の6つの島からなる。

六島は最南端の島。人口約70人 島の周囲は約4kmと聞いた。

そこで暮らす人々と、ほんの僅かな時間だけど関わりあうこと。

島の子供達とともに楽器を作って 音を出してみるという事。


Positive Vibration


その小さな船は一時間後、六島に到着した。


「はは。来ちゃった。六島」

と鼻声で言った。


















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六島リポート その3

2016年04月11日 | ライブ/イベント報告
「よし、決めた!」

ブイそのものが鳴らなかったからと 落ち込んではいられない。

アフリカ音楽と出会ってからの長い間に、ぱつらだっていろいろと楽器をつくって来た。

そう。アフリカ音楽から「楽器をつくる」ということを教わった。

それは、人間のおおらかさと知恵と生活の匂いに満ちたアイディアにあふれていて、おおきな包容力を持ったその音を

ワタシは自分の音楽の中にしみ込ませてきた。


この際だからとか、今までやったことのないとか、付け焼き刃のような余計なことは考えるのは止そう。

今まで数多く作って来たカリンバを応用して製作することに決めた。


そうココロが決まったら身も軽くなって

すぐにサンプルのつもりで作った楽器が決定的にいい音になって生まれた。



ブイリンバ(仮名)完成。

まん丸いアフリカのひょうたんを思い浮かべて
「ブイで楽器作ってもおもしろいね」と口走った通り。

製作したのは鍵盤を取り付ける面だけ。
これを麻ひもで平らに切った共鳴胴の役割のブイにとりつける。
球の形をしているのでよく響く。

深〜い音がする。

なんか、海の中にいるような感じで

今回の島の企画にぴったりの音のように感じる。
















そして、もう一押し。

小型のセセを鍵盤板の上部に取り付ける。(リンクを拝借)

シャカシャカというノイズ効果。これによってまた別世界が生まれる。 


よし。


これで、あらかじめ人数分の板や鍵盤となる竹、針金などの部品をそろえておけばいい。


ワークショップの日程も、本番は3/12の一日だけと決まった。

うん。これなら製作にそう時間がかからないし、練習する時間も作れるだろう。




その夜。

自宅で、今日仕上がった楽器を指でつま弾いている時ふと、思い立って

棒の先に輪ゴムをぐるぐる巻きにして

マレットの代わりにして、普段指ではじく鍵盤を軽く叩いてみた。

ゴムのクッションでそれは弾み、ドラマーが細かくロールを刻むがごとく鍵盤の上で踊った。

それは、決して指では弾くことが出来ない、細かいニュアンスで響いてきた。

鍵盤面の板 上部に取り付けた小さなセセの近くを叩くと、細かい金属音と相まって

それはスネアドラムの響きに近く、音のバリエーションが豊かになった。



大げさに言ってしまえば、ピアノの鍵盤をなにがしかの棒でひっぱたくようなものかもしれないな、と言うキモチがした。

それでも、いま出た音が新鮮に響いたなら、きっとアフリカの人たちもそれを受け入れるだろう、と思った。

トラディショナルというのは、ずっと時の流れの中にあるのだ。


ワタシは、ずっとそれを乗り越えきれないでいたような気がする。

楽器だけでなく、音楽に対しても、きっとそうだ。

アタマでわかったふうでいても、何かでアタマを自ら押さえつけていた。気がする。

それを言葉にするのは、いまのワタシにはとても難しいけれど

目の前が、フワッと広がった感覚。

あの、輪ゴムを巻いたマレットを鍵盤の上に降ろした瞬間に。



翌日、マレットの先に巻いた輪ゴムを外して、代わりに適度な大きさのスーパーボールを取り付けた。

一層、安定した音になり、この楽器の持つ響きに魅せられて、深夜までずう〜っと弾いていた。



満を持して、六島へ。







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六島リポート その2

2016年04月07日 | ライブ/イベント報告

それからが。とってもぐるんぐるん。

「じゃあ、ブイをひとつ、私が持っているものを差し上げますよ。近々このギャラリーに持ってきますので。」

というおはなしから早速、ギャラリーのサトーさんから連絡がきた。早速。

「ブイをお預かりしています。」

あっという間にブイが我が家に来た訳だが

この時点では、いろんな角度から眺めてみたり、転がしてみたり、叩いてみたりといろいろやってみるはしたものの

まだ自分の誤算には気づかない。

気づかないし、何にも考えていない。こんなに急にオファーが来るとは思ってなかったんだもん。

これがどんな楽器になりますかねええ。。なんてのん気にしてたんですな。


1月の後半。

「15年度の最後の企画として六島に行きませんか?」という三友さんからの連絡。

浅草橋のギャラリーで待ち合わせ、近所の喫茶店で話を聞く。

六島リポート その1でもお話しした笠岡諸島のアートブリッジの企画を伺って、ぱつら、燃える。

これがいかんのだ。

確かにミュジシャンには旅がつきもので、演奏ならばどこでも行く。

ヨーロッパのどこそこで演奏しませんか?と言われれば「いきますいきます」と旅の準備をし

ニジェール川をさかのぼりませんか?と誰かが言えば「さかのぼりますさかのぼります」と黄熱病の予防注射を打ちにいく。

それはそうなんだけど。今回はちょと事情がちがって

島の小学生と一緒に楽器をつくってそれを練習して、発表会で演奏する。しかも期間は長くても二日間。

何をやり、どのように準備するのか?

考えだした途端、これは大変なお仕事なのではないか?と焦りだす。

「六島に行きませんか?」と聞かれて「いきますいきます」と答える瞬発力はいつものことながら

少し検討する、ということもそろそろ覚えたほうがいいぞ、いい大人なんだからw

が、スタートダッシュしてしまったんだからヤルしかないのだ。

ブイってあれだけ固いんだから、スリット入れるだけでドラムになるよねー、落ち着かない目線で独り言を言ってみる。

「そうそう、小学生の目の前で、ブイにジクソーで切れ目を入れただけで、あ〜ら不思議。スリットドラムの出来上がり〜ってすごくかっこいいじゃないか。

それを海の近くに放置しておくだけで、なんか、アートっぽくね?」

時間に追われたヘタレミュジシャンが考えた逃げ腰案など誰が賛成するものか。それに、

そろそろ、ブイに対する誤算を現実に突きつけられ、ぱつらを追い込むことになる。



んじゃあ、テストケースでいっちょう、つくってみましょうかねえ。

と鼻歌まじりに始めたブイ・スリットドラムつくり。

昨夜のうちにあらかじめ スリットのデザインは ブイにマジックで書いてある。

その線に沿ってジクソーの刃をあてて切っていけばいいのだ。楽勝だ。

切っていくその刃は軽快にブイを切っていく

「?」

やがて、スリットが一枚の舌の形に切れたときに不安がよぎった。

「??」

綺麗な球の形がその舌のところだけ落ち込んでいる。

そういうもんかな。と刃を走らせて、デザイン通りの切り終えて

ヤスリで切り口を一通り整えて、ひと呼吸しながら

ドラムのバチ、金属の箸、アタマにゴムを巻いたものなど、いろいろなスティックで叩いてみた。

叩く前から予感がしていた通り、

鳴らない。

ボヨン、ボヨン。というだけ。どうしてもダメ。




《名》三次元空間で、一定点からの距離が等しい点の軌跡で囲まれた部分。


あらためて、球の強さを思い知った。ようなキモチ。


ポリエチレンは柔らかく、それを球に形成することであんなにも固くなるのだ。


しまった。甘かった。



そんな中、三友さんから連絡が入る。

「おはようございます!日程ですが、3/5,6 か 3/11,12でWS いかがでしょうか?」



さぁて、どうすっかなあ。



東京は北風が吹いていた。







 




















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