ターコイズ別館・読書録

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55 東大式麻雀勝つ打ち方 井出洋介

2008-08-15 18:25:54 | あ行
 池田書店。副題、実践譜が明かすツキを呼ぶ勝ちパターン。
 すべて実践譜をもとに解説しているのが売り。
 極論すれば、「基本はタンピン」「困ったときの三色」「手がわりがあればヤミテン」「シャンポン・ペンチャンの悪形で待たない」ということなのであろう。
 カバー裏の、”「しっかりとした考えに基づいた打ち方」を身につけ、コンスタントに良い結果を導くために、ぜひとも本書をお役立てください。”という文が地味だけれどいい。坂本水津哉氏のイラストも内容にマッチしているし、かわいい(そう思ったら、幼児関係の著作が多いそうだ)。

54 日本史に見る女の愛と生き方 永井路子

2008-08-15 18:09:27 | な行
 新潮文庫。
 近年の静かな日本史ブームにありそうな本だが、実は昭和58年発行である。
 まずは小野小町、お市の方、と、とっつきやすい美女の話から始め、賢女、愚妻、強女、幻女、傑女、艶女、妖女と話を進めていく。
 そもそも日本史というものは、小学校高学年から学んでいくものだが、女絡みのところはあまり触れられない。というか、どうしても情交がからむので、変な方向に興味のある高校生が「道鏡ってさあ」とにやにやして語ったりするのだ。えへん。
 著者のスタンスははっきりしている。貴賤にかかわらず、努力し、自分の道を定めた女をたたえる。意志がなく、成り行き任せの女には容赦がない。前者はお市であり、滝沢馬琴の息子の嫁おみちであり、後者は建礼門院徳子であり、秀忠の娘、千姫である。
 また紫式部と清少納言への人物評もおもしろい。

53 ドンナ・アンナ 島田雅彦

2008-08-15 17:48:04 | さ行
 新潮文庫。
 天才となんとかは紙一重というが、人間の狂気がよく描かれた快作。
 頭のいい人が勝手に走り始めるとこんなふうになってしまうのだなあ、妙に感心。また作者のオペラ知識にシャッポを脱ぐ。
 また清水良典氏の解説がすばらしい。著者の文体の魅力を項目別にわかりやすく説いている。
 他に「観光客」「聖アカヒト伝」「ある解剖学者の話」の3編。