複合汚染 (新潮文庫)有吉 佐和子新潮社このアイテムの詳細を見る |
この本は本当にお勧め!
というか是非一度読んでいただきたいです。
有名な本なので知っている人も多いかもしれませんが(笑)
作家・有吉佐和子は約30年前にこの本を書きました。
有吉佐和子と言えば「華岡青洲の妻」や「恍惚の人」,玉三郎が歌舞伎座まで持ってきた「ふるあめりかに袖はぬらさじ」など素晴らしい作品がたくさんありますね。
複合汚染は当時新聞に連載されたものですが,大きな反響を呼びます。
メーカーや学者,政府の反論にも負けず,一小説家が書き上げました。
作家は専門的なことについては素人ですから,自ら現地へ,専門家の下へ向かい
ルポをし,書き上げていますから一般の人にも受け入れられたのでしょう。
利益優先,外交の圧力によって政府にも見捨てられ,犠牲にされてきた国民の健康。農業の破綻。
農薬
添加物
排気ガス
洗剤
コンパニオンプランツや自然農法
家畜の汚染
など様々なことについて,よくまとめたなぁと感心するばかりです。
農薬など国の基準値が決められていますが,長く摂取していて
更に複合的に他の化学物質を摂取するとどうなるか誰にもわかりません。
利益にならないので調べる方も消極的なようですが,
少し研究した結果によると複合して摂るとその何倍もの毒性が出るそうですよ・・・
ちなみに農薬・添加物・洗剤からシャンプーまでいろいろな化学物質はこの小説が書かれた時代で1日80種類くらい摂取してるそうです。
全ての化学物質の組み合わせを調べるには50年もかかるそうですからその頃にはもう病院送りか死亡か。
だいたい異常が出るのは3代かかるといわれています。
動物はもう異常が出ています。
家畜だけでなく,犬猫も子供が生まれなくなったり,生まれても異常だったり。
人間は寿命が長いのでまだまだ気づかないだけです。
といっても人間も奇形の子供は倍増してるそうです。
死産になるので,目に見える数字に出ないだけ。
アレルギーの子供も3人に1人。
外国の研究者は日本人の様子を見ているそうです。
日本は汚染先進国だからと・・・
更に食物連鎖による濃縮。
マグロは水銀が多いから妊婦は食べないようにというのは有名ですが,
農薬のかかった飼料,草を食べ,抗生物質やホルモン剤を打った家畜や養殖魚はどんどん有害物質を溜め込んでいきます。
糞は肥料にする以上に余り,土地を汚染,河川を汚染,洗剤や農薬も同じように汚染し複合して蓄積。
それらは海や川から水に溶け込み農作物,魚からまた人間の口へとどんどん濃度を増していきます。
菜食だと体調がよくなるのは,農薬がかかっていてもお米や野菜を食べる方が食物連鎖の低いものが多いというのが大きいですね。
食物繊維は排泄をうながしますから毒出し効果もあります。
肉には食物繊維はありませんからね。長く体内にとどまる=体内で腐敗=有害物質の発生ということになります。
最後の食物連鎖は人間の口ですし・・・
残念ながら作者は玄米のことには詳しく踏み込んでいないので,誤解?みたいなところもあるようですし,
作者は肉も平気,料理もあまりしないようでしたので,それが寿命を縮める原因の1つになったのかなぁと思ったりしています。
30年も前の本ですが,現在もほとんど日本の現状はよくなっていないというのがわかります。
豚肉の65%は胃かいよう,胃ガン,腫瘍などあるそうです。
食肉はガン部分などを取り除けばそのまま出荷。
野菜だったら病気のものは食べないのに,肉は見えないからそのままというのが恐ろしいですね。
今はコンビニ弁当の廃棄を餌にしたりしてますから,もっとひどくなってるでしょうね。
小説によると胃潰瘍の豚肉はおいしいそうですよ・・・
現代の環境汚染を知るにはこの本は小説形式でとてもわかりやすく,読みやすいです。
文庫なので手に入りやすいですしね。
有吉佐和子の文章は男性っぽいというかきりっとしているので,男性にも読みやすいですね。
うちは「気が向いたら読んでみる?」とリビングに置いていましたが,いつの間にかあっという間に旦那は読み終わっていました。
なんだかんだと食品の安全性の本が出ていますが,これ1冊でほとんどおおまかなことは網羅しているので,時間のない男性にも伝わりやすいですねー。
家族でも,例えば夫婦で知っているかどうかで違ってくると思います。
これから結婚して子供を産む人,子供のいる人,健康が気になる人には必読です。
そして何をしなければいけないか,考えてほしいです。
国産食材は輸入食材より安心
有機栽培は一番安心
日本は戦後栄養が豊かになって寿命が伸びた
国が決めた範囲だから安全
なんて思ってる人は読んだ方がいいと思います~。
paruさんの記事はいつも地に足が着いていてしっかりしているので読んでいて、安心感があります。
マクロやっている人でもスピリチュアルな傾向に行ってしまいがちな人がいたりしますが、もう少し今の地球の現状をみて発言や行動できる人が増えてくれると良いなと思っています。
「複合汚染は」僕が読みたいと思いながら読んでいない本の一つです。
自然農や有機農業をやるきっかけになった本で「複合汚染」を挙げる人も多いですよ。
旧macro_yuuです。
ブログ、お引越ししました。
今度はこちらに遊びにきてくださると嬉しいです。
あと、またブログリンクしなおしてもらえませんか?
よろしくお願いします☆
http://yuu0514.exblog.jp/
有吉佐和子さんは亡くなって年月が経っているので絶版が多いのですが,この本は版を重ねて,私が持っているのは54刷目になっています。
それだけ今でも読み続けられているのだと思います。
このような本を少しでも多くの人が読めば意識も変わるのにと思います。
「複合汚染その後」もあるようなので読んでみたいと思います。>たけさん
こんにちわ。
ブログ引越しされたのですねー。
リンクは全然整理できていないのですが,新しく更新しなおしたいと思います。
また遊びにうかがわせていただきます~>cherryuu_tanさん
有吉さんは早くなくなられて残念です。
「沈黙の春」の作者も女性でしたね。
影響力のある有名な方が声をあげることが少ないですからねー。
「沈黙の春」も女性ですね。
女性がもっと関心を持つことが大事だと思いますが,世の中はファミレスやファストフード,家族連れで一杯ですよね・・・>hitomiさん
検索後、この本を探していたら、クライマーズハイと出会ったもので・・・映画も上映中だし季節柄、こっちを先に読むかなぁと思い(笑)
複合汚染、楽しみです。。。
文字が大きいからでしょうか?(笑)
クライマーズハイが終わったら是非読んでみてくださいね~>ぴよさん
このようなこと,知っているかどうかで人生変わりますものね。
本当に30年前と何も変わっていませんね,日本は。
まわりに流されず真実をしっかり見てやるべきことをやっていきたいと思っています。>ゆりさん