『STEEL DIVER(スティールダイバー)』
対応ハード : ニンテンドー3DS
発売日 : 2011/05/12
希望小売価格 : 4,800円(税込)
ジャンル : アクション
プレイ人数 : 1~2人
通信機能 : ダウンロード通信対応
※ダウンロード通信 … 人数分の3DS本体+ゲームソフト1つで利用できるマルチプレイ通信です。
CERO : A(全年齢対象)
◆-参考データ-------------------------◆
購入価格 : 3,918円(新品)
プレイ時間 : 約7時間半
プレイ内容 : 一通り全ステージをクリア&海戦モードで2人対戦
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●= 潜水艦を操作して、立体世界の大海原を走破せよ! =●
今作は、任天堂より発売の、完全新作の潜水艦アクションゲームです。
下画面の操作パネルを巧みにタッチ・スライドして、潜水艦を操っていきましょう。
すでに(海戦モードを除く)全てのステージをクリアし、「海戦モード」では友人と対戦もしてみました。
なので、評価は1回きりとさせていただきます。
●= 潜水艦モード 概要 =●
2Dスクロールアクションゲームです。
潜水艦を操作して、ゴール地点にたどり着く。もしくは一番奥で待ち受けているボス敵を倒せばステージクリアです。
敵の攻撃を受けるなどして、画面左上の耐久力ゲージが0になるとゲームオーバーです。耐久力は、海面に上がっている間、少しずつ回復します。
◆-- 操作について --◆
潜水艦は3種類あり、下画面の操作パネルもそれぞれ違います。
操作できる内容は、「前進・後退」「上昇・下降」「角度調整」「攻撃」「マスカー」の5種類です。
マスカーとは、周辺に気泡を発生させることで追尾してくる魚雷を混乱させるというものです。追尾魚雷はこれで対処しましょう。使用するたびに「エアー(空気)」がなくなりますが、海面に上がっている間に少しずつ回復します。
また、ダメージを受けると一定確率で「水漏れ」が発生します。
下画面のどこかから海水が噴き出しており、そのままでは操作パネルが使えません。水漏れしている部分を連続でタッチして、修理しましょう。
◆-- モードについて --◆
単純にステージクリアを目指す「ミッション」(全7ステージ)と、制限時間内にステージクリアを目指す「チャレンジ」(全8ステージ)があります。
◆-- デカールについて --◆
デカールとは、潜水艦に貼れる飾りのことです。
「ミッション」でステージクリア後、「潜望鏡モード」の操作方法でボーナスステージに挑戦できます。ここで艦隊を撃沈すると、様々な種類のデカールを獲得できます。
獲得したデカールは、潜水艦の選択画面で貼ることができます。それぞれのデカールは能力アップが付いており、一定枚数集めることで効果を発揮します。
●= 潜望鏡モードモード 概要 =●
望遠鏡をのぞきこんだような視点で楽しむ、全方位アクションシューティングです。全ての敵艦隊を撃沈しましょう。
このモードではいくらダメージを受けてもゲームオーバーにはなりませんが、水漏れが発生するのは同じことなので、ダメージ=タイムロスにつながります。
◆-- 操作について --◆
こちらも下画面の操作パネルで操作していきます。
操作できる内容は「視界の回転」「視界のズームイン・ズームアウト」「ソナー」「ダイブ」「魚雷発射」の5種類です。
ソナーをタッチすると、周辺を探知してどの位置に敵がいるかを見つけます。ステージによっては敵が非常に見えにくいので、これを利用していきましょう。
ダイブはその名の通り、下に潜ります。ダイブ中は何もできませんが、敵の攻撃をやり過ごすことができます。
また、このモードではジャイロセンサー対応で、本体を動かすことでも視界を回転できます。
基本的に、このモードの間ジャイロセンサーは常にONになっているので、センサーを使わずに操作する時も、手の細かい震えがしっかり反映されますよ(笑)
●= 海戦モード 概要 =●
戦略シミュレーションバトルです。CPUとの対戦と、ダウンロード通信による2人対戦が可能です。
全9種類のマップで楽しめます。最初は3種類しか遊べませんが、CPU戦で勝利すると増えていきます。
◆-- ルール --◆
お互いに「潜水艦」「護衛艦」「輸送艦」の3種類のコマがあります。
「護衛艦」と「輸送艦」は、1つのコマにつき3~5隻(せき=船の単位)存在します。
プレイヤーは、交互に1つずつコマを移動させます。まずは、見えない相手のコマを探しましょう。
移動範囲内に相手のコマがあると、「?」マークが表示されます。ただし、2マス先にいる場合は、2マス先の全てのマスに「?」が表示されます。位置関係や運を頼りに、相手のコマを見つけましょう。
探し方のコツは…ひとまず全ての味方のコマをタッチしてみて、どこに「?」が出るかを確認しましょう。そして、「?」が複数重なっているマスを見つけることができれば、候補を絞ることが出来て早く発見することができますよ。
こちら側から相手のコマに接触すると、攻撃をおこないます。
最終的に、相手の「潜水艦」。もしくは、相手の全ての「輸送艦」を撃沈すると勝ちになります。
◆-- コマの特徴について --◆
|-- 潜水艦 --|
一度に2マス先まで移動できます。相手の陣地にも移動できます。
相手のコマを発見すると「潜望鏡モード」と同じ要領で攻撃をおこないます。ただし、弾数制限があります。
また、潜水艦は「ソナー」を使用できます。使用すると、2マス周辺にいる全ての敵コマの位置が分かりますが、どれがどの種類のコマかは分かりません。また、相手に自分の潜水艦の位置がばれてしまいます。
耐久度は高く、相手から受けるダメージは以下の通りです。
潜水艦の攻撃 … 10%
護衛艦の爆雷 … 30%
護衛艦の射撃 … 10%(護衛官は、攻撃を受ける側の時に自動で射撃をおこないます)
|-- 護衛艦 --|
一度に2マス先まで移動できます。相手の陣地には移動できません。
相手の潜水艦を発見すると、爆雷で攻撃を行います。お互いに「50m」「100m」「150m」の3種類の深度のうち1つを選択し、同じものを選択すると爆雷が命中します。
耐久度は、潜水艦に2回攻撃されると撃沈する程度です。ただし、撃沈されずにターン終了した場合、その護衛艦の耐久力は回復します。
|-- 輸送艦 --|
一度に1マスしか移動できません。相手の陣地には移動できません。攻撃もできません。
耐久度は、潜水艦に2回攻撃されると撃沈する程度です。ただし、撃沈されずにターン終了した場合、その護衛艦の耐久力は回復します。
◆-- コマの発見について --◆
相手のコマと接触する、もしくは「ソナー」を使うなどでコマの位置がばれてしまいます。
その場合は、移動をすることでまた隠れることができます。同じマスにいる間は、相手に見えているままです。
■== partygameの評価 ==■ … 72点(100点満点)
面白いんですけど、気になることもたくさん
○=良かった点
△=人それぞれ or 気になったけど悪いというほどではない点
×=悪かった点
|-- ○3D立体視による臨場感 --|
事前に体験した人たちは、よく「水槽を覗いている感覚」と言っていました。
私はこの作品を体験したことがないまま購入したわけですが…確かにそうとしか表現しようがないです(笑)
潜水艦モードでの奥行きのあるステージは、まさに圧倒的なスケールを誇る水槽といった幹事。その中で潜水艦のミニチュア?を操作しているみたいです。
ミニチュアと聞くとしょぼいように聞こえますが、グラフィックなどの表現力は高いですし、クセのある操作のおかげで重厚な感じもプラスされています。
潜望鏡モードでの立体感もGOODです。
ここでもいわゆる「立体視によってゲームが遊びやすくなる」というのを感じることができました。距離感とか、敵艦隊がどの方向に向かって進んでいるか?などが、すごく分かりやすいです。
このゲームにまだ慣れていない間に2D表示で試してみて、その後改めて3D表示でプレイすると、違いを実感しやすいかと思います。
|-- ○ひとクセある操作パネル --|
戦艦は全部で3種類。それぞれ操作パネルが違いますが、思い通りに操作するにはけっこう慣れが必要です。
操作できる内容自体は分かりやすいですが、良くも悪くも潜水艦らしく、動作が非常に重いです。加速減速や上昇下降なんてすぐに反映されるわけではないですし、ミサイルなども連続では発射できません。
ただ、別に理不尽というわけではありません。それに、クセのある操作だからこそ、思い通りに操作できるようになった時の嬉しさもひとしおです。このあたり『超操縦メカMG』に通ずるものがありますが、今作のほうがより重厚な操作感覚です。
また、潜望鏡モードでのジャイロセンサーによる操作もいいですね。
精度は完璧で、相性が悪いとか言われていた3D立体視も全く問題ありません。本体=潜望鏡で、覗き込んだまま操作するという感じなので目線がブレることがなく、結果として3D立体視でも問題ないということだと思います。
常にジャイロセンサーは反応しているので、大まかな視点操作はタッチスクリーンでおこない、最終的には本体を微妙に動かして照準を調節するといいですよ。もちろん、ジャイロセンサーのみで操作したほうがより楽しめますけど。
|-- △皆知っているとは思いますが、地味 --|
まあ、とにかく地味ではあります。少しでも眠気のある時にプレイしていると、ほぼ確実に眠くなると思います。…私がそうだったので(笑)
そこも含めてこの作品の味だとは思いますが、少なくとも昨今のシューティングゲームのようなド派手な演出は期待しないようにしましょう。
|-- △「海戦モード」は思ったより単純 --|
戦略シミュレーションバトルということでしたが、考えることは至って単純。
「潜水艦で攻め込んで輸送船を撃沈する」か「相手の潜水艦を護衛艦などで撃沈する」かの二択で、どちらを重視するかを考えるくらいのものです。このタイプのゲームが苦手な人でも楽しんでいただけると思いますが、一方で、それなりに慣れている人には物足りないかと思います。
また、わりと運要素もあったりする(敵を探す、護衛艦での攻撃)ので、その点でも意見が分かれることでしょう。頭脳だけで勝負したいという人は、ちょっと気に入らないスタイルかもしれません。
ただ、何だかんだでバランスは取れているっぽいです。
友人と対戦してみたところ、1回目は(友人がまだルールを把握しきれてなかったため)大差で勝利しましたが、2回目はギリギリのところで友人に大逆転されてしまいました。
|-- ×ボリューム不足 --|
『パイロットウイングス リゾート』の時もちょっと物足りなさを感じたりしたものですが、今作はもっと物足りなく感じます。
モードは3種類ですが、メインである「潜水艦モード」もそこまでステージ数は多くないですし、「海戦モード」もルールが変わるわけではないので、ボリュームがあるようには感じません。
「潜望鏡モード」に至っては全3ステージと、完全におまけレベルのボリュームです。
あと、個人的にもう1つ気になったのは…潜水艦モードのステージ6&7は、ある条件を満たさないとプレイできません。ネタバレになるので詳しくは教えませんが、個人的な印象では、それは本来「やりたい人だけがやればいいレベル」の条件でした。
ボリュームを冗長にさせる典型的なスタイルで、正直あまりいい印象をもちませんでした。
|-- ×「海戦モード」のテンポが悪い --|
ここは、何か任天堂らしからぬ配慮の悪さでした。気になったのは大きく分けて2つです。
1つは、攻撃を受ける側の場合、何もせずに待っていなくてはいけません。
対人戦はともかく、CPU戦でもそうなので…せめてCPU戦は、護衛艦での戦闘くらいはスキップできて欲しかったです。そうでなければ、防御側でも何か行動できて欲しかったです。(艦隊の移動方向を変えるとか、任意のタイミングで射撃できるとか)
最初の数回はいいですが、さすがに何度も繰り返し見ていると…面倒くさくなります。
もう1つは、攻撃終了時の微妙な間です。
潜水艦で攻撃する場合は、弾を全部撃ち尽くしたら終了ですが、撃ち尽した後すぐにマップに戻ってくれたらいいのに、なんか数秒間のヘンな間があるんですよね。また、攻撃されて全滅した時も、すぐにマップに戻ればいいのに、沈没していく様子を5秒ほど見せられてしまいます。
で、極めつけ。潜水艦で艦隊を全滅させた時、それで終わりでいいはずなんですが…弾が残っている場合は、制限時間が0になるまで終了になりません。弾を全部撃ってしまえばいいんですが、理屈としてそれはちょっとおかしくないですか?と思いました。私からしたら、バグも同然です。
|-- △その他、気になったこと --|
・ステージをクリアした後のセーブが、えらく長いように思いました。(約10秒)
そんなに保存するデータ量が多いようには思えないんですが…。
・「海戦モード」でのコマの配置が任意ではなくランダムでしか選べないのが、ちょっと不満でした。
・ゲームそのものとは関係ありませんが、パッケージデザインまでも立体視になっているのはちょっと驚きました。これは目立ちますね。コストもかかるんでしょうけど。
今後、任天堂の主力タイトルはこれでいくのでしょうか?
◆-- 総評 --◆
ゲームの根底は間違いなく面白いとは思うんですが…ボリューム面と「海戦モード」の配慮においては少々残念な感じでした。
潜水艦モードは1つ1つのステージでわりと充実感を得られるのでまだ良いですが、潜望鏡モードは本当にもったいない。2分程度で終わる3ステージで、かつやり込み要素なし。あまりにもったいないです。
海戦モードは、好みは分かれますがルールは悪くないと思うので、是非、対人戦で楽しんで欲しいところです。ただ、このためだけに買う価値があるかというと…それはないです。あと、CPU戦だと何回も遊びたいとは思えません。
「社長が訊く」の会話のなかで、開発に携わった今村氏が”量ではなく深さをつくる”ということにこだわったみたいです。なので、周りから「もう少しボリュームがあったほうが…」と言われても、全部バッサリ切り捨てていたとか。
私も実際にプレイさせてもらって…確かに、ゲーム性を重視しているのはよく分かったんですが、大抵のユーザーは「量も深さも求めている」でしょうし、どちらかといっても「量」を求めている人のほうが多いくらいでしょう。よっぽど密度の濃い内容でないと、そのこだわりは伝わりにくいでしょうね。
まあ、少なくとも個性ある作品には仕上がっているので、その点では意図通りだったとは思います。
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