セグメントゲームズ

元ゲームプランナーという、しがない肩書きだけが取り柄のゲームブログ。生ラジオの告知が中心で、たまにテキスト対談を更新中!

『社長が訊く「ニンテンドーDSi」 DSi内蔵ソフト編』を読んで

2008年10月30日 22時56分36秒 | 【旧】ゲーム関連記事
社長が訊く「ニンテンドーDSi」


>プロジェクトが立ち上がるときって、ついついみんな、夢を語るんです。

ユーザーがいろいろ求めるように、作る側だって「あれやりたい」「これやりたい」って考えるもんですよね~。というか、最初から範囲を決めると縮こまった発想しか出ないので、最初はフリーダムなのがいいです。
とはいえ…当然いつまでも夢を語るわけにはいかない。クリエーターは「夢」を「現実」に変えなくてはいけない立場にあるわけですから、そこをどの段階で考え始めるかが重要ですよね。

まあ…よくあるのは、上層部が今になってこんなこと言ってきやがって!みたいなことはあるもので、それによってゲーム全体のクオリティを変えざるを得ない状況というのは、よくある話みたいです。何というか…歯がゆいものですね。
ただ、任天堂でしたらきっと「面白いこと」を第一に考えているとは思いますから、その点では保証あるものにはなっていることでしょう。あとは、どこまでできるか?です。


>DSiならではの新しさを、電源を入れた瞬間にどう理解してもらうか、というところがポイントでした。

単にDSの上位機という位置づけだったDS Liteと違い、DSiは早い話が「ニンテンドーDS2」みたいな存在になっています。そこが実は、作り手にとっての重要な第一段階だったということ。いわば、DSiが目指すのは「DSであってDSでないDS」ということなのかもしれません。


>ある意味ではニンテンドーDSiのカメラと携帯電話のカメラは、対極にある

以前の任天堂カンファレンスでも明言していた通り、DSiのカメラは性能で勝負するのではなく、ゲーム機としてカメラを使った遊びで勝負するという点が、大事なところです。
とはいえ、携帯電話のゲームでもカメラ機能を使用したものは珍しくないそうで…。画素数は別にいいとしても、果たして携帯電話のカメラでなし得なかったような遊びを、DSiで提供できるのでしょうか?早い段階で、その片鱗(へんりん)をみせてもたいたいものです。むしろ私としては、そこがカンファレンスで強くアピールできなかったのが残念だったとも思っていますので。


>「遊べるデジカメ」の内容

ゆがみ…写真の一部を自由にゆがませることができます。
らくがき…写真にいろいろ書けます。
色つけ…モノクロの状態から、タッチした部分の範囲だけ色が付きます。
色かえ…色付けと同じ感じですが、これは色を変えてくれます。
かがみ…左右対称の状態や、万華鏡のような写真が撮れます。
いたずら…ヒゲとか付けたり出来ます。被写体が動いてもちゃんと付いていきます。
表情…写真の顔を、怒った顔や悲しい顔にしたりできます。
顔合成…2枚の写真を撮って、合成することが出来ます。
似てる度…2人の顔が写るように写真を撮ると、その2人の似てる度合いがはじき出されます。
フレームカメラ…フレームを付けます。撮った写真からフレームを作成することもできます。

個人的には、「色つけ」「色かえ」が技術的にスゴイな~と思います。写真にすでに撮っているのなら何とも思いませんが、写そうとしている被写体に対して色を付けたり変えたりできるんですから…。


>宮本さんが、「なにかが足らない」って言うんですよ。

どうやら元々、DSiサウンドは本体機能として予定されていなかったようで、例えばDSiウェアを通じてダウンロードすれば…という程度で思っていたみたいです。

ところがそこに宮本さんが「イヤ」って言ったらしくて(笑)
まあ、開発終盤になるまで知らなかった宮本さんも宮本さんですが(苦笑)
こういうことっって、ゲーム制作ではどうしてもあることなんですよね~。しみじみ…。


>一方に「カメラ」という強力な軸があるところに、
>「音楽」というもうひとつの軸を設けることで、
>ニンテンドーDSiの魅力が立体化する


対談では例として、『脳を鍛える大人のDSトレーニング』と『やわらかあたま塾』、あるいは『Wii sports』と『はじめてのWii』を挙げておられましたが、なんか納得できるものがあります。
脳トレとあたま塾は、どちらも問題を解いていくタイプですが、その方向性はかなり違いました。それによって「似て非なるもの」というものが生まれ、おかげでいわゆる「守備範囲」が広がったのかもしれません。


>携帯電話でいいじゃないかって言う方もいらっしゃるかもしれませんけど、
>「いや、仕上がりを見てもらったらぜんぜん違うものですから」って言うしかないですよね。


カメラにサウンド。どうしても、携帯電話やPSPと比較しちゃうんですよね。

ゲームなんてものは1ヶ月や2ヶ月でできるものでもなくて、その間に似たようなタイトルを出されてしまえば、それまでなんですよ。かといって、その程度のことで開発を中止するわけにはいかないわけで…。
ニンテンドーDSiは、携帯電話やPSPなどと比較されることは、おそらく想定していたことでしょう。そして、我々の今のDSiに対する反応も、もしかしたら予想通りなのかもしれません。
そこから先は、いかにゲームの本質である「面白いもの」になっているか?というところでアピールしていくしかないんですよね。故に、今までのDSと違ってDSiは大いに苦戦するだろうとは思います。それを、覆せるだけのものを、今の任天堂はすでに持っているんでしょうかね…?


>『ピクトチャット』がちょっと進化して
>色がつかえるようになりました。

初代DSを購入した時にも、是非使えて欲しかった…と思っていた内容です。初代DSでは実装は厳しかったんでしょうかね…?


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4 コメント

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カメラが付いてしまったことによって…。 (ナケイ)
2008-10-31 15:31:28
DSiにはカメラ機能が付いているそうですが、それによって、その機能がよからぬことに使われてしまい、マスコミにたたかれてしまわないか心配してしまいます。
DSライトは要望がある限り売ると言っていますが、やっぱり旧DSと同じ運命になるのでしょうかね…?
(今も旧DSを結構使っている人もいるらしいですね。)
返信する
Unknown (partygame(管理人))
2008-10-31 22:45:22
>ナケイさん
盗撮の危険性は、携帯電話にも言えることです(むしろ携帯電話のほうがコンパクトなので、より危険)し、結局それは使用する者の善悪が全てを決めるわけです。まあ…世間の消費者はそういう時、盗撮した人間ではなく、盗撮した道具に対してどうこう言ったりしますからね…。その市場が、メジャーでなければないほど。
もし何かが起きた時、任天堂は「使う人の問題」と言うのでしょうか?対策をするのでしょうか?そこは、私は商売人として謙虚にするよりかは、人間として正しい発言をしてほしいと思います。

>>DSライトは要望がある限り売ると言っていますが、
やっぱり旧DSと同じ運命になるのでしょうかね…?
DS Liteの生産終了=GBA市場の本格的な終了と言ってもいいかもしれませんが、その可能性はあるでしょうね。
現に、「歩いて分かるリズム生活DS」で使用される万歩計は、『社長が訊く』シリーズによると従来はGBAカードリッジに差し込むタイプだったらしく…それがDSiの登場によって作り直すハメになったらしいです。
任天堂自身がすでにそういう行動を起こしているということは、少なくとも任天堂は、GBAカードリッジ必須なDSタイトルを作るつもりはないでしょう。そしていずれは…という感じです。なんか…それによって楽しみな少なくなったり、そもそも遊べなくなるDSタイトルがあることに、何とも疑問を感じますけどね…。
返信する
盗撮対策云々について (土星産の卵)
2008-11-01 21:58:20
なんだかんだで今日買ってきちゃいましたが、もし例えばDSiを使って階段で盗撮しようとした場合、カメラの付いている位置の都合上かなり不自然にのけ反らなくちゃいけなくなるので、ゲームしてるフリしてこっそり…は難しいと思います。携帯カメラ同様音を0にしてもシャッター音はしますし。(携帯カメラと比べてシャッター音が小さい気がしますが…)
まあ…それでも盗撮を試みる不届き者が出ないとも言い切れないし、もしそんな奴が一人でも現れた日には…。

あと、なんだかんだ言われてたカメラの画質ですが、実際に撮ってPCにアップしてみたら携帯カメラの写真(説明書をみたら約320万画素)とそう変わらない感じでした。色々遊べて思いの外楽しいですね。まあ、携帯同様写真なんか撮りまくってたらあれよという間に電池が切れるでしょうけど…。
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Unknown (partygame(管理人))
2008-11-02 11:30:12
>土星産の卵さん
>>ゲームしてるフリしてこっそり…は難しいと思います
外側のカメラでしたら不自然ですが、内側のカメラだと、何かいけてしまいそうな気もしなくもないですが…。

>>携帯カメラ同様音を0にしてもシャッター音はします
あ、これは一応守られているんですね。まあ、そうでないと…いざという時にそこで攻めたてられては元も区もないですからね。

>>カメラの画質
画質についてはハード編を読んでの見解の時にも記しましたが、30万画素=640×480ピクセルで、ポスターとかに利用するならあれですが、普通に見るには何ら問題のない画質だと分かります。
なので、私も恥ずかしながら「30万画素」と聞いて最初、直感的に「少ないんだ」と思ってしまった(悪い意味ではないですが)ので、その思い込みがそもそも間違いということだと思います。
それを拭(ぬぐ)えるかどうかは、カメラを使った遊びの提供にかかっているような気がします。
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