セグメントゲームズ

元ゲームプランナーという、しがない肩書きだけが取り柄のゲームブログ。生ラジオの告知が中心で、たまにテキスト対談を更新中!

3DS『大合奏!バンドブラザーズP』 ファーストインプレッション

2014年02月06日 21時00分06秒 | 【旧】購入・レビュー話
トマト100個、使い切れるかな…?




大合奏!バンドブラザーズP
対応ゲーム機 ―→ 3DS
発売日 ―→ 2013/11/14
希望小売価格 ―→ 4,800円(税込)
ジャンル ―→ 音楽ソフト
プレイ人数 ―→ 1~10人(ローカル通信やインターネット通信で最大10人合奏)
CERO ―→ A(全年齢対象)
備考 ―→ 楽曲ダウンロードなどに必要なトマト、100個分がダウンロードできる引換番号が同梱(有効期限:4か月後の月の末日)




■====== 簡単なご紹介 ======■

音楽を聴いたり演奏したり作ったり。音楽をとことんまで楽しめる『大合奏!バンドブラザーズ』シリーズの最新作です。
これまでと同様で、楽曲の演奏・作曲・楽曲のアップロードやダウンロードが可能。くわえて、自分の顔写真と音声で、オリジナルのボーカロイド「アーチスト」を作成できたり、インターネット通信での合奏が可能になりました。
※ボーカロイドとは? … 「ボーカル・アンドロイド」の略。ゲーム内に存在する架空のボーカルのことです。


今作ならではの、特徴的なポイントをいくつか紹介します。

|== アーチスト ==|
初回起動時は、必ず作成する形になっています。声の出せるところで楽しみましょう。

目印に合わせて3DSカメラで顔を撮影。また、本体に向かって「ら~」と発音することで、音声を記録。これだけで、あっという間にあなたのボーカロイドが完成です。
ボーカル演奏の時などには、表情豊かに顔が動きながら、記録された音声を元に歌ってくれます。

顔写真や音声の収録しなおしは、後でいつでもできますよ。また、何もつけない・メガネ・覆面の、3段階の装飾が可能。メガネを付けると目が見えなくなり、覆面を付ければ顔のほとんどが見えなくなります。顔を見せるのが恥ずかしいという人も、これで安心です。ちなみに私はメガネにしています。

|== レコーディング ==|
自分のアーチストや、インターネット合奏を通じてスカウトしたアーチストを使って、レコーディングを行えます。
レコーディングしたい曲と、歌わせたいアーチストを選択すると、以後、その曲のボーカルをそのアーチストが歌ってくれます。
レコーディングには少々時間がかかります。本体を閉じていても進行しますし、ヒマつぶしにレコーディング中の曲を、あなた自身の声で歌ってみることもできますよ。(ヒマつぶしで歌う機能は、アップデートにより追加されたものです)


|== ボーカルや「ビギナー」レベルの演奏について ==|
従来は、流れてくるボタンのマークに応じて対応したボタンを押すというプレイスタイルですが、ボーカルでの演奏は一味違います。
下画面の下のほうにマイクみたいなものがあり、演奏に合わせて上からバーが流れてきます。マイクをタッチスライドで移動させて、マイクにバーを当てるような感じで操作します。マイクの中心に当てれば高評価です。

なお、通常の演奏で一番レベルの低い「ビギナー」でも、この演奏方法になります。


|== ギターパートの演奏について ==|
前作では、ボタンでの演奏と同じような感じで流れてくるマークに対し、下画面に、横向きに表示されているギターの弦を上下にスライドしてタイミングよく演奏するというものでした。今作は、全く違います。

今作では、ギターの弦が縦向きに表示。上から横向きのバーが流れてくるので、それが目印となるバーと重なったタイミングで、左右にタッチスライドして演奏します。音によってバーの長さも様々で、その長さにもできるだけ合わせて演奏する必要があります。バーがちょこっとだったら、ちょこんと引いて、バーが長かったら、端から端までかき鳴らします。
高い難易度になると、流れてくるバーの横に矢印が付きます。矢印と同じ方向に十字ボタンを押しながら、演奏しましょう。

|== ドラムパートの演奏について ==|
通常と同じく、対応したボタンを押すというプレイスタイルで楽しむこともできますが、それに加えて、下画面に表示されたアイコンを、タイミングに合わせてタッチするというプレイスタイルも用意されています。
DSや3DSの『太鼓の達人』シリーズみたいな感じで、リズムに乗ってタッチしましょう。

|== インターネット合奏について ==|
一連の流れを説明しますね。

インターネット合奏を選択すると、まず、同じくインターネット合奏を始めようとしている他のプレイヤーが集まってきて、それでバンドを結成します。
次に、演奏する3曲を選択します。誰が選択するかはランダムで選ばれ、選ばれた人は楽曲を選択します。もちろん、他の人が持っていない曲でも全く問題ありません。

選択したら、演奏する順番が適当に決まり、順番に演奏をしていきます。演奏するパートと難易度は、それぞれのプレイヤーが自由に選択できます。
3曲演奏したら、アンコールが入ります。絶対入るのかどうかは知りませんが、とりあえずアンコールが入ったら、同じメンバーでもう1曲演奏できます。楽曲を選択するのは”3曲の演奏で一番活躍した人”だそうです。

演奏が終わると、打ち上げ。この時に、他のメンバーをスカウトすることができますよ。
スカウトしたメンバーは、先ほど説明したレコーディングで声をあててもらうことができます。

なお、演奏の開始前後や演奏中、打ち上げ中は、「よろしく」や「ガンバレ」など、あらかじめ用意されている一言メッセージを表示することができます。メッセージの編集はできません。
さらに、演奏中には、頑張って演奏中のプレイヤーが背景に表示され、その時に下画面の下のほうをタッチするとエールを送れます。

|== トマトについて ==|
今作では、トマトを有料コンテンツとして購入することができます。新品のソフト購入時には、トマト100個分を獲得できる引換番号が付いています。
このトマトを1つ消費することで、アップロードされている楽曲をダウンロードする形となります。

なお、トマトには、2010年から施行された「資金決済法」の影響により、有効期限が設けられています。
有効期限は、「入手から4か月後の月の末日」です。言葉では、ちょっと分かりにくいですね。

例1) 1月1日に購入した場合
 └→ 4か月後は5月1日 ―→ その月の末日なので、5月31日が有効期限となります(実質、ほぼ5か月)。

例2) 3月30日に購入した場合
 └→ 4か月後は7月30日 ―→ その月の末日なので、7月31日が有効期限となります(実質、ほぼ4か月)。



■====== partygameの感想 ======■

=良い  =まあまあ or ちょっと気になる  ×=悪い

◆=== 参考データ ===◆

 購入価格 ―→ 3,380円(新品)
 プレイ時間 ―→ 約7時間
 プレイ内容 ―→ いくつか楽曲をダウンロードして演奏 & インターネット合奏を二度ほど利用(作曲はしていません)
 これまでのシリーズ作品 ―→ 初代と『DX』版、ともにプレイしたことがあります。


○ ―→ 新しい演奏スタイルが、なかなか気持ちよく楽しめます。
ボーカル専用(&ビギナーレベル)の演奏が新しく追加され、ギター演奏もリニューアルされましたが、どちらも気持ちよくプレイできました。

ボーカル専用のほうは、ボタンを押すのではなくマイク(アイコン)をタッチスライドするって感じなので、最初は少し違和感ありましたが、さも片手でピアノを弾いているような、”なだらかな”気持ちよさを感じました。特に、テンポの速い曲ほど、その恩恵を強く感じます。
ギター演奏も、スピード感があって良かったです。バーの長さに応じてスライドする範囲も変えないといけないのは、最初は少し難しいかもしれませんが、そこまでシビアな判定ではないので。慣れてくると、楽しくなってきます。


○ ―→ 幅広い難易度で楽しめます。
ま、これは前作でもそうでしたが、4段階の難易度が用意されています。
他のプレイヤーと合奏する時も、難易度はそれぞれ自由に選択可能なので、上手い人とそこまで上手くない人が、何も壁を感じることなく一緒に楽しめるって、いいな~と思いました。

ゲームセンターの音楽ゲームも基本、難易度を別々に設定できたりしますけど、そうはいっても一方が易しくて一方が鬼のようなレベルにしちゃうと、その差が演奏中にあからさまに見えちゃうじゃないですか。それが、イヤだと感じる人はけっこういるんじゃないかと思うわけです。


○ ―→ インターネット合奏は、抵抗なく楽しめました。
個人的にはここが一番、購入前で気になっていました。
見ず知らずの人といきなりバンドを組んで、演奏して、終わった後のシチュエーションも用意されているということで、本格的っぽい反面、抵抗がありそうな印象もあったわけです。

結論から言うと、抵抗を感じる必要はないと思いました。
メッセージのやり取りは、用意された一言メッセージのみでやり取りしますし、アーチストの顔は一部もしくは全部隠すことができますし。だいたい3~4曲演奏することになり、プレイ時間は曲の長さに大きく左右されちゃいますが、そんなにヒマな時間が取れない人も、インターネット合奏は1日1回つないでみてもいいかも、って思わせてくれる魅力がありました。


△ ―→ 初期では、4曲しか遊べません。
前作は、31曲入っていました。今作では、小室哲哉さんやゴールデンボンバーなど有名なアーティストによる楽曲が4曲入っているだけです。
この4曲のクオリティは良いのですが、いってもさすがに寂しいです。”ほぼインターネット通信必須”ってことになるわけでして。従来の音楽リズムゲームの印象そのままで購入すると、4曲しか入っていない様に面食らうでしょうね。まあ、家にインターネット環境のない人は、3DSステーションやニンテンドーゾーンなどに接続して、楽曲を増やしてください。


△ ―→ ”アーチスト”について、思うこと。
仕組み自体は、すごいと思います。
顔写真と音声で、自分そっくりのボーカロイドが作られて、最初見たときはなんか恥ずかしくなりますが、思ったよりいい感じに流れる音声と、『顔シューティング』以上に違和感なく豊かに変化する表情に、ビックリしました。不気味なくらいです(笑)
さらに、レコーディング時には、曲ごとに得意不得意があったりするのが分かりやすく表示されます。低い声のアーチストに高音はキツいとか、そういう単純な話ですが、なかなか分かりにくいポイントではあるので。良い配慮だと思いました。顔の一部もしくは全部隠せるのも、良い配慮です。

実際に利用した私はすごいと思えましたが、正直、買う前の人にとって”アーチスト”の仕組みは、どう映るのでしょうか?
個人的には、購入を悩んでいる人に、けっこう抵抗を与えてしまう原因になってしまっているように思うんです。『トモダチコレクション 新生活』のように「Mii」というデフォルメキャラを使って遊ぶのならまだしも、実写の顔を使って遊ぶってなると、日本人的感覚としてはイヤがる傾向が高そうなんですよ。特に、パッケージデザインではこの要素が前面にピックアップされているので、イヤがうえでも気になっちゃいます。
私も、この要素があって「インターネット合奏の時、顔をさらすことになっちゃうのかな…」というのがどうしても気になって、発売日には買えなかったくらいです。


△ ―→ マゾなバーバラ様の発言。ちょっとやり過ぎている気が…。
前作から登場していたんだし、今さらそんなこと言っても…とか言われそうですが、それでも気になったので言わせてもらいます。

何といっても今回、一部の会話にボイスが付いてきますし、前作と比べるとバーバラ様がしゃべる場面が多かったりします。そしてそのたびに、マゾな発言ですよ。
一番ムッとするのは、演奏終了後に得点が表示されて、その時に皮肉な一言が出てくること。いい演奏ができて高得点が出せて、気持ちいい~ってなっているところに「この程度で満足してるの?」とか「いい気になるんじゃないわと」とか言われると、台無しです。
前作くらいの絡み具合なら気にならなかったですが、今回はより絡んできて、さすがに「うざったい」と思いました。バーバラ様が好きな人、ごめんなさい。


△ ―→ 最初がちょっと面倒くさいです。
というのも、まず初めて起動した時は、アーチストの作成から始まります。顔写真と音声を収録するので、電車の中とかで初めて起動した時は「え…」ってなっちゃうでしょうね。
「後で作る」って選択肢があっても良かったと思うんですが、私の記憶が確かなら、そんな選択肢は無かったと思います。

あと、新しいメニュー画面を開くたびにバーバラ様が丁寧に説明してくれたり、新しいモードを選択するたびにちょっとしたプロモーション映像が流れたり。全部、スキップできないのですよ。しかも、プロモーション映像のほうがどうも長ったらしくて。もう分かったから!ってなっちゃいました(笑)


△ ―→ トマト通貨について思ったこと。
トマト通貨を利用して、楽曲をダウンロードしたり、YouTubeの専用チャンネルにアップロードしたり。さらに、活躍しているプレイヤーにはトマトをプレゼントしたり。何だかんだで、いい落としどころだとは思いましたよ。

通貨を「トマト」にしたのも、おそらく有効期限=腐っちゃうという風にしてしまうことで、少しでも印象を和らげようと努力した結果だと思うわけです。有効期限自体は、法律の関係上そうせざるを得なくなってしまっているので、確かに気分の良いものではありませんが、仕方がないとしか言いようがありません。
でも、きっと理解してくれない人は多いんでしょうね。前作が無期限でしたから。きっとみんな、任天堂が悪いと思っているんでしょうね。こういう時、法律って面倒くさいです。


× ―→ ダウンロード楽曲の仕組みで、気に入らない部分が2つ。
1つは、任天堂から無料で配信されている楽曲について。
初めて利用した時に「まあ、ひとまず無料のものからダウンロードしておこうか」って思い、トマトを1個も持っていない状態で(無料)と付いた楽曲を購入・ダウンロードしようと思ったら、「トマトがありません」と言われてダウンロードできなかったのです。…いや、無くても買えるんでしょ?
おそらく、無料でダウンロードできる楽曲の提供を想定していなかったんでしょうね。でも、無料楽曲を提供している以上、これはどうかと思います。お試しのつもりでダウンロードしようと思ったら、納得できない理由でダメって言われるんですから。

もう1つは、ゲーム内で確認できる楽曲の数が少ないことです。
人気曲や最新の追加曲のリストを出しても、20曲×5ページまでしか見れないのです。ほとんどの曲がすぐに、見れない範囲に追い出されてしまい、欲しい楽曲が探しづらくなった印象でした。前作では一応、何ページでも表示できたので。
楽曲一覧は、ゲーム内の購入メニュー画面だけでなく、公式サイトのこちらのページでも確認できます。こちらだと広い範囲で楽曲が確認できるので、こちらのページで確認しながら、ゲーム内で楽曲を検索にかけたほうが早く見つかるかもしれません。



■====== まとめ ======■
●●●●●●○○○○ … 6点(10点満点)


基本的な部分はあまり変わりないですが、全体的に前作よりもマニアックな雰囲気があり、インターネットサービスをかなり重視した印象が強いように思いました。
ざっくり言うなら、前作が「万人向け」。今作が「より本気で楽しみたい人向け」みたいな感じがしたのです。”アーチスト”という存在や、全体的にちょっと演出が凝っている様。さらにバーバラ様のマゾ発言も多く、これらが良くも悪くも、マニアックさを高めていると思いました。
「良くも悪くも」って言いましたが、個人的にはどちらかというと悪く作用しているというか。”くどい”と感じました。

あと、インターネットでも合奏できることや、トマト通貨で100曲+追加でさらに楽曲を購入できるようになったこと。初期楽曲が4曲しかないことなどから、インターネットサービスに力を入れているいんだろな~という印象は感じました。
しかしその反面、ダウンロード通信(ソフト1本でローカル通信)に対応していません。今後のアップデートで追加予定ですし、現在は無料で「合奏専用ソフト」が用意されており、これを利用すればダウンロード通信のように楽しむこともできますけど、おそらくダウンロード通信を入れなかったのは、それだけインターネットの利用に特化したものにしたかったってことなんだと思います。ま、結果としてブーイングを浴びることになってしまいましたが。

ちょっと文句が多くなっちゃいましたが、前作の楽曲も今作に多く引き継がれていますし、基本的な部分の魅力は変わりなくお楽しみいただけます。
ダウンロードできる楽曲も徐々に増えており、現時点で約5,000曲といったところ。あんまり売れていないわりには(と言ったら失礼ですが)増えているな~と思うわけで。やっぱり、愛してくれている人はいるんだろうな~って感じました。ま、何を作ってもだいたい許されるのって、何だかんだで大きい魅力ですよね。


後のアップデートでフレンド機能を追加するかも?という話もありましたので、もしその時が来たらフレンド通信とかを実施してみるかもしれませんが…ま、いつになるか分かりませんね。
とはいえ、このタイトルは多くの店頭で買い取り不可になっていたりもしますので、前作と同様、売ることは無いと思います。その時が来ることを願って、今は自分のペースでまったりと楽しませてもらうことにしましょうかね。


※数か月後に、セカンドインプレッションを公開しました。こちらも合わせて参考にしていただければと思います。

万人向け ← ○○●○○○○○○○ → 熟練者向け
手軽に ← ○○○●○○○○○○ → じっくり
思考タイプ ← ○○○○○○○○○● → 感覚タイプ
 爽快感重視 ← ○○○○○○○○○● → 達成感重視 


関連記事:
DS『大合奏!バンドブラザーズDX』 ファーストインプレッション(2008/06/29)

その他のタイトルのインプレッション記事は、こちらからどうぞ
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