360円固定相場の時代から、71年夏のニクソン
ショックを海外で経験した身として、円の妥当相場
は100円から110円も有り得ると思われる。

現に日産自動車のゴーン社長も、100円妥当説
だと言う。

ここにきて、円安も程ほどにとの意見が出てきた
大きな理由に、石油や天然ガス等のエネルギー源
の高騰を嫌うことがある。

確かに原油の先物相場は、バーレル90ドルの高値
を維持しているが、福島の原発事故で慌てふためいた
民主党が、各地に議員を派遣して買い漁りさせた事も
大きく、アメリカがシェールガスの大増産で、輸入国
から外れる事などを考えると、中東の原油相場は、
今後廉くはなっても、これ以上の高騰は考え難い。

ロシアがサハリンやシベリア産の天然ガスを日本の
買いに期待している事実もあり、漸く円のひとり高値
放置の状態から脱しようとする時に、円安の限界説を
唱えるのは如何なものだろう。

円高をよそ目に、ウォン安で、韓国製品が日本製品を
駆逐した現実に眼を配り、円安背景に輸出の増加を
期する事の方が、日本経済力を取り戻す国是にも叶う。