これも悲惨な事件である。
従業員僅かの三名で、高齢者が世話をしていた。
その世話になった筈の恩人を、畜生の浅ましさで襲った。
七十代と六十代後半の、二人の女性従業員が、飢えたクマの
犠牲になった。痛ましいかぎりである。
クマたちは狭い畜舎に押し込まれ、常に飢えていたという。
やせ衰えたクマが、立ち上がり両手を叩いてエサをねだる。
可哀想で見るに耐えない。
経営者は何を思って、クマ公園なるものを作ったのか。
作ったなら、管理も充分に行なう。当たり前のことだろう。
高齢の従業員たちは、昨年十月から給料が滞っていたという。
柵だって一重だけの粗末な物。幼児が知らずにクマの餌食にならずに
済んだのが、まだ救われる。
クマは獰猛な生き物だってこと、経営者は知らなかった筈がない。
こんなクマ公園が、日本のどこかに未だ有るのだろうか。
日本の道路に歩道が付いているケースの方が少ない。
狭い道の、更に狭い部分に白線を引いただけの歩道なんて、
これが最近まで、世界に誇ったGDP大国の実態なのかと、
情けない想いをする。
ついこの間、京都の祇園で、サクラ見物の歩行客に暴走車が
突っ込んだ事故、いや事件というべきだろうが、あったばかり。
今度は京都の府下、亀岡市で小学生の登校の群れに無免許の
少年が突っ込んで、気の毒に付き添いの主婦(妊婦さんだった)
をも巻き添えにして、死亡者を複数で出してしまった。
田中角栄の列島改造や、小沢一郎のマネ本などが出る国の
実態がこんな有様である。
ボクが住む神戸市だって、ちょっと脇道に入ったら、滅多に歩道は
見つからない。
偶にある歩道上には、自転車が我が物顔で疾走するから、
歩行者は常に危険にさらされている。
これで良いのかニッポン。