作家 小林真一のブログ パパゲーノの華麗な生活

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【 天武天皇は天智の弟に非ず (歴史エッセイ106) 】

2012-01-10 15:20:47 | 05 歴史エッセイ

戦前の国史を小学校から学んだボクの世代にとって、
次の天皇の地位をめぐって
叔父と甥とが殺しあう戦があった
などとは、夢にも思わぬ出来事だった。
万世一系の天皇家に、血で血を洗う争いごとがあっては大変
なことのである。

壬申の乱がそれで、天智の息子、大友皇子と、天智の弟と
されている大海人皇子
とが関ヶ原で戦い、大海人が勝利して
天武の称号を持つことになる。

古事記にも日本書記にも、天智と天武は兄弟となっている
から、二人は他人だと
言い出せば、多くの歴史家たちの顰蹙
を買うだろう。
だが、天武が全くの他人である証拠は、いくらでもある。

その一つが、京都人が今も「み寺さん」と呼ぶ、天皇家の
菩提寺、泉涌寺に保存されて
いる位牌は天智に始まり49代
光仁から昭和天皇までと、いわゆる天武系の天皇の分が
無いことである。

泉涌寺で最後の仏式葬儀が執行されたのは孝明帝で、
明治帝からは神道での葬儀になった。
今でも皇太子ご夫妻や秋篠宮ご夫妻が詣でて居られ、写真
なども展示されている。

光仁帝の子が有名な桓武天皇で、祖に当たる天智と父光仁
を祀り、意図的に外部の天武系を
外したと読み取ることが
出来る。
世界的にも意義のある記紀の双方に、天智・天武兄弟と記載
してあるからと言って、
信用してはならない。

古事記も日本書紀も共に編纂を命じたのは、天武その人なの
である。
自分に都合の悪い箇所は、いくらでも訂正が効くわけ
である。

近江神宮に祭られた程の高名な天智帝の御陵に御遺体が
無いことも良く知られている。
狩に出て行方不明になったと伝えられる天智帝の沓の片方
だけが御遺体の代わりにある。

天智帝も天武の手によって殺害されたとボクは見ている。

持統女帝は天武の妃だが、天智の娘でもある。
壬申の乱の後に、天武は天智の娘四人を後宮に入れている。
これは戦勝者の戦利品としか見えない。

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【 昭和38年は輝いていた 】

2012-01-10 14:02:22 | 02 華麗な生活

三連休の間にBSで古い映画を見た。
吉永小百合主演の「いつでも夢を」で、昭和38年の作品だ。
東京の下町に町工場がある。大勢の若い工員が汗まみれで
働き、工作機械が唸っている。
定時制の夜間高校に多くの若者が、明日への希望を持って
学んでいる。
見ていて、あれが日本のあるべき姿だと思った。

サユリストよりも少し年長のボクはアルバイトで大学を出て、
希望する商社に入社を果たし、入れてもらった独身寮の食事
が美味く「就食」の喜びに浸っていた時期だ。

この年に新幹線が東京~大阪間を4時間で走った。
東京オリンピックは翌年のことだ。

トラさんの映画と同じような川があり、広い河川敷のゴルフ場
もある。それだけ川幅が広いのだ。
土堤が高く、土堤は道路を兼ねている。どこも舗装なんかされ
ちゃいない。
つまり東京には自然が身近にあったのだ。

土ぼこりが舞う道路を走るのは、殆どが軽トラックで、その頃
ボクは東レが計画していた
タイヤコード工場を合弁でやろう
と、東レの担当部長から持ちかけられて喜んでいたのに、
バカな専務に「日本のどこに高速道路があるか」と怒鳴られ、
せっかくの合弁事業を他社に
取られ悔しがっていた。
諦めきれず「専務室」に喧嘩しに通うボクに、人事部から
圧力が掛かった。
そんなバカが専務にいたから、その商社は後に潰れる破目に
なる。
ボクも数年後にドイツに赴任し、バカ専務はボクの不在中に
クビになっていた。

その後の日本の高度成長は凄まじく、ドイツに一台も走って
いなかったトヨタが世界のトヨタ
になった。

今の日本に一番大切なもの。
それは若者が希望を持って働く場所だ。



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【 サヨナラ原発といけば良いのだが 】

2012-01-10 11:52:27 | 02 華麗な生活

現実に54基の原発がある。大激震と大津波に襲われたら、
福島と同じ状態になりかねない
場所に54基もの原発を作って
しまった現実の前に、サヨナラ原発は可能なんだろうか。

クチでサヨナラと叫ぶのは簡単だ。
作ってしまった原発の中には燃料棒が入っている。
稼動をやめたところで、使用済みのものも含めて燃料棒の
始末をどうつける。
始末をつける場所はあるのか。
誰が始末をつけるのか。

東電は福島第一の事故処理作業員を集めるために、
東芝に一人5万円を出したという。
東芝はそれを下請け業者に丸投げし、第六次下請けまで
経由した後で、実地に働いた
作業員たちには、支払われた
日当は僅かの1万5千円でしかなかった。

こんなヒドイ日当ピンハネが行なわれた真相を、細野担当
大臣は国民に説明する義務があると思うが如何。

作業員たちは「良い働き口がある」とだけ聞かされて、連れて
こられて初めて福島第一と
知ったとも言う。

いまだに小泉総理の人気が高いが、規制緩和の美名の下に
労賃ピンハネ派遣業者を
跋扈させた罪は大きい。
誰か英雄が現れて、人事派遣業者の摘発を徹底的にやって
もらいたい。

野田は増税の前に「やるべきこと」が山積していると知るべし。



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