日経新聞夕刊の「夕&Eye」の担当記者に
申し上げたい。
この間から始まった連載「人工透析」②を読んで、
「ああ、こんな気楽に腹膜透析が出来るんだ」と
誤解を招きかねない記事内容に、愕然とし、
敢えて自己体験を元に、真実を語りたい。
大きな文字で「携帯型装置で旅も可能に」とあるが、
実態はそんな気楽なもんじゃない。
ここで紹介されている、腹膜透析(CAPD)は、
余ほど患者の自己管理の強い意志と、能力が無いと
まず継続はムリです。
第一お腹を切り開く手術が必要。
全身麻酔でやります。
毎日自分で4回のバッグ交換をやる。
旅行には行ける事は行けるが、
持参する透析液以下の必要器具の数々の重いこと。
海外旅行も可能ではあるが、実際問題として、昼間
外出先で、どこで液交換をやるのか。
ボクはスイスで、仕方なくテラスレストランの主人に
断りを入れて、コート賭けに吊り下げたりしたが、
その煩わしさといったらない。
腹膜透析がダメとは言わんが、72才でこの後の
長期継続はまずムリでしょう。
いずれ菌が入り込み腹膜炎を起す可能性が、
限りなく高い。
また開腹手術をやらねばならない。
ボクは透析生活、もうすぐ丸十年を迎える。
途中でCAPDに切り替え、ドイツ・スイスへも行き
国内旅行も数度行った。
一年もたずに腹膜炎になった。
血液透析に戻って6年。CAPDよりも遥かにラク。
二度とCAPDなんかやりたくない。
パパゲーノ