挑戦!シナリオライター(映画・ドラマ)

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長澤まさみ&妻夫木聡「涙そうそう」感想

2006-10-01 11:42:16 | ドラマ・映画
長澤まさみ&妻夫木聡「涙そうそう」を見てきた。
yahoo評価で5点中3点。この評価は私の評価と同じだが
今、公開されてる映画の中で一番に挙げられる映画だと
思う。勉強のために、もう一度は見るつもりの映画だ。
さて、以下はネタばれの感想なのでまだ見ていない
方は読まないように。









沖縄の景色と長澤まさみが美しいのが良く分かる映像だ。
土井監督が得意とする美しいものをより美しく撮る映画、そう
表現できる映画だ。そして、それなりにジーンとくる。

しかし、最も勿体無いのは回想シーンが多いこと。
特に映画の始まりに集中して多いためこれから映画を見ようとす
る観客の興味が薄れる原因になっている。
半分以上はいらない回想で、逆に現在の兄妹を見たい観客がいら
いらしていた。
そして、最後の回想シーンも余計だ。何人かからため息が聞こえ
た。終わった、長澤まさみが「にーにー」から贈られた着物を着
た写真が映った。
いい終わりだと思った瞬間の回想シーン、これは興ざめな終わり
だった。

シナリオライターが多分に計算しすぎたストーリーだ。そのため、
逆に観客にストーリーを読まれてしまっていた。
しかも、映画とドラマが違うということも意識していないと思える。
テレビドラマなら恐らく最初と最後の回想シーンは気にならなかった。

映画の場合、観客は席に縛り付けられる。テレビはながら見ができる。
この違いに気づいていれば余計なシーンは作らないと思わないと映画
は面白さが半減する。

私なら最初の回想シーンは一つか二つにする。そして、「にーにー」
が亡くなるシーンにカオル(長澤まさみ)を出演させ「にーにー」に一言
「成人式見たいな」と言わせる。その後、同じように亡くなるシーンは見
せない。
そして、宅配便のシーンでは手紙は短く「カオルンがこれを着ている姿を
見るのを楽しみにしている」程度の内容にする。
それから、浜辺でおばあさんとカオルが話すシーン。おばあさんに話をさせ
過ぎている。そのため、折角のカオルの涙が生きていない。
「泣きたければなけばいい」この一言で十分なはずだ。

最後の回想はカットか、あくまでやるなら、幼い兄妹が浜辺を歩くシーン
から着物を着たカオル(長澤まさみ)が砂浜を懐かしそうにしながら歩く
シーンにいつのまにか摩り替わるようにする。

上のような手直しでもう少し感動が増すと思うがどうだろうか。

さて、最後に長澤まさみ。ストーリーが感情移入しやすいものだったせいか
ようやく大器の片鱗を見せてくれる演技になっていた。
「ラフ」のような何を考えて話しているかわからない演技ではなく、感情と
セリフが一致して非常に魅力的なカオルを演じていた。

この演技を積み重ねていけば、堀北真希の演技にたどり着けるだろう。
それにしても、年齢がバレるだろうが平成の吉永さゆりと思える美しさと人を
惹き付ける魅力を持った女優ではある。