papalion - 航海日誌

東京で活動するライブバンド papalion(パパライオン)のブログです。

お遍路を自転車で・・・06(2日目3)

2007年04月20日 | お遍路を自転車で・・・
お遍路一覧(廻った順)ページはこちらから >>> ①徳島~高知編 ②高知~愛媛編

2006年の秋、自転車でお遍路四国八十八ヶ寺を廻った話の続き。

お遍路を始めて2日目、その日は10番切幡寺、11番藤井寺と廻って、12番焼山寺まで打つ(参拝する)予定だった。
写真は11番藤井寺から12番焼山寺に向かう途中の梨の木峠(梨の峠)。
はじめてのお遍路、はじめての峠。はじめての峠越え!の話。

11番藤井寺を出発したのは10:40、途中昼飯を食って、置かして貰ってた荷物を前夜宿泊のホテルに取りに戻り、梨の木峠越えに挑んだのは11時半過ぎ。
どの峠を越えるかで直前まで悩んだが、梨の木峠が一番近く、地図上では7kmくらいだったので、それに決めた。遅くても13時ぐらいには梨の木峠を越えてるかな~、フフフーンって、軽い気持ちで登りはじめた。
ミカン畑を横目に見ながら。
祖母の家のポンカン畑を思い出すような、懐かしい風景の連続で楽しかった。
しかし、頂きが見えない山道、人が手を入れていない森が続くと、さすがに不安と疲れが出てきた。

きつい、危険、疲労。
はじめての峠越え、結果、お遍路の苦難を身にしみた2時間弱だった。


梨の木峠への道を登りはじめた時は民家もあり、眼下には吉野川沿いの開けた徳島平野を臨み、美しい光景だったのに。

しかし、美しい自然の景色が逆に心を萎えさせていった。
身体の疲労と比例するように不安に駆られた。
上れども上れども山の頂上は見えないんです。

正午を過ぎ、秋の日の短さからか、急な山の斜面の北側のせいか、周りがどんどん黄色に彩られていった。
それは、日が落ちてきていることを意味していて、さらに「このままだと夜の山に取り残されるかもしれない」という不安な予感を、早く峠を越えないと!と気持をあせらる風景だった。
お遍路2日目でお遍路旅は終焉を迎えるのか?という自問も何度も頭をよぎった。

このままじゃまずい!と山道の先を急いだ。
滝のように流れる汗と筋肉疲労。
スタミナに関しての自信は全くないし。
不安からくる焦りを抑え、とにかく呼吸を整え、遅くてもいいからと、時速5km程度のスピードでのらりくらりと一本道を登り続けた。

ヴゥゥゥゥゥ、突然、藪の中から黒色の中型犬が出没。
野犬であろう黒犬と目が合う。
恐怖に汗が引く。
高鳴る動悸を抑えながら。

唸る野犬をにらみつけつつ、自転車を押す歩幅も広く、スピードもあげた。
野犬が見えなくなるカーブを曲がりきったところで、どっと汗が出た。
と同時に「まじでやばい!!ここの山道を切り抜けないとやば過ぎる…」
と感じた。

木々に覆われて真っ暗になる林間トンネルを何度も抜け、やっと山頂が見えそうな場所に出た。
「うお~!」という雄たけびが自然と口をつく。
山頂間近で、少し安堵を感じながら自転車を突いていたら、突然スズメバチがヘルメットに激突!
またまた息を乱して、汗ぐっしょり、足元ぐらぐら、万が一のために2本携えてたペットボトルも残り少ない状況の中、道の先に峠らしき風景が見えてきた!

今度こそようやく峠! 梨の木峠だ!!!!!!!!!!!!!!
こんな命の喜びを感じた歓喜は、僕の人生の中で一度もない。

ありがとう。


ちなみに、山を上り始めてから峠に着くまで、2時間弱、一度も人と遭遇してない。ここは日本なのに。

お遍路始めての本格的な峠越えは苦難の連続。
梨の木峠。一生忘れられない。

続きは>>お遍路を自転車で・・・43で。
>>papalionホームページ


最新の画像もっと見る

コメントを投稿