おっさんノングラータ

会社帰りに至福を求めて

モーテル(40点)

2007年11月19日 | 映画2007
残念ながら赤ヘルかぶった野呂圭介は出てきません
IMDb(6.4/10)

ディスタービア』と同じで、トレイラーでプロットを全部オープンにしたサスペンス映画。即ち、やむを得ず山間のモーテルに宿泊することになった夫婦。テレビが映らないのでデッキにビデオを挿入してみると、そこには自分たちが泊まっている部屋の映像が映し出される──仮面をつけた男たちが部屋に乱入し、宿泊客を惨殺する映像だ。そしてカメラ・アングルを逆にたどっていくと、隠しカメラが見つかった。

立てこもり型ホラーのシチュエイションだが、敵は3人だけ、立てこもっている場所は襲撃側のホームであり、しかもモーテルの一室と狭い。襲われる側には特別なスキルもアイテムもなく、そのままでは一方的に殺されるしかないため、空間的な広がりが追加されることになる。アイテムは途中で入手するにしても、もう少し映像を解析する努力をさせるなどして、空間的制約を逆手に取った演出をしてくれれば面白くなったのではないかと思う。

主演は『アンダーワールド2』『アビエイター』『ヴァン・ヘルシング』のケイト・ベッキンセール。脱いで嬉しいか? と問われると微妙だが、お色気シーンは皆無。ちょっと頼りない旦那はルーク・ウィルソン。『俺たちフィギュア・スケーター』にセックス・カウンセラーのちょい役で出演しているらしい。

圧倒的な優位で戦いを進めているのに、転がっている拳銃の上に獲物を投げ飛ばす間抜けな殺人鬼もどうかと思うし、何十人も殺害してスナッフ・ムービーを撮り続けて疑われないモーテルも変だが、そこは「映画の嘘」と割り切るべきか。割り切ったところで、映画に没頭できるわけでもないが。実際、予告編で見た『アイ・アム・レジェンド』のゾンビの全力疾走を思い出したり、「スナッフ・ムービーと言えばこの映画は面白いんだろうか」なんてことを考えていた。いわばB級テイスト漂う映画だが、『グラインド・ハウス』のようなわかってやっている余裕は感じられず、全力で頑張ったけどこの程度でした、といった印象。

映画が始まる前、隣に座った老夫婦が、「モーテルに4人くらいが泊まって、最後は客が人形になって、わけがわからへん映画を深夜に観たけど、あれをもう一度観たいねん。TSUTAYAで聞いたけど、そんなんない、言われた」などと話していたが、それ『アイデンティティー』でっせ。エンド・ロールが始まるや、「こんなん観るんじゃなかった」と早々に席を立ったが、帰りにTSUTAYAで『アイデンティティー』を見つけられただろうか? 見つけられれば、良い口直しになったはずだ。

(評価は100点満点です)


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