一人でハッピーアイランド

地方の小さな大学で日々考えることなど。
やっぱり、大学ってぬるま湯で天国だなあと思うこのごろです

何と闘っているの?

2006年06月11日 | Weblog
私は何と闘っているのか

この大学に来て7年目。私がずっと闘っているのは、学生に媚びを売ろうとする大学の姿勢。

大学はサービス産業である。

私もそう思う。問題は、どんなサービス(商品)を売るかだ。

少子化による大学経営の困難さが問題になってきた10年くらい前から、教育の内容や方法の議論が出来なくなってきている。
教授会の議題のほとんどが、大学の運営や経営のこと。
確かに、ここ10年、大学の「副次的」な学生サービスはよくなってきた。
国立大学ですら、大学・入学案内のパンフレットがきれいになり、アルバイトの紹介、就職の斡旋など様々なサービスを提供するようになった。

しかし、その一方で私立大学を中心に、
とにかく入学生を確保しなくては、というのが最優先され、
「そんなこと言ってたら学生を集められない」
という一言でカタがついてしまう。
いや、そんな議論さえ出来なくなった。

こうすればもっとよい授業ができる。
という発言を、「経営を圧迫するから」という理由で自己規制してしまうのだ。

最もひどくなり続けているのが入学試験。

すでに、中学卒業程度の漢字の読み書きもできない。まともな日本語が書けない。ほとんど本を読まない。
そういう子が半数近く。
本を読もうと思わない。90分黙って座って授業を聞くことができない子が一割。
それが現状なのに、

入学試験のハードルを積極的に下げていく一方なのだ。

そんな状況にもかかわらず、多くの先生は真面目に頑張っている。
中学1年生程度の英語しかわからない学生に、必死になって英検3級、あるいは2級程度までの力をつけさせている。
そんな先生には本当に頭が下がる。

しかし、
そういうことは、大学でやるべきことなのだろうか?
いいかげんな授業しかしない私ですら、こんなに疲れるのに、真面目で熱心な先生の心労はどれくらいなのだろうか。
精神的に続くのだろうか?


今や、日本では、勉強しなくてもどこかの高校には入れる。そして、勉強しなくても、する意志がなくても、どこかの大学に入れる。
その「どこかの大学」のひとつに私がいる。

前回書いたように、こんなはずじゃなかった。
受験勉強しかしてこなかった、知識はあるけど頭コチコチの学生を相手に。
「まあ、
のんびり、楽しく、スキなことやろうよ。」
と、コーヒー飲みながらゼミをやったり、調査行ったり。
その夢は
はかなくも消え、1年生にはコワイ先生をしている私。
私は中学校の教師ではない。

私がやりたいような授業ができる偏差値の高い大学もどこかにある。
しかし、
そこに採用されるような、業績と実力は私にはない。

なーんだ。自業自得じゃないか。

と、もうひと月近くも雨が降り続く沖縄で、二重に落ち込む私なのでした。







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4 コメント

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Unknown (ラフテー)
2006-06-12 00:28:39
今回の記事とも関連しまして、

先生に、聞いていただきたいことがたくさんあります。



今月末、帰省する予定です。

その際には、ぜひ先生のところへ伺わせてください。

愚痴ばっかりにならないように、気をつけたいと思います(笑)。
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悩ましいことですね (うさこ)
2006-06-13 23:13:50
 乙さんのブログをみてワタシも首を縦にふってしまいました。大学とはなんなのか、今岐路なのかもしれませんね。

 それよりも!!大雨が続いているとのことですが、お住まいは大丈夫ですか?
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崖崩れ (本人)
2006-06-14 01:21:32
とても見晴らしがよくて、たまに車とめて景色を眺めていた場所が、見事に崖崩れ。なんと全国ニュースでした。

いつかは崩れるだろうなあ、と思ってました。

この長雨はやばい。と思ってたら、見事的中。

そういえば、ワールドカップの3対1も当ててしまったし。今年の長梅雨も予想通り。ヤクルトの交流戦大活躍も当てたし。

ひょっとしたら、神懸かりな力が目覚めたかも。去年卒論指導でユタ(シャーマン)をやったせいなのかも。

開業したらブログ常連者は9割引きでみてあげますね。細木なんとかよりは当たるぞ。トリックの野際陽子くらいは当たるはず。
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ロト/TOTO (s.o)
2006-06-14 01:38:14
> ひょっとしたら、神懸かりな力が目覚めたかも。

ロトかTOTOを買いませんか?

で、こっそりその番号を教えてください。
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