腐れゲー道

プレーしたゲームの感想文を、ダラダラと粘着質に綴ります。

バイオハザード5 前編

2009年04月12日 03時13分23秒 | XBOX360ゲーム感想文
クリス「この世界は、命をかけてまで守る価値があるんだろうか?」
俺「このゲームは、発売日に予約してまで買う価値があるんだろうか?」


既に同ネタ多数だろうが、発売日に思いついたので使っておく。
ええ、ちゃんと、発売日に買ったんですよ。
もちろん、わざわざ発売日買いしたんだから、すぐにプレー開始しましたよ。
……で。
たかが2周にこれだけ時間がかかったり、間に「レガイアDS」挟んだ事からも、察して下さい。


クリス「だがこれだけはわかる。俺には、やらなければならない事がある」
俺「同意」
クリス「……誰だお前は」



クリスさんと違い、俺の場合、それはただのゲームプレーですけどね。
買ったんだから、バイオ最新作なんだから、やらなきゃいけないのである。
いやぁ、使命に燃える男って素敵ですね。
……はぁ。




正直、乗れなかった。
体験版の感触を考えると序盤からハマれるとは思っていなかったが、
やってりゃそのうちゲームが馴染んでくるのだと期待し、少しずつプレーを進めた。
しかし進めど進めど、気持ちが乗ってこない。電源入れる気が起きない。
文句なしのグラフィックも、体験版より気持ち可愛くなったシェバの乳尻も、
比類なきバイオハザードの正統な続編という位置づけも、
「ゲーム」の根本に対する違和感を拭ってはくれなかったのであった。
まぁ2周目のベテランモードは楽しめたんだけどね(1周目はノーマル)。
それはちと違うんだよなぁ。


もう根幹から「合わない」と思わざるを得ないのが、
「バイオハザード5」の根幹を成す「COOP」システムだ。
妙な名がついてはいるが、要するに二人同時プレーである。
全く同列の仲間二人で行動するというスタイルは「0」と似ているが、
あちらは一人のプレーヤーがキャラを切り替えて
操作していただけであり、結局は一人プレーのゲームだった。
しかし5は違う。最初から最後まで、完全に二人同時プレーを想定した作りになっている。
オフラインなら画面分割で、オンラインなら見知らぬパートナーと。
そして、一人プレーなら?
当然のように、コンピューターが相棒を務めることになるのだ。


どうだろう、これ。
前作でも、ゲーム全体の激変から「これがバイオか?」
と思ったものだが、今作ではそれ以上である。
そういうステージ「も」あるとか、追加のオマケで二人プレー可能、とかなら分かる。
実際、体験版の時点では、そういう仕様だと思い込んでいた。
でも、完成品ですら二人同時プレー「前提」って。正直、理解ができない。

俺はまだオンラインプレーを一度もやっていない。
ハッキリ言って、そんなもんをしたいとも思わない。
バイオハザードには、一人でじっくり取り組みたい。
一人で攻略を、物資の使い方を考えたい。
人と遊ぶ楽しさを否定する気は毛頭ないが、
どんなゲームでもそれをしたいかと言えば、そんなわけがない。
なんでこんな前提なのか。なんで強要されるのか。
理解ができない。


「強要なんかしてませんよ。嫌なら一人プレーできますよ」
とカプコンは言うかもしれない。
そう、もちろん、相方をCPUにしての一人プレーは可能だ。
事実、俺はずっとコンピを相方に5をプレーした。
なら、それでいいのでは? 
……ちっとも良くない。


一人プレーが可能であっても、あくまで前提は二人プレーなのである。
キャラの能力はほぼ同等で、どちらからが死ねば当然ゲームオーバー。
シナリオ上で二人が別々に行動することも一切ない。
完全に一心同体の二人を、俺とコンピが別々に操作するのである。
……息が合うわけないだろう。
弾は好き勝手使うし、かと思えば手榴弾等を使わず溜めまくるし、
回復アイテムの使い所を考えないし、ピンチになってもすぐに助けに来ないし。

例えば俺が、即死攻撃が怖いが動きが緩慢なチェーンソー野郎の攻撃を見てから避け、
隙を攻撃しようとしても、アホな相方が律儀に俺の傍をウロウロしてくれるので、
どうしてもチェーンソーを食らってしまうというシーンがあった。相方が、ね。
俺の攻略自体は、アクションゲームの基本に則った、正しいものだと思う。
それをぶち壊してくれる頼もしいはずの味方。
少なくとも今作のAIプレーにおいて、細やかなプレーは絶対に出来ないだろう。
そんなプレーを強いられるんだから、当然ながら「AIがアホ過ぎる」
という感想が生まれることになる。はぁ。


つっても、こんなの当然である。
どだい、機械にンな理に適った行動を取らせられるわけがない。
カプコンだって、相方のAIに関しては、非常に注意深く調整したのだと思う。
だが、俺に言わせれば、そもそも前提がおかしいのだ。
なんで、二人同時プレー前提なのか。
前提がおかしいから、こんな理不尽なことを強要されてしまうのだ。

アホと言うだけでなく、画面構成においても、相方は邪魔である。
単純に視界をウロウロしまくるのが目障りで仕方がない。
前作のアシュリーなら「止まれ」という指示を出せたが、
今作では指示は「攻撃的」「守備的」の2通りしか出せない。
戦闘時はもちろん、せっかくの美しいグラフィックを堪能しようという時にも、
相方がいつも邪魔だった。相方なのに。はぁ。

ちなみに、これほど常時共に行動する相方と同士討ちが可能になると
さすがにゲームにならないので、今作では味方同士の攻撃が一切当たらない。
ゲーム的には正しい処理なんだろうが、絵的には非常に違和感があるシステムである。
まぁゲーム設定を変えると当てるようには出来るのだが、それでもダメージはゼロ。
ショットガンで撃たれて血が吹き出てるのに、ダメージゼロ。笑。
……根幹に無理があるから、こんなことになる。
はぁ。

そして、「アホなAI」の逆の不満もある。
シェバをCPUに任せると、射撃の精度が非常に高い。
ボス戦等では、人間以上に有能な相方になることもあるのだ。素晴らしく頼もしい。
……だが、こんなの嬉しくない。
そりゃ機械が動かしてるんだから、
やろうと思えば射撃の精度なんて幾らでも上げられるだろう。
命中率100%、回避率100%の超相方にすることも可能なはずだ。
でもそんなのが面白いわけがない。別に機械の正確さを見たいわけじゃいんだから。

アホでも困るし、有能過ぎてはつまらない。
じゃあどうすりゃ満足するの、って?
俺が求めるのは、物資の使い方にちゃんと先を見る目があり、
仲間のピンチにはすぐ行動し、視界で邪魔にならず、射撃精度は適度な、そんな相方だ。
そんな動きをAIで出来るか? 出来るわけがない。俺も期待はしていない。
そもそも、二人同時プレーという根幹に、無理があるのである。
……はぁ。



COOPシステムはゲームの根幹にあるだけに、他の部分にも影響を多々与えた。
何よりも難度だ。
実はこのゲーム、難しくない。簡単な部類に入ると思う。
と言うより、製作者が難度調整をほぼ放棄していると感じた。

まず驚かされたのが、完全回復アイテム・救急スプレーを常時買えること。
前作でも難度イージー以下だと買えたが、今作では全難度で可能。
価格も1000と安すぎるくらい安い。また、何本でも買える。

……これでいいのか。いいわけがない。
バイオシリーズにおける一番の恐怖は、何と言っても物資の不足である。
まぁ4では弾薬の入手が楽になったが、あくまで弾薬に限ってであり、
回復アイテムについては毎度毎度、足りなくて困らされた。
個人的にこの感覚は、バイオシリーズに一貫した良さ、良質のストレスだと思う。
逆に、潤沢に回復アイテムがある時の安心感も、バイオの楽しさの一部であると思う。

……だがそんな感覚は、回復アイテムが限られているからこそだ。
完全回復がいつでも、安価に入手できる状態で、何を思えと言うのか。
実に白ける。なんなんだよこれは。

まぁ、こんな風にした理由は想像できる。
なんせ今作は相方がいるのだ。俺と同等の行動権を持った相方が。
そんなのが存在する以上、回復アイテムの緻密な管理なんて出来るはずが無い。
仮に購入不可にすれば、確実にハマるシーンが出てくるだろう。
だからこうなった。その結果、実に白けた。
……原因は、明らかにCOOPだと思う。
はぁ。


次に驚かされたのが、チャプターセレクト制。
ゲーム全体をチャプターで区切ってあるのは前作と同じだが、
何と今作では、過去のチャプターに自由に戻ることが出来るのだ。
つまり、例を挙げると、チャプター4-1まで進んだ状態で、
チャプター2-2を再プレーすることが可能なのである。
そして2-2クリア後は、4-1から続きをやることも可能。
つまりチャプタークリア後は、共通のメニュー画面に戻り、
そこからクリア済みのチャプターならどこへでも飛べるという形になっているのだ。

どうよこれ。
リアリティの欠片もない。いつクリスは次元移動能力を身に付けたのよ。
これで何が可能になるかと言うと、稼ぎである。
クリア済みの楽なチャプターに戻り、物資や金を再度入手し、また戻る。
これを繰り返せば無限に稼ぎが可能なのだ。

正直、アホかとしか思えない。
これでどう「恐怖の頂点」を味わえと言うのか。
多分製作者は「嫌なら使わなければいい」と言うのだろうが、そういう問題ではない。
そもそもこんなもんを用意していることが問題なのだ。
こんな魔法が可能なら、物資の節約なんて殆ど意味がない。
緊張感なんて生まれるはずがない。
俺の思うバイオハザードの良さを、完全に捨て去ってしまっていた。
原因は、明らかにCOOPだと思う。
AIの相方などという、不安定な要素を根幹に置くから、こんなことになる。
……はぁ。


最後に、完全持ち越し制度。
前作でもクリア後の再プレーでアイテムや金を持ち越すことが可能だったが、
異なる難度だと不可能になっていた。
つまりノーマルでクリアーしても、プロフェッショナルに物は持ち越せない。
プロで持ち越しプレーをしたいなら、一度プロをゼロからクリアーしなくてはならないのだ。
理に適った、筋の通ったシステムだと思う。

それが……もう言うまでもないが、5では全難度共通で持ち越しが可能なのだ。
アマチュアで思い切り楽に稼ぎをし、その金で武器を強化し、プロに挑む。
などと言う甘えたプレーももちろん可能。いや、製作者がそれを奨励している。
緊張感などないに等しい。

実際、ゲーム難度もそれを前提に調整してあるようで、
今作ではゼロからプロを始めるとなると、恐らく洒落にならないくらい難しいだろう。
だがそんな事は想定されていないから、問題ないのだ。
プレーヤーは、武器を改造しまくり、装備を充実させてからプロに挑むのだ。
だから理不尽に難しくても問題ないのだ。あはははは。
……はぁ。


前作のプロも最初は驚愕するほど難しかったが、それに負けじと思わせる面白さもあった。
一から始めるのも面白かったし、2周目に無限ロケランで暴れるのも最高に楽しかった。
だが、5にそんなもんはない。ベテランまではやったが、プロはやる気がしない。
俺は極端な条件を楽しむやり込みプレーがしたいんじゃない。
製作者が綿密に調整した難度を、製作者の挑戦状を、正面から受け止めたいのだ。
だが5の難度に、緻密さなど全くない。完全にそれを放棄している。
燃える要素がどこにもない。やる気がしない。やる気がしない。
……はぁ。
全ての原因が、COOPにあるとしか思えない。





ここで分ける。
まだまだ語りたいような、もう止めたいような。



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2 コメント

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Unknown (通りがかり)
2019-02-27 00:11:02
もう10年経ってるのでこのコメントを見ないとは思いますが一応シェバについて書きます。シェバは熟練したゲーマー程うざく感じてしまうかも知れません。ですが初心者やまだ少し慣れてきたかな?程度の時には頼もしい相棒でした。死角をある程度守ってくれるし前に出向いて敵を倒してくれる。ナイスなタイミングで手榴弾を投げてくれた事もありました。それに一人より安心感が有りました(笑)。4から始めたのですがその時は一人(アシュリーは居るけど戦えない)なので私としては不安感が大きかったですね。ただ難点が本格的に慣れてくるとシェバの動作が苛ついてくる事ですね。気持ちは良く分かります。私もシェバがチェンソーにやられました。その時は何してんだよ馬鹿がと思いました(笑)。ただ、熟練のゲーマーなら逆にシェバを守ろうぐらいの気概があっても良いと思います。ちょっと不快かもしれませんがこういう見方も有るのかと捉えてもらえればと幸いですm(_ _)m。
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Unknown (ota)
2019-02-27 20:41:24
コメントありがとうございます。古い記事でも関係なく、頂いたら通知で気付きますよ。嬉しいです。

>死角をある程度守ってくれるし前に出向いて敵を倒してくれる。ナイスなタイミングで手榴弾を投げてくれた事もありました。
なるほど、シェバが救済措置として大いに機能していたということですね。
本文でも書きましたが、今作は回復薬の無制限購入が可能となり、難度はかなり下がってます。COOPもその一環なんでしょうね。
>ただ難点が本格的に慣れてくるとシェバの動作が苛ついてくる事ですね。
はいw プレーヤーの練度に合わせて動きを変えてくれるのが理想ですが、そういう調整は出来なかったみたいですね。

>ただ、熟練のゲーマーなら逆にシェバを守ろうぐらいの気概があっても良いと思います。
俺は全然熟練ゲーマーじゃないですがw こういう視点もいいですね。シェバを守るのもまたゲーム性という。
そのためにも、やはり「下がれ」や「後方支援に回れ」くらいの指示は出せるようにしてほしかったな……。
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