腐れゲー道

プレーしたゲームの感想文を、ダラダラと粘着質に綴ります。

ファイナルファンタジー13-2(PS3版)

2012年06月15日 01時00分57秒 | PS3ゲーム感想文

ふと気付けば、かつての「次世代機」がすっかり「現行機」になっており、それどころか「旧型機」になろうとしている。
つまりゲームハードの現世代が終了、でなくとも終盤に差し掛かってきているわけだ。
現世代も、色んなことがあった。俺自身も全てのハードを購入し、それぞれを俺なりに使用してきた。
グラフィックの超進化、ネットワークの絶進化、洋ゲーの台頭、モーション操作の大流行……まぁホント色々あった。
俺はそういった流れに正直あまり乗れなかったが、俺の性格上仕方ない。世間はいつもこうなのさ。俺だけを置いて動くんだ。チッ。はぁ。

そんな俺が、現行機の作品中、最も「期待した」タイトルは、比類なき「ファイナルファンタジー13」であった。
別に深い理由はない。俺は感性の古い地球人なので、「超大作RPG]という、今では死語になった言葉に未だに惹かれてしまうのである。
FF13は、超絶ハード(と当時は思ってた)PS3において、開発費と人的資源を惜しみなく投入し(多分)製作された、超大作RPGである。
PS3登場直後からデモムービーが公開され、以後3年以上、期待を大いに煽ってくれた。
ソフト発売前にはPS3新型モデルが投入され、値段もお手頃に。正に機は熟した感じだった。俺もこの時に本体を購入した。
そして迎えた2009年12月17日、ファイナルファンタジー13、発売。当然発売日に購入し、俺が現世代に唯一見た「夢」が今始まった。

……で、夢は所詮夢だった。FF13はとてもじゃないが満足できる作品ではなかった。完全な駄作と言う気もないが。
シナリオとマップが信じがたいほど一本道構成で、サブイベントはほぼ無し、寄り道不可能な強制的直球仕様。
買い物や武器改造、キャラ育成のシステムもどう見ても失敗していて、それなりに遊べたのは戦闘システムくらいだった。
強く期待していたグラフィックについては申し分ない出来だったが、「ゲーム」部分に関してはFF史上最低だったと思う。
世代が進んだならより「凄く」なるものと思っていたのに、実態は旧作より退化しているという体たらく。
俺が「次世代」に抱いた期待を木っ端微塵に打ち砕いてくれた。同時にPS3へのイメージも悪い方向に変えてくれたと思う。
その後も追加コンテンツの存在を匂わせていたのに何もなし、「絶対にない」と断言していたXBOX360版を発売する等、FF13にはケチが付き続けた。
FFの大きな特長だったグラフィックの凄さも、洋ゲーの躍進もあり、最早FFだけが別格というわけではなくなっていた。

そんな折、今作「ファイナルファンタジー13-2」が発表された。機種は、前作の失態からか、最初からPS3とXBOX360のマルチだった。
俺は最初、この発表に困惑した。と言うのも、FF13の続編は出るだろうが、それは「ヴェルサス13」の事だと思い込んでいたのだ。
ヴェルサスは別に発売中止になったわけではなく、今もPS3のソフト予定表に載っている。……一応、ね。
まさかヴェルサスとは別に、完全続編を発売するとはなぁ。それでいいのか。
それだけ13が好評だったのか。或いは不評だから補填しなきゃならんのか。
ともかく13から丁度2年の2011年12月15日、FF13-2が発売された。あの13の直接続編がどうなるのか、注目度は高かったと思う。

しかし俺自身は購入する気がなく、実際スルーした。
俺は「FFシリーズは必ずプレーする」と決めているが、それはあくまでナンバリングタイトルのこと。
純粋なナンバリングでない今作は条件に当て嵌まらない。
また当然前作の手応えが悪かったことの悪印象が残っていたし、ヴェルサスがあるのに発表された事にも違和感があった。
何より前作のシナリオ兼ディレクターである鳥山求氏を継続してディレクターにしている点に非常に不安を感じていた。
シナリオ兼ディレクターってことは、俺が前作で感じた不満点はほぼこの人の責任ということになる。
ハッキリ言ってゲーム屋さんとして現在俺が一番信用できない人だ。
前作の作りに不満が多かったのは俺だけじゃないし、続編作るならこの人を外すのが当然だと思う。だがスクエニはそれをしなかった。
そんな色んな意味で「13の続編」である今作は、まぁ全く興味がなかったわけではないが、わざわざ手を出すべき作品はないと判断した次第である。


……が、こんなモン書いてるんだから当然だが、結局買った。プレーした。クリアーした。そして今に至る。
理由? 値崩れだよ! 言わせんな恥ずかしい。
だって2980円とか見たら心ときめき胸ざわつくだろ普通! 実は常に下がり具合をチェックしてたし。
ちなみに購入時は底値を見切ったつもりだったが、今では更に1000円ほど相場が下がっており、非常に残念な気持ちだ。修行が足りない。
まぁこの値崩れを考えたらやはり発売日にスルーした事は正解だったし、この値段ならどんな出来だろうと俺は買っただろう。
んでまぁ買った以上はやるわな。やる以上は楽しむべきだよな。前作の不満や鳥山の名は一先ず忘れよう。
ファイナルファンタジー13-2、始動。取り敢えずパッケージに天野絵はもう要らんと思うんだが……。


そもそもこの作品、このタイトルで、まずFFファンが思い出すのは、「FF10-2」であろう。更に言えば、その悪評だろう。
PS2初のFFとして発売されたFF10は、内容の評価も高く、理想的なヒットを飛ばした。当然その直接続編となる10-2にも大きな期待が集まった。
しかし10-2は、10のおかげで売れはしたが、評判は非常に悪かった。俺はあの作品の高評価を見たことがないくらいだ。
中でも「雰囲気の激変」が大変不評だったと記憶している。しっとり重い10に対して、10-2は180度変わってバカっぽく明るい作風になっていたからだ。
この件については個人的に結構異論があるんだが、今はやめとく。とにかく10-2が殆どシリーズの汚点とされてるのは事実だと思う。

で、その悪い思い出を想起させる今作だが……さすがに10-2ほどではないが、13に比べて雰囲気がかなり軽くなっている。
13はルシ化の末路や聖府に追われる立場など、明るい部分が皆無と言えるほどの内容だったが、今作は重すぎず軽すぎず、なかなか理想的だと感じた。
マスコットキャラ・モーグリを前面に出した作りは今作の特徴と言えるだろう。成功してるかどうかは微妙だが。
そして批判を浴びまくった一本道構成も大幅に改良され、もちろん本シナリオはあるが、
進行にある程度の自由度が設定され、寄り道要素も多く用意されていた。
ハッキリ言ってしまえば、前作より面白くなっている。実際俺は前作より楽しめた。
プレー前予想よりはずっと良かったので、掘り出し物だったと思う。買って良かった。
前作の一本道な非ゲーム性を理由に今作を避けている人いたら、取り敢えずそこには手を加えて改善してあると言おう。ポッ。
ちなみに10も13ほどではないが相当な一本道構成で、10-2は進行自由度が高い作品だった。
その意味でも今作は13と同時に10-2の続編とも言えるかもしれんな。


……が、せっかく一本道が改良されたのに、前作をほぼそのまま継承している部分が大いに不満だった。
戦闘システムである。これが前作と変わらんのだ。ホント驚くくらい変わってない。これが、面白くなかった。
前作での戦闘は作中のゲーム部分で唯一遊べる要素だったが、それは相対的な話で、純粋に面白かったとは思わない。
爽快感はあるものの単調で飽きるし、細かい指示が出来ないからCPUが勝手な事ばかりするし、スピードが速すぎて迅速に対応できないし。
範囲攻撃の概念があるのに、移動を自在にできないのも非常に不満だった。どう考えてもおかしいだろあれは。
まぁ骨子は良いとしても、改良を加える余地は大いにあると感じていた。もし続編でも採用するなら、思い切りパワーアップさせて然るべき、と。

なのに今作の戦闘は、ほぼ前作まま。アタッカーやエンハンサー等のクラスも、クラスの並びを決めるオプティマシステムもそのまま。
オプティマの名称は変わっていたが、内容は同じ。何で変えたんだか分からん。この程度で新鮮味が出ると考えたのか?
12のガンビットシステムを参考にもっと細かい作戦を立てられればいいなと13の時に思ったが、なーんにも変わってなかった。はぁ。
プレーヤーキャラは2人+モンスターの3体で、モンスターは操作できないと考えると、前作より退化しているかもしれない。何だよこれは。
ブレイクからのタコ殴りを狙うしかない単調さも、スピードだけを要求される戦闘評価も同じ。急かされすぎて疲れるんだよ。
評価のせいでディフェンダーとかの影が薄すぎる欠点も同じ。結局ディフェンダーはラスボスの最強攻撃を防ぐ時しか使わなかったな。
また、戦闘に絡むんだが、シナリオの一本道は改良したのに、成長システム・クリスタリウムの一本道制は何故かそのまま採用。
相変わらず面白みがまるでなく、また有効利用するには戦闘の度にメニュー画面を開く必要があり、面倒で仕方がない。
戦闘は百歩譲って流用ありとしても、クリスタリウムが好評だったとはとても思えないんだが……一体何故なんだ。本当に分からない。
完全続編を作るんだから、意地でも何かを流用したかったのだろうか。こんなただの手抜きを見せられても萎えるだけである。はぁ。

前作と変わってないから、ブレイク後の大ダメージタコ殴りの快感は今作にもある。でも売りにするにはマイナスポイントが多すぎるからなぁ。
最近の流行に乗り、戦闘難度はノーマルとイージーが用意されており、プレー中いつでも変更できる。ペナルティもない(多分)。
また戦闘開始直前からプレーを再開できるリスタートシステムも継続採用されているので、やり直しに関しては相変わらず快適。
ただその分、全滅が軽く、敗北が全く怖くない歪な空気も健在だ。RPGの戦闘がこんな雰囲気なのはどうかと思う。

ちなみに俺が10-2を高評価しているのは、戦闘が面白かったというのも理由の一つだ。
やや退屈だった10の戦闘より速く難しくなり、良好な手応えを味わえた。FFのアクティブタイムバトルではあれが一番楽しめたと思う。
その作品を踏襲したはずの今作が真逆のことをやってるのは皮肉と言うしかない。繰り返すが、何でここまで変わっていないんだ!?
戦闘は当然今作でもゲームの核であり、雑魚戦ボス戦問わず最初から最後まで何度も何度も何時間も付き合う必要がある。
RPGにおいて戦闘が面白くない、は作品自体が面白くないに等しい。……さすがに言い過ぎか。でも最も重要な要素ではあるだろう。
今作の戦闘は、俺のプレー意欲を削ぐばかりだった。実に残念である。はぁ。

んで上にちょっと書いたけど、今作はモンスター仲間システムを採用している。
スクエニだからドラクエ方式を採用したのか、戦闘に勝つとたまに倒したモンスターが結晶化して仲間入りする。理屈は知らん。
が、これまた失敗していると思う。そもそもFFのモンスターが仲間になって、一体誰が喜ぶのだろう。何を狙っているのか分からない。
モンスター仲間システムは、モンスターの絵柄に魅力があるか、システム的に弄り回せてこそ楽しめるものだと思う。ドラクエ、女神転生だな。
だが今作のモンスターの見た目に魅力なんか正直どこにもない。多分誰もがそうじゃないだろうか。俺はぶっちゃけ名前も全く覚えられなかった。
また、成長システムは一応用意されているが、人間と同じくクリスタリウム制で、やってて面白い所は何もない。
アイテムを費やしていればテキトーにステータスが上がり、一定の所で頭打ち。仲間どころか駒を扱う面白さすら感じられない。
これなら、せっかくキャラを前面に出してるんだから、モーグリを3人目の仲間として戦わせた方が良かったのではないか。
んでモーグリに様々なモンスターの特徴をラーニングさせるとか。今作は本当に「ただモンスターが仲間になる」だけで止まってしまっている。
「取り敢えずやっちゃえ」でやって許されるような作品ではないだろう。もう少し考えてほしかった。はぁ。




……と、戦闘方面はボコボコに貶すしかなかったが、最初に書いた通り、ゲーム自体は少なくとも前作以上には楽しめたのである。
極端な一本道構成を大いに反省し(と思いたい)、今作は幾つものエリアをワープにて行き来するタイプのゲームへと様変わりした。

今作はズバリ、時間を移動するタイプのゲームなのである。……その是非については後にする。取り敢えずゲーム部分について。
空間はもちろん、時間を飛び越え様々な未来の世界で冒険をする。ちなみに何故か過去の世界はなかったが、シナリオに絡め難かったのだろうか。
同じエリアでも時間が違えば別ワールドとして管理され、当然その時間差を活かしたイベントも数多く用意されている。
そしてこれら多彩なエリアと時間を一括管理する為に、「ヒストリアクロス」というエリアを俯瞰する拠点モードが存在する。
ゲームはまずヒストリアクロスから始まり、ここから各時代に飛び、またここへ戻ってくるのである。
これは比類なき「この世の果てで恋を唄う少女YU-NO」をかなり参考にしていると感じた。製作者は俺と一緒に菅野さんへ手を合わせよう。
ヒストリアクロスのおかげで、時間も空間もポンポン越えるが混乱することはなく、自然に異空間冒険を楽しむことができる。
サブイベントも多数用意されており、思うが侭に「寄り道」をしても良い。それはプレーヤーの自由だ。自由度素晴らしい。

ただこういう作りにする以上、本シナリオが散漫になるという欠点はどうしても発生する。「世界の危機をほっぽって寄り道かよ」て突っ込みも。
まぁ加減が難しい所ではあるな。如何にお釈迦様の掌の上を演出するか、多分永遠の課題であろう。

今作ではサブイベントは纏めて「フラグメント」と称され、ズバリ全部で160個用意されている。
内容はありがちなお使いクエストから、強い敵の討伐、単に宝箱を発見する、等色々なタイプが用意されている。
各エリアの存在するフラグメントの数は、ヒストリアクロスで確認できる。「1/5」と分かり易く表示されるので、これを埋めるのは気持ち良かった。
数が多いだけに質は推して知るべしなものばかりだが、こういうのをチクチク埋める作業も俺は嫌いではない。
いや、こういうのを楽しめるかどうかは、結局ゲームの雰囲気やシステムの快適さ次第だな。環境が良ければ、作業ゲーもまた楽し、だ。
今作はその点、少なくとも俺にとっては良く出来ていたと思う。本シナリオを進めるより寄り道が楽しかったのは、今作にとって褒め言葉だと思う。

ただ、もちろん幾つかは理不尽なネタもあり、自力コンプリートは相当根気のある人でないと難しいと思う。
俺もそこまでの気力はないので、クリア後の今は攻略サイトを眺めながらテキトーに埋め作業をやってる。コンプを目指すかは未定。
嫌がらせのような死角に宝箱を隠したりせず、楽しんでるうちに自力コンプが可能なレベルに収めてほしかったなぁ。まぁこんなもんか。



物語は……前述のように、時間移動を前面に出した内容なので、その時点でもうペチョリゲス。
ゲーム開始時点で「突っ込みは控えよう、どうせ無駄だから」と自制した。実際何かよう分からんままに進み、終わった。
カイアスが生まれる前に戻ってぶっ殺せばいいんじゃないですか? とか言ったらダメなんでしょうか。量子力学的に不可能なんでしょうか。
僕にはさっぱり分からないんですが、シナリオ書いた人はその辺全部理解した上で2次元なりのハッタリ理論を構築しているんでしょうか。
ヒストリアクロスではYU-NOを参考にししても、シナリオまでは無理だったか。時間移動は諸刃の剣だって事を分かってくれ……。


まず今作は、当然ながらFF13の続きなので、13のED後から物語が始まる。
13EDでは落下するコクーンをヴァニラとファングがクリスタル化して受け止め、コクーン人達は助かった。
ライトニングらはルシの運命を逃れ、クリスタル化していたセラとドッジも元に戻り、ライトニングは安らかな笑顔を見せるのだった……。
……て感じだったが、今作の冒頭では、ライトニングはあの時点で行方不明という設定になってしまっている。
しかし正史は13EDだと言う。つまり歴史が捻じ曲がっているのだ。それに気付いたセラは、それを教えてくれた男・ノエルと共に時空を超えた旅に出る。
「お姉ちゃんに会いたい」という願いを胸に。


…………うーん……。はぁ。なぁ。これ。
まず、コクーン人達はパルスに移住し、或いはヴァニラ達が支えるコクーンに戻り、普通に生活をしている。
俺はこの時点で全く納得ができない。時間移動は関係なく、こんなのおかしいだろうと思う。
コクーンの人間は、ファルシ統治の下の生活に完全に依存し、浸りきっていた。これは前作EDまで全く解決しない問題だった。
あんな状態でファルシの庇護を離れて自活なんて出来るわけがない。俺には前作EDからは絶望的な未来しか予想できなかった。
だが、今作は一先ず「3年後」から始まるんだが、皆たくましく新しい環境に適応し、「新政府」「アカデミー」等の組織を作り、生きている。
「人間達は意外とたくましかった」で済ますつもりだろうか。ふざけんなっての。ファルシがいなくてモンスター跋扈する世界でどうやって生活してんだ。
浅いというかいい加減というか、所詮こんなもんなのかなぁ。世界に感情移入が出来ず、開始後すぐに萎えてしまった。はぁ。

んでもう一つ、13EDでどうしても納得できなかった「ルシの運命(クリスタル化orシ骸化)を何の説明もなくチャラにした」点、
これについては今作の終盤で一応理由が明らかにされていた。

「女神エトロがライトニングら6人とセラドッジを気の毒に思い、超パワーでルシから人間に戻してやった」との事でした。
わーそうだったのかー。

……確かにファルシはより高位の存在として「神」を仰いでいたから、力関係的にこういうことは可能なのかもしれない。
だがもちろん、サクッと納得できるような展開ではない。そんなドラえもんが出てきて何とかしてくれたみたいな理由アリなのか。
今作の鳥山氏はディレクターだけで、シナリオは別だ(はず)。でもいい加減さは鳥山氏と大差ないなこれは。
まぁ前作を引き継ぐ宿命を背負わされてるんだから気の毒とも言えるが……プロとして、もう少しすっきりする形にしてほしかったな。

そして始まる今作のシナリオは、当然時間移動を主体にしているので、様々な時代を行き来し、見かけ上壮大、実態出鱈目となる。
宿敵や悲しい運命の少女なんかも出てくるが、本シナリオがアレなせいで憎むことも哀れむことも出来ない。感情移入不可能。うーん。
また続編ながら前作との絡みがイマイチ薄い。神の存在は前作でも触れられてたんだから、敵も神にすべきだったと思う。
登場キャラもライトニングとホープ以外の前作パーティメンバーは殆どゲスト扱いで、「13-2」を名乗るほどの続編感覚がない。
それでいて根元は13にキッチリ捕まれてるんだから、何とも中途半端である。
所詮この程度なのか、13の続きでシナリオを書けと言うのに無理があったのか……。
一応ゲーム性重視、シナリオはある程度度外視という方針で時間移動ネタに走ったのかも、という擁護をしてみる。うーん。
いっそ開き直って10-2レベルのおちゃらけ雰囲気にした方が良かったかもな。
ごめんやっぱそれはダメだ。俺はいいけど世間の非難轟々は火を見るより明らかだ。はぁ。

しかし何よりダメなのは、EDだろう。なんと「to be continued」で終わる。つまり今作で物語は完結しない。えええええ!?
わざわざ直接続編を出しておいて、それでも完結しないってどういうこったよ。まさかDLCでやるのか? 13-3か?
内容的にも、ラスボス倒して万事解決と一息ついた次の瞬間、怒涛の悲劇を叩きつけてきて、よく分からない映像を示したまま終わる。
何か先が気になるというよりクリアーの快感に冷水をぶっ掛けられたという感じしかしなかった。これはないだろう。誰だよ担当は。
シナリオ製作と言うより商品展開の為にこうなったのかもしれないが、だとしたらより悪質である。
こんな事してるから信用失うんだよ。値崩れで買って良かった。定価近かったら怒ってスクエニに電話してたかもしれん。
はぁ。



キャラについて。


・セラ

主人公様。正直、非常に唐突な感じがした。何でこの子? 他に適任者いなかったんだろうか。
前作でのキー人物だからもちろん知ってはいるが、序盤にクリスタル化→EDで復活 と、ぶっちゃけただ眠ってただけの人で、好きも嫌いもない。
少なくとも前作の時点じゃキャラが立っていない。主人公の器にあるとは思えない。見た目も個人的にやや人形臭くて好みではなかった。
でもこうなった以上一緒に冒険するしかないんで、女の子走りを背後からニヤニヤ眺めさせてもらった。
ちなみに今作、カメラ操作で股間は簡単に覗けるが、当然スパッツっぽいのでガードされてるからイマイチ。零式は凄かったらしいのに……。

ついさっきまで一般人だったのに、ゲームが始まった途端に剣と弓の達人になってしまう。なんでやねん。誰も俺に教えてくれない。
時間移動に関しちゃ一応ゴチャゴチャ説明があったが、セラが何故戦士になれるのかは謎のままだった。ンなの気にしちゃいかんのか。
人間キャラは二人しかいないが、定石に則って魔法系の攻撃が強い、ような気がする。主にブラスターで活躍してもらった。
お姉ちゃんに執着する割に、スノウへの態度はどうも淡白で、お前ら本当に婚約してんのかと疑わしいほど。感情が淡白つーか。
いっそノエルに揺れ動く心を描写した方が良かったんじゃないか。あんだけの良い男と修羅場潜り続けて恋愛感情を抱かない方がおかしい。
EDでは時の異能を得た副作用でぶっ倒れ、もしかしたら死んだかもしれない状態だった。さすがに気の毒である。頑張ったのに。
キャラが立ってないと上で書いたが、今作をプレーしたことで一定の好感度は抱けた。普通に幸せになってもらいたい。お姉ちゃん……。

あと普段はガキども相手に教師をやってるらしいが、とあるイベントで悪ガキども(モンスターだが)を叱りつけるシーンは、正直萌えた。
「こらーーー!!! いい加減にしないと、先生怒るよ!!!??」って。最高だった。あんな教師に教えられたら灘高行けそう。
今後は是非日常に復帰し、妖艶女教師にジョブチェンジして青少年に夢を見せてほしい。いいなぁ。いいなぁ……。


・ノエル
今作での新キャラ、もう一人の主人公。男。婚約者のいる女と寝食を共にする(多分)という非常に冒険心溢れるナイスガイ。
実際キャラクター的に嫌味がまるでなく、意外なまでに好きになれた。イケメンも結局内面次第なのさ。ノエルは良い奴だ。
会話前に「質問、~~」「納得、~~」「提案、~~」と名詞を入れる口癖(?)が妙に印象的だった。キャラ作りに一役買っていた。
誇張でなく人類が死滅した世界から来たのに、まともな倫理観や常識を身に付けているのは不自然だとも思うが。うーん。
一応相手役としてユールがいるが、妹みたいな感じだったのでセラの方があってると思う。奪っちゃえよ。13-3はドロドロ恋愛戦争編だ。


・ライトニング
光速の中2病はもう過去のこと、3年後っつーことで24歳になり、ますます凛々しく美しくなった。これは惚れてまうやろ。たまらん。
女神エトロによってルシの運命からは救われたが、そのドサクサで女神の世界に迷い込んでしまい、女神の騎士として生きることとなった。
酷い話だと思うが本人は腐らず太ももの眩しいコスチュームに身を包み、オーディンを召喚しながらカイアスと戦い続けている。
セラ達が全てを解決すれば現世に復帰可能で、実際EDでそうなると思ってたんだが、上記の通りわけの分からん展開で有耶無耶に終わった。
俺としては今作でも引き続きライトさんを動かしたかったので、サブキャラ降格は残念だった。より美しくなってたので尚更に。
しかし今作では誰も本名を呼ばなかったような……これでいいのか。なら俺が呼ぼう、エクレール。お、何か特別な関係っぽくて良い感じ。
13-3は脳内展開と行くか。はぁ。


・ホープ
時間移動シナリオの関係で、現時間ではなく10年後の世界で出会い、その後もその姿のままシナリオに多々絡んでくる。
前作では確か14歳設定だったから、つまり24歳の姿だ。き、貴様ライトさんを本気で狙ってきたな!? と時空の歪んだ嫉妬をしてしまった。
前作では特に天才設定はなかったはずだが、24歳になると人類科学の頂点・アカデミーの主任となり、コクーン復活計画のリーダーとなる。
単に頭が良いだけでなく、政治家としても動いてるのか、凄まじい権力と人望を得ている。正直違和感を覚えるほどのチート設定である。
だがとある未来の可能性(シナリオ上で一度通る)にて、コクーン復活の為に人工ファルシを作ろうとしていたのには呆れてしまった。
お前前作で誰と戦ってたのか忘れたのかよ。それを自分の手で作ってどうすんだよ。案の定殺されてるし、マジこいつアホかと思った。
それを除けばシナリオにも頻繁に絡んでくるし、ライトさん以上の重要サブキャラだった。出世したもんだなぁ……。
時間移動が可能なのはあくまでセラ達だけなので、ホープは人工睡眠を使って何百年後の世界にやってくる。しかも何度も。
その動機が「ヴァニラとファングを救いたい」ってのは……仲間とは言えそこまでの執着は不自然だと思うんだが。ライトさんなら分かるけど。
しかも数百年後に目覚めてすぐに再び科学のトップに立ってるし。その間何の進歩もなかったんかよ。周囲の連中はそれでいいのかよ。
まぁイケメン天才で文句の付けようのない勝ち組だった。スノウに怒るシーンがもっと欲しかったな。


・スノウ
セラの婚約者なんだから、どこかで当然パーティ入りするものと思いきや……あるエリアでゲストになるだけで、それを終えればさようなら。
本人はそれでもサバサバしてるし、ノエルの存在にまるで疑問も嫉妬も抱かないし、色々と理解不能だった。本当に好きあってんかよお前ら。
あとあのケッタイな髪型はなんじゃい。あれなら前作のノッポさん帽子の方がずっと良かったと思う。野村さんいいんですかあれ。
一応、セラと二人で更なる冒険の旅に出るという特殊EDが用意されていたのは救いか。まぁ割を食ったキャラであった。


・ヴァニラ
本人は終始クリスタル化したまま。たまに幻影で語りかけてきていたが、ほぼ未登場と言っていい。
仲間達が感謝を忘れず、復活に必死に動いているのは当人にとって嬉しいことだろう。良い話だ。復活はあるのかなぁ。

・ファング
ヴァニラと同様、終始クリスタルのまま。だが大好きなヴァニラと二人っきりでいられる事はこの人にとって幸せなのかもしれない。
前作ではライトさんと微妙にキャラが被っていたが、今作では完全に追い抜かれた感じだ。まぁ出番ないから仕方ないけど。

・サッズ
終盤まで名前すら出なかったんで、黒歴史としてなかったこと扱いされたと思っていたら、いきなりパイロットとしてドッジと共に登場した。
おいおい、ここは数百年後の世界だぞ? どうやって来たんだよ。最終決戦前のゴタゴタでその辺は一切説明されなかった。無茶苦茶だ。
コイツの絡むサブシナリオはDLCで配信されてるんだが、そこで真相が明らかになるんだろうか。もちろん買わんがな。舐めんなっての。はぁ。



グラフィックは……実はガッカリした。正直綺麗とは全く思わなかったのだ。特に人物の肌が汚いと何度も思ってしまった。
前作の時はまだ現世代機に慣れてなかったこともあり、正に圧巻、度肝を抜かれる絵の数々を大いに堪能できたんだが……はぁ。
これは俺の目が慣れてしまったからなのか、実際に今作のレベルがそれほどでもないのか……分からん。怖いから前作の見直しもしない。
邪推すると、マルチにしたのが原因ではなかろうか。想像でしか語れないが、マルチよりは一機種に絞った方が絵作りも良くなるだろう。
今作に関してはPS3一択で作り込んでほしかったと思う。そういやエリア読み込みのロード時間が長いのもマルチの影響なのかな。
まさかFFのグラフィックを綺麗と思わない日が来るとは、驚きである。ある意味現状のゲーム業界らしいと言えるかもしれん。
「数年に一度の最強グラフィック展示会」だったFFシリーズは、多分もう終わったのだろう。残念ながらそういうことだ。嗚呼。


音楽は特に何も。戦闘を最高評価で勝った時のファンファーレ(?)がそこそこ気に入ったくらい。モンハンみたいな感じ。
全体的に、アメリカ人の声(多分)を乗せた曲が多かった。つまり曲と言うより歌。洋楽。これもワールドワイドに売る為の施策だろうか。
日本語はチョコボ曲(の一つ)だけあったが、多分海外版じゃカットされてるんだろう。そういう時代なのさ。
歌っぽいBGMはまぁ悪いとは言わんが、多用するのもどうかと思う。もう少し絞ってほしかった。

俺が10-2を高く評価してるのは、音楽が良かったのも理由の一つで、実際今もサントラをよく聴いている。
それが今作にはまるでなかったのは残念。サントラが発売されているが、買うことはないだろうな……。




ふぅ、んなとこか。サラッと終わるはずがまたダラ長くなった。やれやれ。

今作が世間を一番驚かせたのは、何と言っても「売れなかった」ことだろう。
最終で約80万本。XBOX360版はほぼ数に入らないし、どんなに頑張っても90万本が限界だろうか。
発売前は、10-2が10の販売本数の約9割売れたことから、今作も同レベルの割合を期待されていた。
しかし蓋を開けてみれば、9割どころか13の5割にも満たなかった。これはもう、ぶっちゃけ惨敗と言える。売れなかったのだ。
もちろん80万なんて並のゲームでなら超ヒットの数字だが、ものはFFである。ファイナルファンタジーである。
ナンバリングではないが、準・ナンバリングではある。どんなに悪くても120万本は行くと個人的にも予想していた。
まさかこんな結果に終わるとはなぁ。一応ジワ売れ期間はあったが、これは値崩れの為だろうから寧ろ惨めだった。
少し前に発売された「テイルズ・オブ・エクシリア」が好調に売れたのと、実に対照的だった。
数字的にもかなり肉薄され、「もうすぐFFがテイルズに抜かれる?」という論もあった。さすがにそれはない……と思うが……。

尤もこの数字は、13の評判の悪さを引きずったというのが一番の理由だろう。そして10-2は10の好評を引き継いでいたのだ。
なので今作の売り上げだけを見て「FFシリーズはもう終わった」とは思わない。いや思いたくない。それはないだろう。ないんだよ。
たが、「じゃあ今後どうなるの?」と言えば、明るい展望は少なくとも現状どこにもない。
一応の正統続編である「FF14」は13をも上回る特大の失態を犯し、現在は建て直しを図っているが、その将来性は未知数だ。
一度盛大にコケた以上、どんなに内容が改善してもFFらしいユーザー数に戻すのは難しいと思う。まぁMMOのことは全然分からんけど。
未だ堅調な「FF11」の客を引っ張ってくる方法をもうちょっと真剣、かつ強引に考えるべきだと個人的には思う。
つっても14のことはどうでもいいや。どんな形態になっても俺には関係がない。
あとはヴェルサス13だが、こちらは開発期間が伸びるばかりで、このまま発売中止になるんじゃないかと疑うほどだ。少なくとも旬は逃したと思う。
やはり13の続編はヴェルサスに絞ってほしかったと今でも思う。それだったらもっとすっきり素直に購入できたのに。
まぁさすがに発売はされるだろうが、果たして100万本行けるのか……。いっそ13の名を捨てた方がいいかもな。はぁ。


となればもう比類なき「FF15」に期待するしかないわけだが、現状だと噂話すら出ていない。
流れとしてはPS4で出すのが自然なんだろうが、そのハードはこの世に生まれるかどうかも微妙である。
かと言って今更任天堂ハードに戻ってもかつての数字を出せるとは思えんし、XBOX次世代機は……さすがにイメージが非常にずれる。
そして15が発売に漕ぎ着けても、グラフィック面でかつてのような圧倒的なものを提示できる可能性は低い。無いと言っていいかもしれん。
既に俺らはHD画質に慣れ、スクエニ以外(主に海外)に圧倒的グラフィックを見せてくれるゲームメーカーを知ってしまっているのだ。
もしコストを掛けまくって他社を圧倒する超級グラフィックを実現できても、それに見合う売り上げが見込めるかは未知数だ。
かつては我武者羅に前を向いて全力疾走していれば良かったが、今はもう道がどんどん細くなってる。非常に厳しい時代である。
はぁ……。


俺に出来る事は何もない。「それでも15に期待してるよ!」とか虚しい前向き発言で締めるしかない。
だから虚しい前向き発言で締めよう。それでも15に期待してるよ。必ずプレーはする。FFシリーズだからな。MMOじゃない限りは。
今作は思いのほかゲームとして楽しめたから、好感をもって終えておこう。FFシリーズがこの程度と思うと寂しいもんだけどね。
時間移動は2次元の特権。楽しかったあの頃に戻るのも、面倒な過程を飛ばして未来に至ることも、絶対にできない。
俺もスクエニも、できるのは現実に足を付け、前に進むことだけ。停滞もできるけど、時間は決して止まらない。
頑張って前に進んで、超スゲーFFを発売して、俺に夢を見せてください。
俺も前に進めるよう引っ張ってください。後ろを振り返っているだけの人生なんて……うう……嗚呼。
はぁ。












拍手を送る
コメント (6)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 雑1206 | トップ | NINJA GAIDEN3(PS3版) »

6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (Unknown)
2013-08-19 01:02:32
俺とあなたでは感性が真逆らしいですね。少なくとも、ゲームを遊ぶ事に関しては。
FF13は、物語の展開にしても戦闘にしても、あの追われるような気持ちのいいスピード感が大好きでした。戦闘に関しては、戦闘後に評価されるシステムが、よりプレイヤーを追い詰めて時間を意識させてくれます。ああいう緊張感、他にはなかなか無いんじゃないでしょうか。作品全体を通してのスピード感、テンポの良さこそFF13の良さなんでしょう。僕はかなり好きですよ。
そしてまた、前作の素晴らしいスピード感を犠牲にして探索要素や成長要素を盛り込んだ事で、普通のRPGになってしまった続編には大きな不満と寂しさを感じています。
こういう奴もいると言う事、どうぞ知っておいてください。
返信する
Unknown (ota)
2013-08-19 21:07:56
FF13は極端な一本道構成だったので、シナリオにスピード感はあったかもしれません。
俺は幾らなんでも極端だろと思いました。まぁ人それぞれですね。
そして13ユーザーの声を受けて13-2は作られ、俺はこっちの方が面白く感じました。それだけの話ですね。

>こういう奴もいると言う事、どうぞ知っておいてください。
了解しました。
返信する
Unknown (Unknown)
2014-06-26 05:14:37
随分経ってあれですが、楽しく読ませていただきました
僕は実は13-2が大好きなんですが、
セラ、ノエルというキャラを好きになれたことが一番大きな理由だったのではないかと、この記事を読んでやっとわかりました
キャラを好きになればその顛末を追うのが苦になりませんからね
唐突ではありますがお礼を申し上げます。
返信する
Unknown (ota)
2014-06-27 01:42:34
コメントありがとうございます。楽しんで頂けたなら何よりです。
セラとノエルはどちらも嫌味の無いキャラで、俺も強烈に好きではないけど楽しく操作することができましたね。
「ライトニングリターンズ」が未プレーなので、いずれプレーして彼女らのその後をチェックしたいと思ってます。
返信する
Unknown (Unknown)
2014-07-30 14:21:11
>「ライトニングリターンズ」が未プレーなので、いずれプレーして彼女らのその後をチェックしたいと思ってます。

えええぇぇぇぇぇ!!!??
見えている地雷をわざわざ踏みに行くんですか!!?
悪いことは言いません!!!止めておきましょうよ・・・

ただでさえあまりいい評判を聞かないFF13の続編を、何故3つも出したのか理解できません!
この問いは、かのアインシュタインやダ・ヴィンチですらも出せないでしょう。
返信する
Unknown (ota)
2014-07-31 01:45:20
いやいやw FF13はともかく13-2に悪い印象はそんなにないですし、ライトニング氏のキャラも嫌いじゃないですからね。
まぁプレー確定ではないですが、いずれ廉価版が出ればなぁ、と。PS4版ならもっといいな。

>FF13の続編を、何故3つも出したのか理解できません!
一応最初から「ファブラ・ノヴァ・クリスタリス」とやらで、多方面展開を予告してましたけどね。まぁ13を3本も出すのはやり過ぎだと思いますがw
ファブラ以下略が想定通りに行かず、13の焼き直しで傷跡を埋めたってとこですかね。一応そこそこは売れたけど、ブランド価値は随分損ねた気がしますね……。
返信する

コメントを投稿

PS3ゲーム感想文」カテゴリの最新記事