パララン山脈の向こう

思い出せないくらい昔 私はパララン山脈の向こうに生えていた草だったんだ

第二幕 6. 本当は嘘じゃないので嬉しくて悲しくて

2016-09-08 17:20:48 | パラ山
双頭鳥草の根っこは足みたいなもの
空を飛ぶための翼はクルクルっと
ふざけてクルクルっとしているうちに
くせになってしまってクルクルル
ハッと気がつけば 本当のクルクルだ
そんなことは気にするな気にするな
まだ土の中に足みたいなものがある
あちらこちら行けないけれど
そんなことは気にするな気にするな
根っこなんだから じっとしてるんだ
双頭鳥草なんて名前も嘘だから
何にも気にしない気にしない
鳥でも草でもないんだから
嬉しくも悲しくもない


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